『愛と平和と自由と多様性の種を蒔く / Seedfolks of Love, Peace, Freedom and Diversity』
2020年3月、新型コロナウィルスの影響を世界中が受ける中で、毎日を健康に希望をもって生きていける知恵を出し合い、お互いへの思いやりを大切に、こころとからだを健やかに育て合っていく必要を実感します。
一人ひとりのメッセージやお話、仕事やライフワークについての志と実践、社会課題や地域課題への取り組み、家族や友人との繋がり、食や栄養や睡眠や運動についての情報、心を豊かにする芸術、写真や本や音楽や映画の紹介、国内外で種を蒔き続ける人の紹介など、それぞれの声を聴き合えるコーナーをスタートしました。
#400 2022年12月10日
oioiのりゅうじからあなたへ
奈良市立二名中学校での講演会を終えて
こんにちは!ザ・オイオイズのりゅうじです!
二名中学校のみなさん、先日は僕たちの話を聞いてくれたり、一緒に手話でパフォーマンスしてくれてありがとうございました!!
僕がこの活動を通して多くの人に知ってもらいたいことは、自分の知らない世界や出会ったことない人たちのことを想像だけで終わらせずに飛び込んでみてほしい!!ということです。
飛び込んでみることで、きっと様々な刺激を受けるし、その中で色んなことを考える機会になります。
僕はオイオイと出会う前まではきこえない人のことを勘違いしていた部分がたくさんありました。
でも出会ったことでそれが間違いだと知ることが出来ました。
また、「自分が楽しいと思うことをやる。」に加えて「なんでも楽しんでやってみる。」を大切にすると色んなものを吸収出来るはずです!!
みんながこうしてるから、とかイヤイヤやらされてるって気持ちだと得られるものは限られてきます。
楽しいことをやりつつ、これを楽しむにはどうしたらいいのか?もしかしたら楽しいかも?とりあえず積極的にやってみよう!と取り組むと大きな違いがあるはず!
是非一度やってみて欲しいです!
今回の手話パフォーマンスタイムのような姿勢は素晴らしかったです♪
またどこかでお会いしたときには遠慮なく話しかけてください!!
またお会いしましょー!!
プロフィール:一般社団法人手話エンターテイメント発信団oioi理事
種を蒔く:#393
#399 2022年12月10日
東口千津子からあなたへ/From Chizuko HIGASHIGUCHI to you
いつもblue earth green treesへのご理解・ご協力に感謝致します。国内外の多様なお一人おひとりの主体的な内的世界に出会う日々・瞬間に心が動かされ、お一人おひとりが伝えてくださるメッセージに気づきをいただき、自分自身の内的世界が育てられていきます。喜びや楽しさや成功体験と共に、葛藤や辛さや挫折や痛みや苦しみなどを伴う経験も私たち一人ひとりの根っこを育ててくれ、「今」を静かに深く支えてくれているのだと教えられます。
11月25日の「第20回子育てカフェ」、26日の「第7回ROUDOKUプロジェクト」と「第7回ひとときカフェ」は「プロジェクトレポート」や「種を蒔く」でご報告させていただいていますが、一つひとつのプロジェクトの時間で、『伝える個人』と『聴く個人』の間で気持ちが行き交い、相互作用が起こる瞬間に出会います。
11月29日の奈良市立二名中学校体育館でも一人ひとりの主体的な内的世界から生まれるエネルギーが交流され、楽しく深い時間が生まれました。山村校長先生からのご依頼で、中学3年生を対象に、oioiのりょーじさんとりゅうじさんがそれぞれの人生で心に刻んでこられたメッセージを伝えてくださり、「やってみよう(WANIMA)」「未来へ(Kiroro)」「仲間(ケツメイシ)」の手話パフォーマンスを届けてくださいました。りょーじさんとりゅうじさんがそのままの自分自身で、大切に感じることを伝えてくれているからこそ、中学3年生一人ひとりがりょーじさんとりゅうじさんをまっすぐ見つめ、それぞれのメッセージを深く受け止めている時間が生まれるのだと感じました。生徒さんたちが静かに聴き続ける姿を、また体全体で手話パフォーマンスにチャレンジしている姿を、先生方が深いまなざしで包まれている中にもあたたかいエネルギーが行き交っており、中学3年生一人ひとりの今、そしてこれからの日々に、先生方が大きなエールを送っておられる日常が感じられました。私自身も同じ空間で、りょーじさんとりゅうじさんから、中学生の皆さんから、先生方からあたたかいエネルギーをいただいたと感じます。校長室での先生方との振り返りの時間、りょーじさんとりゅうじさんと3人での振り返りの時間も、子どもたちを応援するそれぞれの想いを聴き合い、自分自身が深く感じることを聴き合うとてもいい時間になりました。
1月21日(土)9:30~11:50(奈良県文化会館多目的室)、「第18回種を蒔く人のお話を聴く会&手話ワークショップ」ではoioi代表の岡﨑伸彦さんのメッセージをお聴きし、oioiの皆さんと一緒に手話パフォーマンスなどを楽しむ予定です。皆さんとご一緒できれば嬉しいです!
12月8日は岩﨑さんと奈良で「SDGs勉強会」についてのMTGを、12月9日はCommon Café(大阪市北区中崎町)で山納さんと近況を聴き合い、お互いが進めている活動について意見交換するMTGを行いました。お二人の広い見識と洞察力にはいつも深い学びをいただきます。岩﨑さんはDEAR(認定NPO法人開発教育協会)による教材をこれまでもたくさん紹介してくださり、「SDGs勉強会」で私たちに「世界と自分を繋ぐ学びの場」を提供してくださっています。「公正で持続可能な地球社会の実現を目指し『知り、考え、行動する』開発教育を推進する教材は、人権・平和・環境などのテーマで世界を見つめる機会を提供してくれます。同時に、私たち一人ひとりの暮らしの中での気づきや、小さな一歩からスタートできることを教えてくれます。素晴らしい教材を開発してこられた開発教育協会の皆さんと岩﨑さんに敬意を表し、これからも「SDGs勉強会」に参加してくださる皆さんと一緒に学び続けたいと思います。山納さんはCommon Caféをはじめ多様な活動をプロデュースされてきていますが、2018年9月から10か月間、アメリカのマサチューセッツ州ケンブリッジ市で都市政策などを調べるために留学をされました。その時に出会われた『THE DIVIDED CITY』 という本を翻訳され、2020年11月に『分断された都市 再生するアメリカ都市の光と影』(アラン・マラック、山納洋 訳、学芸出版社)が出版されました。人種差別・二極化・排除などから「社会的包摂とチャンスへの道筋へ」どのように軌道を変えていけるのか、示唆に富む内容の本です。山納さんは「翻訳家でもない自分が、なぜ本に出会って三日で訳そうなどと思ったのか。それは、この本に書かれていることを日本で広く伝えることが、僕がアメリカで学んだことを活かす最善の方法だと直感したからでした」と伝えられています。自分軸から他者と社会に働きかける歩みを続けてこられている山納さんとのCommon Caféでの時間も、奈良での岩﨑さんとのSDGs勉強会の振り返りと打ち合わせの時間も、洞察を深めることのできる楽しく充実したひとときです。
世界のどの国にもどの地域にも難しい課題がみられますが、そこから光や希望の方向へ踏み出し、歩み続けておられる素晴らしい一人ひとりに出会う時、私たちは自分の内側にも小さな光や希望を見つけ、勇気を出して一歩一歩進んでいくことができるように思います。
今年も残すところ3週間となりました。国内外のお一人おひとりが2022年を穏やかに心豊かに締めくくれますようにとお祈りしています。
Thank you for being together and walking together. You give the motivation and support to make the better world and to be mindful and compassionate by sharing your experiences and your life stories. Please have peaceful days with your family & your friends and stay healthy in the end of 2022.
