8月28日開催:『第5回SDGs勉強会~フェアトレードⅡ』のご報告

 

活動報告「第5SDGs勉強会~フェアトレードⅡ」

 

ご参加くださった皆さま、ありがとうございます。

 

皆さまのご協力に感謝致します。

 

◆参加人数:15

 

◆ドネーション額:21,152円(第7回種を蒔く人のお話を聴く会のドネーションと合わせて)

 

・特定非営利活動法人市民ひろばなら小草へ21,152円をお送り致しました。

 

◆参加者の皆さんのお声

・岩崎さんの丁寧な説明がいつも嬉しいです。

・生き方を探るのにいいアドバイスになります。

・奈良市/生駒市をフェアトレードタウンにできれば良いなと思いました。

・フェアトレードのことをこれまであまり深く考えたことがなかったのですが、この機会を与えていただき、ありがとうございました。

・フェアトレードの理念を持って商品を選ぶことが大切だと気づきました。日常生活の中に少しずつとりいれようと思います。

・フェアトレードは聞いたことがあったが、フェアトレードタウンという言葉は初めて知りました。フェアトレードタウンを目指そうとしている都市に関西圏が三重しかなくてとても残念に思います。フェアトレード商品の先にある、人と商品を通じて繋がるという感覚・意識が大切で必要だなと思いました。エシカルという言葉は末吉里花さんから教えてもらって知っています。生き抜くではなく、生き合う社会を目指したいと思います。 

・私も子どもと遊ぶのが好きだったりみんなの笑顔が好きです。またたくさんの人に支えられて生きている人間のひとりです。少しだけでも、今できることをひとつひとつして、世界の一人でも多くの人の笑顔と幸せのために役に立ちたいと思いました。

・フェアトレードやエシカル消費について聞いたことがありましたが、フェアトレードタウンのことは存じ上げませんでしたので、勉強になりました。奈良県の市町村で対象区域になる日が来るといいなと思います。

 

 

岩崎裕保からあなたへ

 

SDGs勉強会」では、前回に続きフェアトレードをテーマにしましたが、今回は特にフェアトレード・タウン(以下FTT)に絞ってみました。FTTは、地域の市民、学校、企業、行政などが「まちぐるみ」でFTを推進している地域ということです。

FTフォーラムという組織が2019年におこなった調査によると、

FTの知名度(コトバを見聞きしたことがある)

       約55%(そのうち10代では80%弱)

FTの認知度(貧困や環境に取り組む活動と答えた人)

           ①の61=全体の約33

FT製品の購入

       ②の42.5%=全体の7~8人に1人

④FTT(運動)の知名度

    13.5%=②の23.5

で、FTTについて多くの人が知っているわけではないことが分かります。

 

 第2次世界大戦下1942年にオックスフォードで、クエーカー教徒、社会活動家、オックスフォード大学の教育関係者が中心となって「オックスフォード飢餓救済委員会(Oxford Committee for Famine Relief)」が立ち上げられ、それが 1965年に組織名称を「オックスフォード飢饉救済委員会(Oxford Committee for Famine Relief)」としました。寄付を募るだけでなくチャリティ・ショップ(Oxfam Shop)を運営し、今では15000のショップが世界中にあります。イングランド北部のガースタング(Garstung)という人口数千の町のOxfamとそのサポーターが中心となって2001年にFTTが発足しました。今ではFTTは全世界で2000ほどあり、お隣の韓国でも注目を集めています――ソウル市は、人口1千万人の都市としては世界で初めての「フェアトレード・タウン」公式認定を2018年に取得しました。

 FTTとして認定されるためには6つの「FTT基準」を満たす必要があります。

・推進組織の設立と支持層の拡大

・運動の展開と市民の啓発

・地域社会への浸透

・地域活性化への貢献

・地域の店(商業施設)によるフェアトレード産品の幅広い提供

・自治体によるフェアトレードの支持と普及

 

もともとの英国の基準は5つでしたが、日本では「地域活性化への貢献」が加えられ、地域経済への貢献や地産地消、障がい者などの多様なコミュニティとの連携も基準となっているのが特徴的です。

 

日本では以下のFTTが認定されています。

   熊本市(熊本県)  201164

   名古屋市(愛知県) 2015919

   逗子市(神奈川県) 2016716

   浜松市(静岡県)  2017919

   札幌市(北海道)  2019年 61

   いなべ市(三重県) 2019923

また、垂井町(岐阜県)、新潟市(新潟県)、世田谷区(東京都)、千葉市(千葉県)、館山市(千葉県)、北九州市(福岡県)、松江市(島根県)、大府市(愛知県)、武蔵野市(東京都)、金沢市(石川県)、苫小牧市(北海道)、石井町(徳島県)、長野市(長野県)が認定に向けて活動中です。

 

そして、英国のブルックス(Brookes)大学が2003年に大学として初の認定を受け、今では英国では170ほどの大学がFTUになっています。日本では、

静岡文化芸術大学(静岡県浜松市)

札幌学院大学(北海道札幌市)

北星学園大学(北海道札幌市)

青山学院大学 (東京都渋谷区)

が認定を受けています。世界的には大学だけでなく学校での取り組みも多くみられるようになってきています。

 奈良でのFTTの可能性はどうでしょう?

 

プロフィール: プロフィール:blue earth green trees SDGs勉強会プロジェクトリーダー、同志社大学法学部政治学科卒業、同大学院アメリカ研究科修了。ニュージーランドが関心の地域。私立中高で英語を教え、その後大学に移って「平和研究」「国際協力論」「NGONPO論」などを担当。2008から6年間開発教育協会(DEAR)代表理事、今はDEAR監事と関西NGO協議会(KNC)監事。

 

種を蒔く:#224,197, 175, 143, 124, 121, 98, 79, 73, 69, 67, 48