第22回SDGs勉強会~分断について
◆日時:2026年6月6日(土)14時半~16時
◆会場:SHARE HOUSE little trees
◆参加人数:10人
◆ドネーション額:25,000円(第37回種を蒔く人のお話を聴く会のドネーションと合わせて)
•認定NPO法人こどもの里へ25,000円をお送り致します。
◆参加者のお声
・「分断」難しく感じましたが、普段の生活の中でもある事に気付きました。
多面的な見方が必要で、やはり対話が大事ですが、分断の質によってそれもなかなか難しい事だとも思いました…。
・SDGs勉強会「分断」について、感想を書こうと思うが、なかなかに難しいと感じる。いろいろ考えさせられたし、勉強になった。ただし、何かをつかんだかと問われたら、答えに臆する。いや、考えるきっかけになったのだろうと、いま言語化しながら思った。あの日、刺激を受けて語り合ったことは、私に影響があったと実感している。それが何であるかは、具体にならないけれど。無理に答えなど出さなくてもいいのだろう。簡単ではないテーマなのだから。
・分断と感じる地点で終わらせずに、難しいプロセスであっても、そこから相手への理解を深めようと歩み続けること、また自己理解をさらに深めながら寛容さや柔軟性を育み続けることが希望に繋がると感じます。 分断を感じる中での対話は難しいですが、中立の立場の方や第三者のサポートも受けながら、今より関係が良くなるようなあり方を見つけていくことが大切だと感じます。
・勉強会が終わり「分断」についてゆっくりと考えてみると身の回りに思い当たる事案は少なくはないと感じました。狭い視野で過ごしてしまう日常にハッとし大きな気づきをいただきました。ありがとうございました。
ファシリテーター:岩﨑裕保
種を蒔く#691 2026年6月13日
岩﨑 裕保からあなたへ
分断について考えてみよう
テーブルごとに「分断」があると思われるコトや場所を思い浮かべて話し合ってもらいました。「分断」の捉え方がさまざまなことが分かり、「分断」とは何なのかという定義がないとの声もあがりました。
次に、1981年7月22日のJapan Timesに載ったJTBの広告
を見て――当時この広告には問題があるとの声があり、JTBは謝罪しました――2つの問題点を探しました。和人への同化を強いられ「本当のアイヌ部落」は破壊されました。
またアイヌ民族へのレッテル張りとなる「名高い毛深いアイヌ」はステレオタイプを強化し偏見・差別を助長します。それを広告・宣伝に使う商業主義の在り方も問題です。
昨年秋と今年春、札幌の地下歩道で「アイヌに関するパネル展示」を日本会議が開催しました。その様子などを パネル展内容は差別的と指摘 アイヌ団体が対策求める 約1万6000筆の署名提出 札幌市 札幌のチカホでアイヌ民族に関するパネル展 「差別的」と反対する市民らと主催者側が言い争いに で見ることができます。
2004年4月にイラク戦争下で日本人3名が武装勢力に拉致され、イラク駐留の自衛隊撤去を求められた後、唐突に解放されました。開発教育協会がソレを教材化したもの
を使って、人質にされた人たちの言動に関して肯定的な部分と否定的な部分を探してみまることで、さまざまな見方・考え方があることに気づきました。参加者各人にA~Hの中で自分の考え方に近いというものを選んでもらいました。次にA~Hのなかにイラクの人びとと米国の人の発言があるので、それを推測してもらいました。また、日本人の発言はどれかについても推測してもらいました。
A:犯人グループの声明文
B:米国パウエル国務長官
C:読売新聞社説
D:フランスのルモンド紙
E:イスラム宗教者委員会アルクベイ氏
F:石破防衛庁長官
G:青木盛久元ペルー大使
H:日本ビジュアルジャーナリスト協会
けっこう思い込みもあるものです。この事件では、NGOの活動が「自己責任」という言葉と絡めて語られたことも憶えておきたい点です。
最後に、2015年11月13日に起こった「パリ同時多発テロ」の後の反応を見てみました。
一つ目は、テロで妻を亡くしたアントワーヌ・レリスのメッセージです。
「ぼくは君たちを憎まない」──パリ同時多発テロで最愛の妻を亡くした男が語る「報復」によらないテロとの戦い | クーリエ・ジャポン には彼のメッセージに加えて解説もあります。
もう一つは、インド人モデルのカルーナ・エザラ・パリークから発せられたものです。
【英日対訳】 #パリ同時多発テロ事件 「パリのみではなく、この世界に祈りを」―世界に響いたある詩の訴え|個人投稿(2015.11.14)|戦いのノート