プロフィール:一般社団法人blue earth green trees代表
種を蒔く:#389, 381, 376, 355, 346, 312, 307, 287, 271, 261, 244, 174, 158, 145, 125, 118, 79, 56, 42, 1
#398 2022年12月3日
矢倉真由子からあなたへ
第20回『子育てカフェ』のご報告
第20回子育てカフェの参加者は4名でした。ご参加いただき、ありがとうございます。
自分の子ども時代はどんなふうに周囲を見たり感じたりしていたのだろうと考え、できるだけ子ども目線で子どもたちと接することを試みたりしますが、時に子どもたちは大人の想像を越えて、日常の出来事などに対して深く感じ深い考えを持っていることに驚かされることがあります。
大人に比べて子どもたちの経験は少ないかもしれませんが、大人になったからこそ忘れがちになっている大事なことを子どもたちは真っすぐに見ているのかもしれないと感じます。
子どもたちからの学びは、大人の人生をより豊かにしてくれるように思います。
子どもたちが成長していく中で大人とのぶつかり合いはありますが、子どもたちの見えやすい言動ばかりにとらわれるのではなく、その背後に流れている澄んだ空気を感じることができればと日々切に感じています。
参加者の皆さまからのドネーション5,000円はAMDA社会開発機構ミャンマー事業にご活用いただきます。
【参加者の声】
・日常生活の些細な出来事を話し合える貴重な時間、ありがとうございました。話し合う事で気づきがあったり、教えられたり、人の繋がりの大切さを感じました。小春日和の穏やかな日にしっかり充電できました。ありがとうございます。
・子育てカフェに参加すると、うちの子が小さかった時、小学校や中学校に通っていた時はどんなだったかなあと思い返します。怒ったり気を揉んだこともたくさんあったけれど、子どものおかげで頑張れた!そして楽しかった!今から思えば駆け足であっという間に過ぎたあの日々が宝物のように思います。
プロフィール:blue earth green trees「子育てカフェ」プロジェクトリーダー
種を蒔く:#392,380, 369, 353, 341, 325, 314, 299, 290, 276, 246, 240, 229, 216, 208, 194, 114, 108, 94, 51, 3
#397 2022年11月27日
小原祥子からあなたへ
第7回『ひとときカフェ』ご報告
ご参加くださった皆さま、ありがとうございました。
◆参加者:4人
◆ドネーション額:20,000円(第6回ROUDOKUプロジェクトのドネーションと合わせて)
・一般社団法人ニジェール物語製作委員会様へ20,000円をお送り致します。
久しぶりに訪れた奈良は、紅葉の季節ということもあり、人出の復活を感じさせる賑わいでした。美しい紅葉と同じくらいに目をひかれたのは、海外から来られていると思われる観光客の多さでした。制約が緩まるのを待って、心弾む旅の行き先に日本を選んでくださった方々なのだろうな…と、時の変化をうれしく思いつつ会場に向かいました。
美しく彩られた季節。行きたい場所がたくさん思い浮かぶ行楽のシーズンに、今回もひとときカフェでお会いできたことを、とてもありがたくうれしく思っております。
こじんまりな今回のひとときカフェ。小さな椅子の輪に一瞬感じた気恥ずかしさは、あっという間に心地よさと安心感に変化。お一人おひとりの表情までよく見えるその距離感だからこそ、お互いを身近に感じながら共にいられるという感覚が、より濃く感じられた気がします。
ご自分の経験から得られた大事な気づきを、細やかな気遣いとエールを込めて伝えてくださる姿と、温かな労いと感謝の気持ちで受け取られている姿。互いの心が優しく力強く行き交う時間は、それぞれが、自分の「これまで」そして「これから」に思いを馳せる大切な時間でもあったように思います。
小さな輪の中で起きていたことは、今回もやはり時間や空間を行き来する広がりを持つことだったと、今、改めてうれしく思い返しています。
ご参加の皆さま、本当にありがとうございました。
次回は2023年3月25日(土)開催の予定です。一期一会の出会いの中、大切な時間を共有させていただけることを楽しみにしております。皆さまのご参加をお待ちしております。
◆参加者のお声
・両親への感謝をあらためてできるとなりました。ありがとうございました。
・少人数であったこともあり、介護にまつわること、家族のつながりについてゆっくり話をすることができました。親を思う事は皆同じ、でもそれが負担になったり、自責になったりせず、自分の時間も大切にしながら、互いに少しでも笑顔でいられる距離感で接していければと思いました。
・一人ひとりの経験している「今」を聴き合うことができました。それぞれのライフステージで自身の心身のバランスを崩さないように意識しながら過ごしていくことの大切さを確かめました。その時の状況を受け止めることが難しく感じたり、戸惑ったり、不安を感じたりする自分の心の内側を誰かに聴いてもらうことで、ほっとししたり気持ちを整理できたりエネルギーを補充することができるのだと感じます。
プロフィール:blue earth green treesひとときカフェ・プロジェクトリーダー
種を蒔く:#357, 327, 309, 247, 231, 213, 7
#396 2022年11月20日
岩﨑裕保からあなたへ
農民作家・山下惣一さんが2022年7月に亡くなられました。86歳でした。
去年(2021年)春に、彼の本を読み返した時にメモのつもりで書いた文章です。忘れないために投稿させていただきます。
高度経済成長で農家はどうする、どうなる
「ああ、もういかん、あいつにほめられるようではいちごはもう先はない。ハウスいちごは駄目じゃ」とMは言った。農協青年部の実績研究発表会で、Mが始めた水稲といちごを組み合わせる経営について、農業改良普及所長がその方針をほめあげたときのことである。みんなにすすめられて公表したことをMは心底悔いている様子であった、と山下惣一は『日本の”村“再考』(現代教養文庫、1992年、原本は1975年ダイヤモンド社刊)で書いている。
事実、ハウスいちごはその翌年から急増した。県の補助金事業で団地も生まれ、先が案じられるほどの過剰時代に入ってしまった。仲間うちだけでこっそり作っている間は何を作っても必ず儲かる。その実績に農協が目をつけ、功をあせる行政が補助金をつけて奨励するようになると、必ず駄目になる。みかんの時も、危機の原因は過剰だった。それを乗り切るというのは落伍者が出るのを待つということではないのか――そのあたりのことを宮本常一が、生産過剰になって、みかん作りでは生活がたちにくくなると、若い者は都会へ出てゆくか、役場や農協へ務めるようになった、と記している(『民俗学の旅』講談社学術文庫、原本は1978年文芸春秋刊)。
みんなで団結して危機を乗りきることはできるのかという議論の結末は「誰も頼りになる者はおらん、それがつくづくわかった」ということになる。「誰にすすめられなくとも、儲かるものなら自分のほうから作り出しますばい」とMは言う。
「“オカミの反対反対とやれば必ず儲かる”という私たちの間に伝統的に伝わる体験的真実」を山下は思い浮かべる。農政は森をどういう形にするかを考えるが、森を作っているのは一本一本の木である。木のない森はありえない。そこで、一本一本の木は口々に、「そうすると、うちはどげんなりますな」と問わざるを得ない。工業と農業の機械化は同じではない。工業で大型の新しい性能の設備があれば、機械が商品そのものを生み出す――工業生産はコピーだから。鍬が鋤になり、耕耘機になりトラクターになっても、それは米を生産することはない、あくまでも田んぼを耕す道具で、鍬と同じだ。
日本社会ではあまり知られていないが、2019~2028年は国連の「家族農業の10年」である。家族農業とは「労働力の過半を家族労働力でまかなう農林漁業」を指す。家族農業は世界の農業経営の9割を占め、世界の食料供給の8割を生産している。土地生産性もエネルギー効率も小規模・家族農業のほうが優れている。小農・家族農業は、利潤を追求する企業的経営とは異なり、農村に暮らし続けるために、自然生態系、環境、社会性を大事にする。半世紀前に山下たちが辿らされた道筋とは違う認識がここにはある。
夏の夕暮れに、祭りに向けて子どもたちは笛の吹き方を年寄りたちから教わる。山下の世代は子どもたちに伝えるべき囃子を奏でることはできない。高度経済成長世代の壮年はトラクターは使えても、誰ひとり笛も吹けなければ鉦も太鼓も叩けない。
プロフィール:blue earth green trees SDGs勉強会プロジェクトリーダー。同志社大学法学部政治学科卒業、同大学院アメリカ研究科修了。ニュージーランドが関心の地域。私立中高で英語を教え、その後大学に移って「平和研究」「国際協力論」「NGO/NPO論」などを担当。2008年から6年間開発教育協会(DEAR)代表理事。今はDEAR顧問と関西NGO協議会(KNC)監事。
種を蒔く:#372,360,354,349,342,319,310,303,292, 266, 259, 254, 237, 224, 197, 175, 143, 124, 121, 98, 79, 73, 69, 67, 48
#395 2022年11月19日
事務局からあなたへ
いつもblue earth green treesの活動にご理解・ご協力をいただき、ありがとうございます。
2022年度から販売を開始した『blue earth green treesロゴ』&『Love, Peace, Freedom & Diversity』のメッセージ入りポストカードをお買い求めいただきました皆さま、ありがとうございます。全額を難民・避難民の方々の応援に活用させていただいています。大切な人への日常のお便りやクリスマスカードや年賀状にご利用下さる方、お部屋に飾って下さる方、ギフトとしてご家族やご友人に届けられる方、それぞれのご都合に合わせて一枚(100円)からご購入いただけます。プロジェクト開催時にも販売致しますが、送料をご負担いただける場合はご希望の枚数をお送り致します。
Love, Peace, Freedom & Diversityのメッセージを繋がりお一人おひとりに届けませんか?
2023年は新たな写真のポストカードが加わる予定です!
#394 2022年11月19日
事務局からあなたへ
いつもblue earth green treesの活動にご協力いただき、ありがとうございます。
「難民の皆さんと共に進むプロジェクト」にご質問いただいた内容を、プロジェクトリーダーのルミカさんと東口で共有・意見交換し、2023年1月以降の「難民の皆さんと共に進むプロジェクト」は以下のように進めていくことになりました。どうぞよろしくお願い致します!
◆プロジェクトメンバーのみでなく、どなたでも参加していただけます。ご家族・ご友人・職場の仲間・地域の皆さんにお声がけいただき、代表者の方がご報告ください。
◆2か月に1度の報告日に「〇人で□km」とご報告ください。
◆「歩く」「走る」「自転車に乗る」「泳ぐ」などの合計距離をご報告ください。
◆ご報告を失念されても問題ありません。以下のご報告日でご都合の良い時にご報告ください。原則2か月に1度(奇数月)のご報告としていますが、誕生日月に1年に1度のご報告などでもOKです。ご自身のライフスタイルに合わせてご報告ください。
◆2023年報告日は1月5日、3月1日、5月1日、7月1日、9月1日、11月1日となります。
◆難民・避難民のお一人おひとりがどんなに長い距離を歩いておられるのか、どんなお気持ちで歩いておられるのか、ご家族や友人やコミュニティがどんなに支えになっておられるのかなど、可能な範囲で想像しながら歩いてみましょう。考えること・感じることを、お一人おひとりのメッセージとしてお届けください。
◆出会う自然の景色などを「一枚の写真から」にお届けください。
◆blue earth green treesから毎月のドネーション5,000円を国連UNHCR協会様にお送りし、難民・避難民の皆さんにお役立ていただいています。ドネーションに加えてくださいというお気持ちをお預かりする場合は、一緒に国連UNHCR協会様にお送り致しますので、事前にご連絡をいただけますようお願い致します。
◆メール送付先:blue.earth.green.trees.3@gmail.com
年末に向かい、お忙しい日々が続いておられると思います。皆さま、おからだを大切にお過ごしください。
#393 2022年11月15日
oioiのりゅうじからあなたへ
【くらしのブンカサイinいこま2022】
[日時]:11/20(日)11:00~17:00
★手話エンターテイメント発信団oioiの出演は14:30~15:30の予定です。
[場所]:北コミュニティセンターISTAはばたき@奈良
[費用]:無料
コロナがようやく落ち着きはじめ、久しぶりのガッツリコントです!!
群馬で先日やったもののパワーアップバージョン!
広い会場ですのでお子さんも大人も何人でもお誘いいただいてダイジョーブです!!
ご都合よろしければ遊びに来てください!
#392 2022年11月12日
矢倉真由子からあなたへ
第19回『子育てカフェ』のご報告
第19回「子育てカフェ」の参加者は3名でした。
ご参加いただき、ありがとうございました。
子どもが日々成長していくということは、親もまた歳を重ねるということ…、子どもにも大人にも時間は同じように流れているという当たり前のことを、ふと立ち止まって感じる時、何とも言えない気持ちになります。
親子の距離が近い時期、少し離れる時期、さらに離れる時期など、その時々の関係性にさまざまな感情がわいてきます。その感情を素直に受けとめながら過ごせたらと思いますが、時に一人では持ちきれないと感じることもあるかもしれません。
「子育てカフェ」も、そのような気持ちを共有させていただく場の一つとして、在りたいと思っています。
次回の皆さまのご参加を、心よりお待ちしております。
参加者の皆さまからのドネーション5,000円は、AMDA社会開発機構ミャンマー事業にご活用いただきます。
プロフィール:blue earth green trees「子育てカフェ」プロジェクトリーダー
種を蒔く:#380, 369, 353, 341, 325, 314, 299, 290, 276, 246, 240, 229, 216, 208, 194, 114, 108, 94, 51, 3
【参加者の声】
・気の置けない人との日常の些細な出来事を聞いて貰ったり、聞いたり。
心安らぐ大切な時間でした。リフレッシュしてしっかり充電できました。ありがとうございます。
・お互いの話を聴き合いながら、子どもの成長を一緒に見つめてきた時間、親としてたくさんの貴重なできごとを経験してきた時間、個人として歩んできた時間について見つめました。これからもいろいろな気持ちを聴きあいながら、一緒に進んでいきましょう。
#391 2022年11月12日
天沼耕平からあなたへ
いつも大変お世話になっております。
国連UNHCR協会の天沼耕平です。
11月に入り、秋から冬に季節が進んでおりますが、いかがお過ごしでしょうか。
この度、直近約2か月の距離が「12051.047km」、第1回から合わせた距離は「138893.985km」というご報告をいただきました。
皆様の共感と支援の輪を広げるご協力と連帯に改めて深く感謝申し上げます。
さて本日は、「第17回難民映画祭2022」(https://unhcr.will2live.jp/cinema/)についてご案内させていただきたいと思います。
今年の5月の段階で、紛争や迫害で故郷を追われた人たちは、日本の人口にほぼ近い、1億人を超えました。
難民と呼ばれるようになった人たちも、私たちと同じように、一人ひとり、愛する家族や友人、大切なそれぞれの人生があります。
たとえ、明日が約束されない状況でも、生き抜いていく。
困難に立ち向かう意志、その力強さを、ぜひ映画を通して感じていただければ幸いです。
世界各地から集めた珠玉の作品をリアルイベントとオンライン配信のハイブリッドでお届けいたします。
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【オンライン開催】12月1日~14日
https://unhcr.will2live.jp/cinema/
➡ お申込はこちらから https://unhcr2022.peatix.com/view
【東京開催】12月4日~5日
https://unhcr.will2live.jp/news/11/01/rff2022_tokyo/
【広島国際映画祭との初のコラボレーション】11月19日
https://unhcr.will2live.jp/news/10/21/rff2022_hirosima%e3%80%80/
主催:国連UNHCR協会
協力:国連難民高等弁務官(UNHCR)駐日事務所
パートナー:独立行政法人 国際協力機構
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SNSのリツイートやシェアも大きなチカラとなります。
ぜひご協力をお願いいたします。
Twitter https://twitter.com/japanforunhcr/status/1587308453978161153
Instagram https://www.instagram.com/p/CkZ9a-4hPw5/
LINE https://linevoom.line.me/post/1166729027525585704
「走る支援」に加えて「観る支援」をぜひともお願い致します。
皆様のご参加を心よりお待ちしております!
皆様のますますのご発展とご健康をお祈り申し上げますとともに、今後とも何卒よろしくお願い致します。
プロフィール:国連UNHCR協会職員
種を蒔く:#379, 345, 333, 322, 308, 293, 269, 258, 245, 238, 217, 203, 192, 183, 172, 162, 146, 141, 127
#390 2022年11月12日
奥田鹿恵子からあなたへ
今年も「種を蒔く人のお話を聴く会/Listening to Seedfolks」*にて、有意義な時間を過ごすことができました。初めての方、既にお会いしたことのある方、合わせて12名の皆様にお目にかかることができ、とても嬉しく思います。ありがとうございました。
一昨年と昨年はネパールについてお話しましたが、3回目となる今回は、私の新たな赴任地であるホンジュラス**をご紹介しました。ホンジュラスは、中米に位置する人口1,000万人弱の小さな国です。どんな国なのか、日本ではあまり知られていないかもしれません。「自然が豊か」「経済格差が大きい」「礼儀正しい」「意外と保守的」といったところが、赴任して9か月となる私の印象です。同じ中米諸国でも、青年海外協力隊員として滞在したことのあるドミニカ共和国とは文化が全く異なり、毎日新たな発見と学びに満ちあふれています。
私たちAMDA-MINDSは現在、ホンジュラスの首都から車で3~4時間離れた山間部で、妊産婦さんの健康を守る事業を実施しています。分娩施設も救急車もないこの地域で、お母さんが安全に安心して元気な赤ちゃんを産むことができるよう、診療所で必要とされる資機材の提供や医療従事者に対する研修の他、地域住民への保健啓発活動等に取り組んでいます。
会の参加者の方々からは、ホンジュラスやAMDA-MINDSの活動について、沢山ご質問をいただいただけでなく、ご自身の経験や他国の状況も教えていただきました。皆様とお話をする中で、もっともっとホンジュラスのことをよく理解し、本当に必要なことを見極めながら丁寧な支援を継続できるよう精進せねばと、気持ちを新たにすることができました。また、同じ日に開催された「ファッション・服」をテーマにしたSDGs勉強会にも参加し、服を作る過程で生まれる環境・社会問題をグループワーク形式で考え議論したことは、私にとってとても新鮮な体験となりました。
今回の会では、手作り布マスクと布ナプキンを追加でご寄付いただきました。布マスク作りには新しいメンバーの方々がご参加くださったとのこと。布ナプキンもさらなる改良が重ねられていました。この場をお借りして、心よりお礼を申し上げます。皆様の想いとともに、事業地の人々へ届けたいと思います。
ホンジュラスの事業地の風景
プロフィール:AMDA社会開発機構海外事業運営本部プログラムコーディネーター
種を蒔く:#267, 103
#389 2022年11月6日
東口千津子からあなたへ / From Chizuko HIGASHIGUCHI to you
いつもblue earth green treesの各プロジェクトへのご協力に感謝致します。お一人おひとりが一緒に歩んでくださることが元気や勇気に繋がっています。また、それぞれのご経験や感じることを伝えてくださり、お知恵を共有してくださることがより良い方向へ一歩進んでいく力となっています。
第16回種を蒔く人のお話を聴く会/Listening to Seedfolksでお話して下さった奥田鹿恵子さん(認定NPO法人AMDA社会開発機構)はまもなくホンジュラスに戻られますね。一時帰国中の貴重な時間に奈良でお話を聴かせて下さったことに感謝致します。また次の帰国時に「おかえりなさい」とみんなでお迎えできることをとても楽しみにしています。
10月はギリシャのクレタ島、オーストラリアのメルボルンなどで豪雨・洪水の被害がみられました。世界各地でのさまざまな災害で被災された皆様、紛争等で避難されている皆様を想っています。心よりお見舞い申し上げます。
10月14日、公共放送ABCによると、オーストラリアビクトリア州ではメルボルンの北西部マリバノンや北部のロチェスター、中部のゴールバーン川周辺では洪水の被害がみられ、避難者の救出などが相次いだと伝えられました。
10月27日、2年8か月ぶりにメルボルンに向かいました。2020年2月は大規模な森林火災の後に渡豪、今回は洪水の後に渡豪ということで、温暖化の影響がビクトリア州各地でもみられることを実感します。メルボルンに到着後、自分自身の目と耳で確かめてみると、やはりメルボルンの北西部と中部の川周辺では被災された方々が多く、州内の記録としては約50年ぶりの降水量を記録している地域もあるということです。国内外の変化を見つめながら、自分の暮らしを見つめ直し、少しでも次世代の地球環境が良くなるように意識し、行動していきたいと思います。
日本国内でも友人たちとの時間はとても大切な時間ですが、国外の友人たちとも会える時に会っておきたいと、年を重ねてより強く感じるようになりました。生まれ育った大阪、子どもが一歳の時に移り住んだ奈良に次いで、メルボルンは第三の故郷のように感じられる場所で、いつものカフェで空と海を見つめながらお互いの近況を聴き合う友人がいます。30年前から、自分自身・家族・友人・仕事・ライフワーク・自然・社会などについて感じることを聴き合ってきていますが、今回もいつものようにお互いの話を聴き合う時間で、友人への理解をより深めることができ、自分自身への理解も深めることができたように感じます。そんな存在の友人たちが国内外にいることはとても幸せで、人生がより鮮やかな彩りをもって感じられ、心豊かな時間を積み重ねられます。