2つは立場の違いもあって、ずいぶん違うメッセージですが、よく考える価値のあるものです。
朝日新聞の記者はベルギーのブリュッセルに取材に入って――テロの首謀者アバウドはブリュッセル生まれで、かつては中流家庭の子どもが通うカトリックの名門中学校の生徒でした――、モロッコ系のタクシー運転手から「テロリストが潜入している可能性があるなら、欧米は、なぜブリュッセルやパリを空爆しないのだ」と問われたと、12月6日付けの記事を書いています。パリークやこの運転手の視座はレリスのメッセージとは違って世界中を駆け巡ることはありませんでしたが、忘れたり放置したりはできないものです。
大原則として社会は多様であるという認識は広く支持されるようになりましたが、その常態を善しとしないで「あれかこれか」と迫られるのは危ういと感じます。
丁寧に合意形成に努めなかったり、不誠実な説明しかしなかったり、あえて波風を立てたりすることで、一定方向を目指すために「分断」が作られるようなことは民主主義社会ではあってはならないこととして万人が認識しているでしょうか。言葉と行動でソレを示していくことを怠ってはいないでしょうか。
プロフィール: blue earth green trees SDGs勉強会プロジェクトリーダー。同志社大学法学部政治学科卒業、同大学院アメリカ研究科修了。ニュージーランドが関心の地域。私立中高で英語を教え、その後大学に移って「平和研究」「国際協力論」「NGO/NPO論」などを担当。2008年から6年間開発教育協会(DEAR)代表理事。今はDEAR顧問と関西NGO協議会(KNC)監事。
種を蒔く:#689,677,670,661,630,619,606,588,575,569,547,537,522,494,385,383,360,354,349,342,319,310,303,292, 266, 259, 254, 237, 224, 197, 175, 143, 124, 121, 98, 79, 73, 69, 67, 48
【過去のご報告】
2025年12月13日開催:『第21回SDGs勉強会~東日本大震災をふりかえり、援助について考える』のご報告
2025年8月9日開催:『第20回SDGs勉強会~まちづくりを考える』のご報告
2025年6月21日開催:『第19回SDGs勉強会~万博を知る、万博を考える』のご報告
2024年12月21日開催:『第18回SDGs勉強会~エネルギー、どうする?デンマークにみる先行事例』のご報告
2024年4月13日開催:『第17回SDGs勉強会~参加について』のご報告
2023年10月21日開催:「第16回SDGs勉強会~難民について」のご報告
2023年4月15日開催:「第15回SDGs勉強会~貿易ゲームで世界の構造を考える」のご報告
2022年10月22日開催:「第14回SDGs勉強会~沖縄から考える平和」のご報告
2022年10月22日開催:「第13回SDGs勉強会~ファッション・服について考えてみよう」のご報告
2022年10月8日開催:「第12回SDGs勉強会~プラスチックとゴミとリサイクルについて考えてみよう」のご報告
2022年8月13日開催:「第11回SDGs勉強会~国際協力/援助について考えてみようⅡ」のご報告
2022年6月18日開催:「第10回SDGs勉強会~国際協力/援助について考えてみようⅠ」のご報告
2022年4月23日開催:『第9回SDGs勉強会~子どもの権利条約について考える』のご報告
2022年2月26日開催:『第8回SDGs勉強会~豊かな社会にとって大切なこと』のご報告
2021年12月11日開催:『第7回SDGs勉強会~~核(兵器)について』のご報告
2021年10月16日開催:『第6回SDGs勉強会~コンビニについて』のご報告
2021年8月28日開催:『第5回SDGs勉強会~フェアトレードⅡ』のご報告
2021年6月12日開催:『第6回種を蒔く人のお話を聴く会/Listening to Seedfolks〜五ふしの草 榊原一憲さん) 』& 『第4回SDGs勉強会(フェアトレード)』のご報告
2021年2月13日開催:『第4回種を蒔く人のお話を聴く会/Listening to Seedfolks〜登大路総合法律事務所 所長弁護士田中啓義さん』& 『第3回SDGs勉強会』ご報告
2020年12月26日開催:『第3回種を蒔く人のお話を聴く会/ Listening to Seedfolks 〜国連UNHCR協会芳島昭一さん』&『第2回SDGs勉強会』のご報告告
2020年10月17日開催:『第1回種を蒔く人のお話を聴く会 & 第1回SDGs勉強会』のご報告