また30年前に大学院のMulti- Cultural Studies of Education(多文化教育)コースでお世話になった教授Dと30年ぶりにお会いし、お互いの30年間のできごとについて聴き合いました。当時、同期の35人の大学院生はオーストラリアの小学校・中学校・高校等の多文化の教育環境で子どもたち・生徒たちを応援する現役の教育者で、それぞれの現場から見えること・気づくことを課題としてこのコースに持ち寄り、自分自身のあり方を見つめ、教育アプローチを磨きに来られていました。私は当時から多様な一人ひとりのあり方を尊重する姿勢やDiversity/多様性に関心があり、多文化主義政策を本格的に進めていたオーストラリアの教育に触れたい、移民率の高いメルボルンの多文化社会からTolerance/寛容さやFairness/公正さなどを学びたいと望み、移民の背景をもつ教育者が多く属し、自身のあり方をブラッシュアップしに来られるこのコースで学ぶ機会を得ることができました。Dは多様な文化背景をもつ現役教員のこのクラスをプロフェッショナルな姿勢でリードし、多様な一人ひとりをそのままのあり方で応援してくれていました。TESOL(英語を母国語としない人に教えるための英語科教授法)も含まれていたこのコースの教育実習先のひとつがMigrant Education Centerで、そこで移民の方々に英語を教えていたのがAthena(種を蒔く#384~#6)でした。Athenaのあり方もあたたかく文字通り「一隅を照らす」ようなまなざしで一人ひとりを支えておられ、自由で柔軟な教育アプローチに学ぶところが多くありました。Dは「あの頃のコースは良かった。今は経済的なことが重視され、TESOLの技術を教えることが中心となり、多様な文化や価値観などへの学びが少なくなっている」と話してくれました。私自身、オーストラリアから帰国したその後の人生で多様な一人ひとりとの出会いに感謝し、信頼関係を育むことができ、心の声を聴きながら創造的に心豊かに過ごすことができたのは、メルボルンで暮らした3年間でSensitivity/感受性のような目に見えにくいことを体感的に深く学べたからだったのではないかと思っています。外から見て自分の人生がどう評価されるかという視点ではなく、自分自身がこのままでOKと思えることが大切だと、多様性を尊重するメルボルンの多文化社会で出会った人々に教えてもらったと30年前を振り返りながら感じています。
今回、アボリジニの青年と町を歩きながら、いろいろなお話を聴かせてもらう機会にも恵まれました。彼はアボリジニの背景をもつ人々が集うコミュニティに属し、メルボルンのコミュニティだけではなく、シドニーやケアンズなどのコミュニティとも繋がりながら協力し合っていることが心強いと話してくれました。アウトバックでもなく、郊外でもなく、メルボルンに暮らすアボリジニの自分がどのように生きていくのか、アボリジニのアイデンティティを大切にしながらも自分自身として何を大切にしていくのか、自分で決めていくしかないとまっすぐに語っていました。
雨の多い今回のメルボルンでしたが、とても限られた晴れ間に撮れた写真をお届けします。
オーストラリアの自然も多様で、地域によって木々も草花も異なり、空と海や緑のそれぞれの表情に出会える瞬間に’Thank you, Australia! See you soon!’ と心の中で伝えました。
皆さんの大切な場所で過ごす時間、日常の暮らしや旅で体験したことや感じたこと、心に響く自然との出会いの瞬間など、「種を蒔く」や「一枚の写真から」にお届けいただけると嬉しいです。寒さが厳しくなってくる季節、心身の健康を大切にお過ごしください。
I feel for people who have lost so much because of the floods in Greece, Australia and other countries. Please take care and stay well. I hope all is well with you, your family, your friends and your community.
It’s always lovely to catch up with our old friends, listen to each other and share each experiences over a cup of coffee at the usual café staring at the sky and the sea. Melbourne is where I learned Tolerance, Freedom, Diversity and Fairness. Thank you, Australia! See you soon!
プロフィール:一般社団法人blue earth green trees代表理事
種を蒔く:#381, 376, 355, 346, 312, 307, 287, 271, 261, 244, 174, 158, 145, 125, 118, 79, 56, 42,1
#388 2022年11月5日
今中和子からあなたへ
『手作りマスクを届けようプロジェクト』ホンジュラスに3回目のお届けをしました!
10月22日(土)に開催されました『第16回種を蒔く人のお話を聴く会/Listening to Seedfolks~認定NPO法人AMDA社会開発機構奥田鹿恵子さん』にて、現在、ホンジュラスにてご活躍中の奥田鹿恵子さんに手作りマスクを150枚お渡しさせていただきました。
奥田さんのお話では、各国ではマスクを外す方向にある中、ホンジュラスの方々は今もマスクを使っておられているので、サイズも色柄もいろいろある手作りマスクがとても喜ばれているとのことでした。
ホンジュラスへは3回目のお届けになりますが、今回は手から手へ直接にお渡しすることができたことがとても嬉しいです。奥田さんに「一枚一枚、心のこもったマスクです」とお伝えしてお渡ししました。
この手作りマスクでホンジュラスの方々が健康な毎日を過ごしていただくことができればと思います。
『手作りマスクを届けようプロジェクト』にご協力いただいているみなさん、ありがとうございます。
みなさんのおかげで、また150枚のマスクをお届けすることができました。今後もコロナに限らず、必要とされている方々へ手作りマスクをお届けさせていただこうと思いますのでご協力よろしくお願いします。
♪日本でもマスクを外して過ごせる日が近いのでしょうか。私はマスクを外すのが怖い気持ちもありますが、マスクを外したお顔を見て人と関わりたいと言う気持ちもあります。
コロナ禍だからこそ気付いた事や育まれたものも大切にしてこれからの日々を過ごしたいと思います。
紅葉のきれいな季節です。外の空気を吸ってリフレッシュするのもいいですね。朝夕は冷えますのでどうぞご自愛ください。
プロフィール:blue earth green trees手作りマスクを届けようプロジェクトリーダー
種を蒔く:#365, 232, 196, 185, 180, 151, 123, 110, 104, 96,85, 84, 77, 72, 66, 55, 25
#387 2022年11月5日
木村直子からあなたへ
「みんなで取り組む『難民と進む20億キロメートル』プロジェクト」に寄せて
11月の詩
夕焼け 金子みすゞ
「夕焼小焼」
うたいやめ、
ふっとだまった私たち。
誰もかえろといわないが。
お家の灯がおもわれる、
おかずの匂いもおもわれる。
「かえろがなくからかァえろ。」
たれかひとこと言ったなら
みんなぱらぱらかえるのよ、
けれどももっと大声で
さわいでみたい気もするし、
草山、小山、日のくれは、
なぜかさみしい風がふく。
~ 夕焼けの唄を聴かなくなって久しい ~
種を蒔く:#368, 340, 332, 315, 302, 294, 289, 285, 274, 256, 248, 243, 234, 226, 215, 202, 191, 182, 178, 169, 155, 133, 114, 101
#386 2022年11月5日
ルミカからあなたへ
第16回「みんなで取り組む『難民・避難民の皆さんと進む20憶キロメートル』の合計距離」のご報告
秋という季節を感じながら、今年もあと2ヶ月を過ぎました。
今年は特別に何か新しい事を始めたということはないですが、自分の概念にとらわれずに周りの方の考えや良いところを自分の生活にプラスしてみたり、ちょっとした刺激や変化を感じながら過ごしています。
人からだけではなく自然を見ながら、何かを思い浮かべたり心が癒されたりします。
これからもたくさんの出会いやちょっとした気付き、発見を楽しみに。
秋から冬へ季節の移り変わりと共に歩みたいと思います。
9月・10月のご報告をいただいた皆さん、ありがとうございました。
9月・10月のドネーション10,000円を国連UNHCR協会様にお送り致します。難民・避難民の皆さんにお役立ていただきます。
11月1日現在、個人参加50人、団体参加20組95人、合計145人で、難民・避難民の皆さんに想いを寄せて「歩いた」「走った」「自転車に乗った」「泳いだ」皆さんの2か月の合計距離は「12051.047km」でした。第1回からの総距離は「138893.985km」になりました。
第1回 92人 6012.794km
第2回113人6823.639km
第3回127人6949.398km
第4回137人7944.04km
第5回137人7795.52km
第6回141人6761.186km
第7回141人6532.551km
第8回144人7713.115km
第9回145人7883.713km
第10回145人7726.116km
第11回145人6364.227km
第12回145人12134.052km
第13回145人12007.841km
第14回145人12115.033km
第15回145人12069.718km
第16回145人 12051.047km
★第1回~第16回 138893.985km
次回報告日は1月5日です。11月・12月の合計距離をご報告ください。
プロフィール:スポーツトレーナー、blue earth green treesみんなで取り組む『難民の皆さんと進む20憶キロメートル』プロジェクトリーダー
種を蒔く:#367, 339, 316, 288, 264, 255, 242, 233, 225, 214, 201, 190, 181, 168, 154, 140, 126
種を蒔く#385 2022年10月27日
岩崎裕保からあなたへ
第13回 SDGs勉強会「ファッション・服について考えてみよう」
今回も対面の利点であるグループ・ワークができてよかったと思いました。
準備したアクティビティの前に、参加者に以下の質問を投げかけて、服について思いをはせていただきました。
• わたしは服やファッションに興味・関心がある
• 服を買うとき、何を重視している?
①流行・デザイン ②値段 ③メーカー・ブランド ④ほか
• 新しい服を買う頻度はどのくらい?
① 2週間に1回 ②1カ月に1回
③ 3か月に1回 ④半年~1年に1回
• いま自分が服を何着くらい持っているか把握している
• 着ないまま、タンスやクローゼットにしまったままの服が何着くらいあるか把握している
• 経済成長と環境保全は両立できると思う
環境省によれば、
• 服の購入枚数=18枚/年
• 手放す服=12枚/年
• 着られることなく、タンスやクローゼットにしまい込まれたままの服
(死蔵衣服/退蔵衣服) =25枚 (4人家族なら100枚)
ということです。
もう一つ、服についているタグを見てみると、
・洗濯・手入れ方法
・何から作られている?(素材)
・どこの国のメーカー?(販売者の国)
・どこで縫製された?作られた?(原産国)
が記されていますが、
・原産国(made in)に記載されているのは最終的な縫製が行われた国であって、販売国と原産国、素材の生産国が異なる場合がある
・タグでは原料の産地を知ることができないことが多い
すなわち、食糧と違って、トレーサビリティが確保されていないことが分かります。
You Tubeで見ることができる参考映像をいくつか示しておきます。
ファストファッションが環境に与える影響を解説 - YouTube
ファストファッションの裏側では…!映画『ザ・トゥルー・コスト ~ファストファッション 真の代償~』予告編 - YouTube
誰が私たちの服を作っているのか?― リヴィア・ファース - YouTube
なぜ『ザ・トゥルー・コスト』を制作したのか?アンドリュー・モーガン監督メッセージ - YouTube
1番目のアクティビティ「服クイズ」のQ&Aは以下の通りです。
Q1. 日本で売られている服のうち輸入されている割合はどのくらい?
日本で販売されている衣服の輸入割合は
約98% (2018年)
【ほとんどの服が外国で製造されている】
1991年には約50%:半分は国内製造
【国内生産の減少→繊維事業所数・製品輸出額は91年度比で約4分の1に減少】
Q2. 日本で売られている服はどの国・地域で生産されたものが一番多いでしょう?
(縫製して最終的に服の形にしている国)
2020年の輸入先
中国 59.8%
ベトナム 13.7%
インドネシア 3.5%
バングラデシュ 3.0%
カンボジア 3.0%
ビルマ 2.7%
イタリア 2.4%
タイ 2.2%
韓国 1.2%
台湾 1.1%
ほか 7.4%
Q3. 石油を原料につくられる繊維はどれでしょう?(複数選択)
天然繊維:植物繊維(植物由来のセルロース)=綿、麻
動物繊維(動物由来のたんぱく質)=絹(蚕)、羊毛、獣毛(カシミア、アンゴラなど)
化学繊維:合成繊維(主に石油)=アクリル、ポリエステル、ナイロン、ポリウレタン
半合成繊維(木材パルプなど天然高分子)=アセテート
再生繊維(木材パルプなど天然高分子)=レーヨン、キュプラ
Q4. 1990~2019の約30年間、日本の人口はあまり変わっていませんが、
供給される服の量は175%も増えました。その理由は?
・服の平均価格:¥6848(1990)→¥3202(2019)
「おさがり」「手づくり」「お直し」「リメイク」は? 買った方が安い?
・服の供給数:約29億着(1人当たり20着以上)
15億着=売れ残り→焼却処分
・ファッションのサイクル:「春・夏」「秋・冬」→数週間単位
大量生産・大量消費・大量廃棄
・低価格化←安価な化学繊維の利用、大量生産によるコスト減、人件費の安い地域 での製造
【グリーンピース「ポリエステルは…服の60%で使われている。ポリエステルへの依存によって、ファストファッションの環境への影響は増大している」】
Q5. 日本の家庭から手放された服のうち、リサイクルやリユースなど再利用されている
割合はどのくらい?
リサイクル=14%
リユース=20%
焼却・埋立=66% (環境省)
【化学繊維の服は、燃やせば大量のCO2を排出 埋め立てても、数百年にわたって自然分解されない】
Q6. 2030年の平均気温の上昇を1.5℃未満にするために、ファッション業界はどのくらいのCO2排出量にする必要がある?
・ファッション業界は2018年に約21億トンのCO2を排出
=世界全体の排出量の約4%
=仏・独・英の経済全体を合わせたものとほぼ同量
・CO2排出量は毎年2%ずつ増加:2030年には27.4億トン
・1.5℃目標を達成するには約11億トンにする必要がある
【予想から約16億トン分の削減が必要 産業構造の変革が要る】
次にカードを使ったアクティビティをおこないました。
A「服の一生」カード
1. 素材・原料を生産する
2. 服が完成する
3. 服を洗濯・手入れする
4. 布を切って縫う(裁断・縫製)
5. 服を買い・着る
6. 服を着なくなる・着られなくなる
7. 販売国・お店に送る(輸送)
8. 糸を紡いで布を織る(紡績)
9. 服を販売する
10. 色を染める(染色)
この10のカードを並べ替えて、生産から手放されるまでの「服の一生」をたどってください。
B「環境」カード
1. 農薬・水の利用
2. 石油の利用
3. CO2の排出
4. 化学薬品による汚染
5. 木材伐採
6. 輸送時のエネルギー利用
7. お手入れの時のエネルギー利用
8. マイクロ・プラスチックの流出
9. 処分焼却・埋立(日本)
10.処分焼却・埋立(世界)
C「人権・社会」カード
1. 児童労働
2. 農薬による健康被害
3. 化学薬品による健康被害
4. 労働環境
5. ジェンダー規範
6. 伝統文化・産業
7. 産業への影響
8. 途上国への影響(2種類)
9. 労働者の技術習得
BとCのカードがAの工程のどこに該当するかを考えてください。カード1枚に1工程が該当するとは限りません。
最後に、「知ったこと・気づいたこと」「印象に残った工程やカード」「疑問に思ったこと・もっと知りたいこと」「わたしたちの社会はどんな社会でありたい、あってほしい」を各自で書き出していただきました。
開発教育協会発行の『服・ファッション 開発教育アクティビティ集5』(2022年3月)にあるアクティビティのいくつかを体験していただきました。
Bには「服を水で洗濯し、自然乾燥したときのCO2排出量は1回あたり約73gですが、乾燥機を使うと約1019gと約13倍にもなり、温水選択するとさらに排出量は増えます」といったカードが含まれていますし、Cには「綿花は世界で最も農薬を消費する作物です。全耕作地の2%の面積に、全世界の殺虫剤の24%と全農薬の11%を使用しており、労働者や周辺の住民に健康被害を及ぼしています」などのカードが含まれています。詳しく知りたい方は上記教材をご覧ください。
プロフィール:blue earth green trees SDGs勉強会プロジェクトリーダー。同志社大学法学部政治学科卒業、同大学院アメリカ研究科修了。ニュージーランドが関心の地域。私立中高で英語を教え、その後大学に移って「平和研究」「国際協力論」「NGO/NPO論」などを担当。2008年から6年間開発教育協会(DEAR)代表理事。今はDEAR顧問と関西NGO協議会(KNC)監事。
種を蒔く:#383,360,354,349,342,319,310,303,292, 266, 259, 254, 237, 224, 197, 175, 143, 124, 121, 98, 79, 73, 69, 67, 48
#384 2022年10月16日
From Athena MARINI to you
I thought about writing something about fear because that seems to be a predominant emotion in our world today. I sense of insecurity about many aspects of our lives, no matter where we live in the world and it is affecting all of us. We our selves may not consciously feel fear but because so many feel it, and we are all connected, we may feel unsettling feelings without knowing why and that is because the collective consciousness affects all of us whether we know it or not. Knowing this we are not afraid of these strange feelings we may occasionally be feeling and can deal with them better.
So much changes are happening in our world on so many levels, that it is a little bit like shifting sands. First it was the Covid scare which was over inflated in many countries by the media. Now it’s the bad effects the vaccinations are causing which is slowly coming out. Then the war in Ukraine and the energy crisis that’s affecting many countries, and of course the volatile economic situation and the worldwide inflation which seems to be out of control in many western countries. And of course the environmental disasters which many countries are facing which are extremely problematic. In addition to this there is also such divisiveness in society as the truth seems to be so elusive. False news may in fact be true, whereas mainstream media may in fact be controlled and giving us misinformation. It’s hard to know what is what and all this is causing people to feel unsettled also. So much changes happening all at once it’s hard to keep one’s balance. I don’t know how the situation in Japan is with the energy scenario. I hope better than here. In Europe we are in this crazy situation where we are facing a winter without enough energy to warm our houses! With 400% increases on gas and a similar increase on electricity. And it has been brought about all because one country wanted to join NATO! People here in Greece have lost trust in both the government and and those responsible for health so this lack of trust too is causing a lot of fear. So how do we deal with this energy of fear which is so widespread and has such a low frequency? Personally I have stopped watching the News which seem to inflate the negative and repeatedly concentrate on increasing the fear. I don’t know if that is happening in Japan but it is certainly happening here. I think your culture is not as unbalanced as in the west.
Secondly I have a certain trust within me that the good always wins... The heart always wins in the end and I cultivate that. The goodness in people is much more than their negative sides. Besides it seams to be that governments and institutions which are letting us down at the moment and not the wider population.
Thirdly it’s important to connect with people who have a more philosophical outlook on life and who have a loving nature, and who cultivate peace, and strive to be caring and friendly towards others, and to share with them so we do not feal isolated especially when we feel unsettled.
Personally that is what I do to keep my balance. I also try to connect to something which does not change and that something is within ourselves. Meditating therefor is so important and concentrating on positive and uplifting things. It's also important to be aware that “this too will pass” and perhaps something good may come out of this situation.
So hold strong as the boat is rocking and call on higher power to keep you safe and balanced. I wish you and the whole of Japan love and light
Profile: Living in Athens, Greece. My career was in teaching but I have gone into Natural Therapies and writing.
Seedfolks: 300, 283, 278, 257, 211, 207, 147, 119, 100, 74, 6
#383 2022年10月16日
岩崎裕保からあなたへ
第12回 SDGs勉強会「プラスチックとリサイクル」
この3.2kgrのモノは何でしょう?
奈良公園の鹿の胃の中に残っていたものです。「鹿苑」で鹿の治療などにあたる獣医師によると「胃の中にプラごみが詰まり、胃に蓋をしてしまっている状態でした。食べ物が流れない状態です。そこにガスが大量発生し、パンパンに溜まってしまいます。それが肺を圧迫して息が止まります」「ポイ捨てされたりしたプラごみを鹿が食べてしまい、噛んで胃の中で縄のようになってしまう。そうするとそれを吐き出すことも、便にすることもできず、そのまま胃の中に残ってしまいます」とのこと。
この問題を何とかしようと取り組む動きもあり、紙袋が作られるようになりました。これは、牛乳パックの再生パルプと、鹿せんべいに使われている米ぬかで作られていて、シカが食べても消化できます。これを作った紙器製造会社の中村さんによると、奈良市観光協会や地元の信用金庫、薬品メーカーなど6つほどの団体が計約3500枚を購入したということです(2020年10月)。この紙袋は一般財団法人「日本食品分析センター」の検査で、食べても安全と認められています。ちなみにこの紙袋は1枚約100円、一般的なプラスチック製の袋は1枚数円程度だということです。
身近な奈良の鹿の問題(というよりも人間の問題)から始めて、プラスチックに関するクイズに入りました。まずは各自で答えを考えたあとで、3人一組のグループで話し合いをしました。
Q1. プラスチックが使われているのはどれ?
たとえば布といっても綿、麻、絹、レーヨン、ポリエステルなどがあり、特性が異なります。石油などから化学反応によって人工的に作られた「合成高分子化合物」であるプラスチックは100種類以上の素材があり、さまざまな用途・製品に利用されています。
問いにあるもの――ペットボトル、プラスチック消しゴム、スマートフォン、カップ麺・飲料カップ、マスク、ウエットティッシュ、ビニール傘、コンビニ弁当、化学繊維の服――すべてにプラスチックが使われています。
Q2. 世界のプラスチックの生産量は、この70年(1950~)どれくらい増えた?
1950年に年間200万トンでしたが、今や約4億トン。200倍です。人口増加をはるかに上回っています。一人ひとりの利用量が増え、とうぜん廃棄される量も増え続けています。
Q3. プラスチックは使い捨てされるほどたくさん使われています。その理由は?
安くて、さまざまな用途で加工しやすく、軽くて丈夫なプラスチックは暮しを便利で豊かにしてくれました。
ところが、廃棄された後にはその長所が短所になってしまいます。
安くて加工しやすい→大量生産・大量消費・大量廃棄
軽い→自然界に流出しやすい
耐水・耐熱・耐油性があって丈夫→自然分解されにくい
Q4. 人口1人当たりの使い捨てプラスチック容器の廃棄量の1位はアメリカです。では、2位はどこ?
世界のプラスチックごみ全体のうち、使い捨てプラスチック容器の割合は約4割です。日本の1人当たりの廃棄量は年間約32kgrと、アメリカに次いで世界2位です。3位はEU、4位は中国、5位はインドです。
総量で見ると、中国、EU、アメリカ、インド、日本となります。
Q5. 一般的なペットボトルが自然分解されるにはどのくらいかかる?
自然界にはありえない方法で人工的に化学合成されたプラスチックは、容易には自然分解されません。
発砲スチロール製カップ:約50年
ペットボトル:約400年
おむつ:約400年
釣り糸:約600年
とされていますが、分子レベルまで生分解されるのにかかる時間は、正確には分かっていません。数百年から数千年、永久に分解されないという説もあります。
自然界に流出したプラスチックごみは小さな破片になり、5mm以下になったものを「マイクロプラスチック」と呼びます。これは、海洋生物などの体内に取り込まれ、食物連鎖を経て人間の体内にも存在すると考えられています。英国ニューカッスル大によれば、すでにわたしたちは毎週クレジットカード1枚分(約5gr)のプラスチックを取り込んでいるのだそうです。衣類から抜け落ちる化学繊維も化粧品に含まれるマイクロプラスチックで、わたしたちの身の回りに常にあります。こうしたものが人体や生物の健康にどのような影響を及ぼすかについては、まだ明らかになっていません――私たち自身が実験材料なのです。
次に、プラスチック・リサイクル・クイズをおこないました。進め方は一つ目と同じです。
Q1. プラスチックを「リサイクル」するってどんなこと?
廃プラスチックをリサイクルする方法には、①再び製品(モノ)にするマテリアル・リサイクル(再資源化)と、②油やガスなどの化学工業の原料にするケミカル・リサイクルの2種類があります。③焼却所で燃やして発電や周辺施設の暖房や温水供給などに利用することをサーマル・リカバリー(熱回収)といい、これはリサイクルではありません。
Q2. 2018年に日本で回収された廃プラスチックは、その後、どのように処理されたでしょう?割合を予想してみましょう。
マテリアル・リサイクル:23.3%
ケミカル・リサイクル:4.4%
サーマル・リカバリー:56.3%
単純焼却:8.2%
埋立処分:7.7%
リサイクル率は27.7%、焼却率は64.5%、埋立率は7.7%で、リサイクル率は30%に至りません。かつて日本のプラスチック・リサイクル率は80%と言われていたのは、サーマル・リカバリーを含めていたのです。
リサイクル率 27.7% (EU32.5%、世界9%)
焼却率 65.4% (EU42.6%、世界12%)
埋立率 7.7% (EU24.9%、世界79%)
焼却処理することは温室効果ガスの排出につながることから、世界的には焼却処分と埋立処分の割合を減らしてリサイクル率を高めること、そしてなにより、廃プラスチックの総量を減らすことが重要視されています。
Q3. 2018年に日本で回収された廃プラスチックのうち、約208万トンがプラスチック製品の原料として再利用されました。そのうち、日本国内で再利用されたのはどのくらい?
2018年には約91万トン(43.4%)が輸出され、約118万トン(56.6%)が日本国内でマテリアル・リサイクルされました。
2012年には80%以上もが輸出されていましたが、2017年に最大の輸出国だった中国が廃プラスチック類の輸入禁止を決定したことで変化が起こりました。2019年の廃プラスチックの輸出先はマレーシア、台湾、ベトナム、タイの順になっていますが、2018年以降等七時亜諸国も相次いで輸入制限を実施しています。
Q4. プラスチックを再び製品にすると、一般的に品質と費用はリサイクル前と比べてどうなる?
再資源化の際には、多様な素材のプラスチックが混ざることで、素材の純度が落ち、品質が劣化します。複数のプラスチック素材を利用せずに「単素材」にすることがカギなのですが、分別回収後にさらに厳密な分別が要りコストが膨大になります。再生品をつくるよりもバージン・プラスチックから製品を作る方が、かかる費用は安いのです。
また、再生プラスチックと表示があっても、100%が再生プラスチックではなく、バージン・プラスチックとの混合素材であることがほとんどです。
マテリアル・リサイクルの技術も向上していますが、いずれ廃プラスチックとなる製品の生産量を減らすこと、廃棄・再資源化のことまで考えて製品を生産することが重要です。
以上のアクティビティは、開発教育協会(DEAR)発行の『プラスチックごみ:開発教育アクティビティ集4』を使いました。
参加者の使っている机の上に載っているものの中でプラスチックが使われていないものを探してみましたが、なかなか大変でした。ハンドアウトの紙は…印刷するインクにプラスチックが入っていそうです。「BEGTのコットン・バッグは大丈夫だろう」との声がありました。
さて、リサイクルというのは、re-cycleでもう一度戻ってくるということです。私たちはスーパー店頭のリサイクル・ボックスに牛乳パックを入れてリサイクルしていると思っていないでしょうか。再生紙のティシューやトイレット・ペーパーを使っていればre-cycleになります。リサイクル・ボックスに持っていくというのは、ごみの捨て方や場所を変えているだけということです。日本社会ではリサイクルという用語が定着してはいますが、それ以前に2つのre-があります。re-duceとre-useです。まずは、減らす、そして再利用する、それでも捨てなければならないものをre-cycleするのです。これを3Rといいますが、re-fuse(断る)とかre-pair(修理する)を加えて5Rとなります。そしてもう一度よく考える(re-think)ことが求められています。
最後に大手カフェチェーンにおけるリユース・カップの使用について参加者で考えてみました。
Greenpeaceの調査によれば、スターバックスのリユース・カップ使用率は3%、タリーズ20%、プロント31%、ドトール77%などとなっていて、9社で1日の使い捨てカップの使用は100万個でした。この4社の客の約85%が店内で飲食する際も使い捨てカップを使用していると回答しています。プラスチックや紙の使い捨てコーヒーカップは、リサイクルも困難なため、ほとんどが焼却されています。資源が浪費され、温室効果ガスが排出されているのです。使い捨てカップを使用する理由を聞いたところ、56.7%が「お店側が使い捨てカップで提供する」ことを理由に挙げています。一方で、カフェの店頭でリユース・カップだけが使われるようになっても、71%のお客さんが継続して同じカフェを利用すると回答しています。また、「使い捨てカップを減らすべき」と答えた人は8割を超え、また使い捨てカップを使用する利用客のうち約68%が店側の勧めがあればリユース・カップをもっと利用したいと考えていることが明らかになりました。もっとリユース・カップを利用するようになるきっかけについては「はじめからマグ・グラスで提供されたら」「マグ・グラスの利用に割引があったら」がそれぞれ41.3%、41.7%となっています。
参加者の皆さんも同じように考えておられました。
個人の努力に期待するのではなく、システム作りがポイントなのです。
プロフィール:blue earth green trees SDGs勉強会プロジェクトリーダー。同志社大学法学部政治学科卒業、同大学院アメリカ研究科修了。ニュージーランドが関心の地域。私立中高で英語を教え、その後大学に移って「平和研究」「国際協力論」「NGO/NPO論」などを担当。2008年から6年間開発教育協会(DEAR)代表理事。今はDEAR顧問と関西NGO協議会(KNC)監事。
種を蒔く:#360,354,349,342,319,310,303,292, 266, 259, 254, 237, 224, 197, 175, 143, 124, 121, 98, 79, 73, 69, 67, 48
#382 2022年10月9日
田口淳子からあなたへ
遠く離れた砂漠の国へ、ご一緒に。
2022年10/29(土)『ニジェール物語』
原作者トークショーと動く絵本上映会を開催。参加者募集中です。
原作者のフクダヒデコさんが茨城県から来てくださって、ニジェールで過ごした日々のことや体験談をお話くださいます。
会場のSENRITOよみうりホールの大きいスクリーンで動く絵本を上映。美しい砂漠の景色の中を色鮮やかなキャラクターたちがゆっくり動いて、砂漠の世界へと誘ってくれます。
今回は豊中市にご協力いただき、北摂エリアで初めて開催できることになりました。参加ご希望の方は、千里文化センターまでお電話ください。
■日時:10月29日(土)13:00~15:00 入場無料
■会場:大阪府豊中市 SENRITOよみうりホール
(大阪地下鉄 御堂筋線 千里中央駅 下車すぐ)
■主催:豊中市 市民協働部 千里地域連携センター
■お申し込みはお電話で: 先着50人 電話 06-6831-4133
プロフィール:一般社団法人ニジェール物語製作委員会理事、日本語教師
種を蒔く:#352, 323, 291, 236, 223, 130, 43
#381 2022年10月3日
東口千津子からあなたへ / From Chizuko HIGASHIGUCHI to you
紛争や災害で避難を余儀なくされている方々、自国を離れ家族と会えなくなっている方々、ご自身やご家族の病気と向き合っておられる方々…、それぞれの今に光が見つけられますように、お互いに心を寄せ合いながら一緒に歩んでいけたらと思います。
いつもblue earth green treesのプロジェクトにご協力いただき、ありがとうございます。
多様なお一人おひとりとの出会いと繋がりに元気や勇気をいただき、より良く生きていく知恵やヒントをいただいています。
9月下旬、札幌・知床・網走・釧路で、人々に、暮らしに、大自然に、文化に、学ぶ機会をいただきました。
2005年に世界遺産に登録された知床は海・川・森・山が繋がり、豊かな生態系がみられます。プランクトン、クジラ、シャチ、トド、サケ、マス、エゾシカ、エゾリス、シマフクロウ、ヒグマ、キタキツネ、オオワシなど、またミズナラ、ダケカンバ、センノキ、トドマツなどを守り、大切な宝物として次の世代に残していくために、地域内外の人々が多様な知恵を共有し、さまざまな努力を続けておられます。原生林についてのレクチャーを受けて、生態系が守られるように十分に注意を払いながら歩き始めると、ひんやりと冷たい空気が気持ち良く、木々が空気を浄化してくれていることが感じられます。一本一本の木のあり方は多様で、落葉広葉樹と常緑針葉樹が交じり合い、それぞれのありようのまま共に育つことで自由で豊かで深い森林の文化が育まれていることに気づきます。また、強風や寿命で木々が倒れ、枯れ木となり、そこに次の世代の幼木が育っていく「倒木更新」が命を繋いでいく様子にも学ぶ要素がたくさんあります。私たち人間も自分の命が次の世代のために生かされるように今を生き、命の循環の一助となることができると良いのではないかと思います。
2001年に北海道遺産として登録された摩周湖は周囲を300m~400mほどの絶壁に囲まれたカルデラ湖で、周囲約20km、最深部は212mと言われています。摩周湖は湖に接する河川がなく、外部からの有機物の流入がないため、透明度が高いことで知られています。訪れた日は霧で覆われることなく、晴天の光を受けて摩周ブルーと言われる深い青が眩しく、神秘的な美しさを見せてくれました。一方、人を寄せつけない湖の水質調査は困難を極めると報告されています。微量の化学物質は大気を経由して流入していることがわかり、摩周湖が地球規模の環境汚染の検出器としての役割を果たしているとも考えられます。
屈斜路湖は東西に約26km、南北に約20kmという大きさで、日本一大きいカルデラ湖です。標高525mの美幌峠からの眺めは雄大で、湖の中央には中島があり、緑と青のコントラストが美しく、吹き抜ける風がとても爽やかでした。屈斜路湖は、水源に温泉の湧水があることで、中性、酸性、中性と水質の変動を繰り返しているとのことです。温暖化による環境変化と火山活動による温泉流入による水質変化が起こり、屈斜路湖周辺では複雑な環境の変化が起こっているそうです。目に見えること・見えないことが丁寧に確かめ続けられ、素晴らしい自然環境が守られていくようにと祈ります。
7月に映画「チロンヌプ カムイ イオマンテ」(アイヌ民族の1986年の祭祀の記録)を鑑賞していましたが、この祭祀の舞台が美幌峠でした。大正時代から75年ぶり(1986年)に「キタキツネのイオマンテ(霊送り)」が行われ、明治44年生まれの日川善次郎エカシ(当時75歳)が祭祀を司り、ウポポ(歌)とリムセ(踊り)が捧げられました。アイヌの多世代の人々の表情や言葉が記録されているこの映画から、伝承されてきた文化について学びました。36年経った2022年、かつて祭祀が行われた同じ美幌峠に立ち、この土地に生きてこられたアイヌの人々の日々を想いました。
阿寒湖アイヌコタンでは生活資料館でアイヌの人々の暮らしを学び、「アイヌ古式舞踊」と「ロストカムイ」という舞台を鑑賞しました。アイヌの人々は、この地球を「ウレシバモシリ(育て合う大地)」と呼んでおられるそうです。「地球にあるすべてのもの、そこで起きるすべてのことには意味があり、それらは私たちを育ててくれるかけがえのないイコロ(宝)」と考え、「あるがままの自然を受け入れ、感謝しながら生きている」ことを教えていただきました。
コロナの日々での気づきを環境と人権への意識に繋げて、国内外のそれぞれの土地への旅で、人々・暮らし・自然・文化から学び続けていきたいと思います。
国内外の多様なお一人おひとりからの「種を蒔くメッセージ」や、各プロジェクトでの皆さんとの出会いからたくさんの気づきと学びをいただけることに感謝致します。
The wild nature of Shiretoko, Hokkaido was registered as a World Heritage Site in 2005. We can come upon various trees, plants and animals at the virgin forests in Shiretoko.
Nurse logs are fallen trees, as they decay provide moisture and nutrients for various baby plants and young trees. It’s the cycle of life transcending the ages.
プロフィール:一般社団法人blue earth green trees代表理事
種を蒔く:#376, 355, 346, 326, 312, 307, 287, 271, 261, 244, 174, 158, 145, 125, 118, 79, 56, 42, 1
摩周湖
美幌峠
#380 2022年10月1日
矢倉真由子からあなたへ
第18回『子育てカフェ』のご報告
第18回「子育てカフェ」の参加者は3名でした。
ご参加いただき、ありがとうございました。
さまざまな出来事や考えに対して「自分はどのように思うのか?」「どのように行動したいのか?」など、自分の内側を見つめながら行動することは、とても大事だと思います。
自分の内側に目を向け、耳を傾けてみることは、こころとからだのバランスをより良い状態に保つことに繋がります。
時に私たちは、疲れきってしまうまで物事に取り組み続けなければ、自分の役割を果たせていないのではないかと感じることもあるかもしれません。しかし、心身の健康を維持できているからこそ果たせる役割がたくさんあることを忘れずに、日々過ごしていけたらと思います。
次回の皆さまのご参加を、心よりお待ちしております。
参加者の皆さまからのドネーション5,000円は、AMDA社会開発機構ミャンマー事業にご活用いただきます。
プロフィール:blue earth green trees「子育てカフェ」プロジェクトリーダー
種を蒔く:#369,353,341,325,314,299,290, 276, 246, 240, 229, 216, 208, 194, 114, 108, 94, 51, 3
【参加者の声】
・父としては、子どもが自分自身で考え、行動していけるように応援してきた。好きなことに力を注ぐことと共に、幅広く学び続けてほしいと思う。社会人として頑張っている今、これまでの経験を力に一つひとつの課題をのりきっていってほしい。
・母として、子どもが心身の健康を大切にして、好きなことにチャレンジする日々を応援してきました。社会人になりひとり暮らしをする今、心身の健康を第一に、自分自身で考え行動し、仲間を信頼し協力し合う日々が過ごせているようにと祈る日々です。
#379 2022年9月23日
天沼耕平からあなたへ
いつも大変お世話になっております。
国連UNHCR協会の天沼耕平です。
まだまだ暑い日々が続いておりますが、いかがお過ごしでしょうか。
この度、直近約2か月の距離が「12069.718km」、第1回から合わせた距離は「126842.938km」というご報告をいただきました。
今年の夏もかなり暑く、外に出て運動することもかなり困難なこともあるかと存じますが、皆様の共感と支援の輪を広げるご協力と連帯に改めて深く感謝申し上げます。
さて、前回は、「気候変動と強制移動」について言及しましたが、日本国内もこの夏、厳しい大雨や台風による水害の脅威に立ち向かわなければならない状況が続いております。
世界に目を転じると、パキスタンでは、国土の約3分の1が水没するという想像を絶する大洪水が起きました。
パキスタンは長い間アフガニスタンをはじめとした他国からの難民を数多く受け入れている国でもあります。
もちろん社会経済的な課題があるなか、そこには多くの課題もあるでしょう。
ぜひ、日本からパキスタンの地で困難に立ち向かっている人々に寄り添っていただければ幸いです。
https://www.japanforunhcr.org/campaign/pakistan-floods-emergency
https://www.unhcr.org/jp/49285-ws-220905.html
また、なかなかメディアで取り上げられることは少なくなっておりますが、ウクライナにおける困難な状況は長期化しております。
そして、それ以外の地域でも人道的な危機を解決するためには、根気強い働きかけと支援が必要なのだと日々痛感しています。
ぜひ以下もご覧ください。
https://www.japanforunhcr.org/appeal/silentemergency
世界情勢はまだまだ厳しい状況ですが、一つひとつはいつか必ず解決します。
ですが、そのためには皆様方お一人お一人に寄り添っていただくことがとても重要になります。
皆様のますますのご発展とご健康をお祈り申し上げますとともに、今後とも何卒よろしくお願い致します。
プロフィール:国連UNHCR協会職員
種を蒔く:#345, 333, 322, 308, 293, 269, 258, 245, 238, 217, 203, 192, 183, 172, 162, 146, 141, 127
#378 2022年9月17日
山本昌彦からあなたへ
9/10(土)にあった「第2回一枚の写真から」でお話しした、「リチャード・カーペンターに会いにアメリカに行った」のは、1998年の夏のこと。
リチャード・カーペンターが、ソロ・アルバム『Pianist, Arranger, Composer, Conductor(新たなる輝き~イエスタデイ・ワンス・モア)』のリリースで来日コンサートを1997年に行うため、3/21の大阪フェスティバルホールでのコンサート以外に、3/9の東京の日本武道館でのコンサートチケットも取り、東京に出てきた。(確か、NHKホールでの追加コンサートが出たので、東京でそのチケットも取ったはず。)
ここに掲載してもらっている写真は、この来日コンサート最終日の大阪フェスティバルホールに掲示されていたポスターを、関係者に頼んでいただいてきたものだ。
さて、その日本武道館コンサートライブの前に、たまたま立ち読みしていた本屋のFM雑誌で、リチャード・カーペンターのトークイベントが、銀座の山野楽器店であると知り、山野楽器に行ってその、トークイベントに参加した。そして、イベント終了後に、元ファンクラブ会員だということを関係者に伝えて、カーペンターズの情報をこれからも知りたいと言うと、あるファン第一人者の方を紹介してくれた。
その方からの知らせで、1999年の夏にカーペンターズの全アルバム解説と対訳を担当されていた小倉ゆう子(現在、小倉悠加)さんが主催のカーペンターズツアーに参加することができるようになり、リチャード・カーペンターにアメリカ、ロサンゼルスで会うことができたのである。
9/10の「第2回一枚の写真から」当日に紹介した写真は、彼の趣味のクラシック・カーのコレクション倉庫で対面(あの大ヒット曲、イエスタデイ・ワンス・モアが入っているNow & ThenのLPアルバムジャケットに映っている赤いスポーツカーもあった)した時のものと、一度日本に戻って再渡米して、リチャードの母校でのコンサートに参加し、そのコンサート後の楽屋外で対面した時のものを組み合わせたもの。
その時のツアーのことを小倉悠加さんがブログに残しておられるのがこちら
☟
https://carpenters4u.net/tour_report_jp/
この時は、教師になって3年目に持った教え子が、カリフォルニア大学バークレー校に留学していたので、現地で10年ぶりかで再会合流して一緒に参加し、彼女に撮ってもらったという思い出の写真だった。
今も精力的に活動を続けるリチャード・カーペンターの最新作は、その1998年の『Pianist, Arranger, Composer, Conductor(新たなる輝き~イエスタデイ・ワンス・モア)』以来、実に23年振りとなる昨年2021年に出たカーペンターズの名曲の数々をリチャード自らのピアノで奏でた、キャリア初となるソロ・ピアノ・アルバム『Richard Carpenter's Piano Songbook(ピアノ・ソングブック)』。
1日の終わりに静かに聴きたくなるようなアルバムだ。
9/10(土)に同じくあった「第2回Love, Peace, Freedom & Diversity Concert」
そこで歌われた「ローズ」(原題:The Rose)は、アメリカ映画『ローズ』(1979年11月公開)の主題歌です。ヒロインのローズは、1960代後半のカウンター・カルチャー時代の代表的な女性ロック・シンガーで27歳で亡くなったジャニス・ジョプリンがモデルとなっています。その映画で主人公のローズ役で主演し、この歌を歌った歌手ベット・ミドラー(Bette Midler)は、アカデミー賞にノミネートされ、1980年にはシングルとして全米3位、『ビルボード』誌のアダルト・コンテンポラリー・チャートでは1位のヒットを記録しました。
そして、ベッド・ミドラーは、この曲でグラミー賞最優秀女性ポップ・ヴォーカル・パフォーマンス部門を受賞しました。また、作詞作曲者のアマンダ・マクブルーム(Amanda McBroom ) も、この曲でゴールデングローブ賞 主題歌賞を受賞しています。
ちなみに、「愛は花、君はその種子」(あいははな、きみはそのたね)という曲名でカヴァー曲が日本で出ています。その曲は、ジブリ映画の「おもいでぽろぽろ」の主題歌で、日本語への訳詞は監督の高畑勲が手掛け、演歌歌手の都はるみが歌っています。
歌の最後の歌詞は、会場に行く前に通りかかったカトリック奈良教会にあった相田みつをさんの詩と似ているなぁと思いました。
☟
Just remember in the winter Far beneath the bitter snows
Lies the seed that with the sun’s love In the spring becomes the rose
ちょっと思い出して冬には 厳しい雪のずっと下で
じっと耐えている種が 太陽の愛で 春にバラとなって咲くことを
種を蒔く:#370, 362, 318
#377 2022年9月17日
From Olivia YAMAMOTO to you
We moved to San Leandro CA. on last July 6, 2022.
Our heartfelt gratitude to all of you in ‘blue earth green trees community’ for being a part of our family and journey in Japan. Life may not be easy at times but continue to do what is good and never stop loving and doing kindness. Our children and I learned a lot from the projects of ‘blue earth green trees’ such as sharing of the speakers and listeners, sharing our wisdom and personal experiences and developing the culture of ‘Love, Peace, Freedom & Diversity.’
Thank you very much. I'm sure our children benefited from various projects of the community and each member there. For sure they will become productive members of society. Now they study in Saint Leander Catholic School. It's a beautiful and safe community. The teachers are so supportive of the students and the parents.
7th Grade has 16 students and 5th Grade has 10 students. At first I'm worried how they can cope with the new environment and new school. After a week they started their new school. So lucky their school counselor comes Wednesday and Thursday she always listens to our children. I always talk to her too. The school principal gave me the part time job, while working I can watch and take care of our children.
The teacher of 7th Grade is a Japanese and the teacher of 5th Grade is the Vice Principal. I can say WE' RE a LUCKY FAMILY. Higashiguchi Sensei and the community members always gave us love and hope. I’m happy we’ve been a part of this ‘blue earth green trees’ community. Please take care.
Seedfolk:#343, 335, 329, 324, 286, 281, 221, 167
#376 2022年9月15日
東口千津子からあなたへ/From Chizuko HIGASHIGUCHI to you
8月19日の世界人道デーに国連のアントニオ・グテーレス事務総長は以下のメッセージを伝えられました。「『子どもは村全体で育てるもの』ということわざがあります。人道危機下の人々を支えるにも、村全体の協力が必要です。この「村」には、発災時に最初に対応する被災者自身や、隣同士助け合う地域社会が含まれます。復興や再建を協力して支える国際社会もその一部です。・・・。現在、紛争や気候変動、コロナの蔓延、貧困や飢餓、前例のない程の避難民の増加によって、人道支援を必要とする人々は過去最高に達しました。・・・。」世界各地の難民・避難民の皆さんとその傍らで活動される人道支援従事者の皆さんに、私たちの「村」から、「コミュニティ」から心を向け、「子どもは村全体で育てる」ことを再認識したいと思います。
blue earth green treesの各プロジェクトにご参加・ご参画くださっている皆さん、一緒に歩んでくださっている皆さん、ありがとうございます。いつもお一人おひとりを見つめながら、声を聴かせていただきながら、一瞬一瞬の表情を撮影させていただきながら、それぞれのあり方や感性に触れ、学ばせていただいています。
9月10日の「第2回一枚の写真から」は杉岡先生がプロジェクトリーダーとして、「第2回Love, Peace, Freedom & Diversity Concert」は宮脇さんがプロジェクトリーダーとして、参加者の皆さんと共に楽しく温かく深い時間をつくってくださいました。「一枚の写真」にはお話してくださる方と大切な人たちの物語、大切な場所の物語がこめられており、それぞれのメッセージを受け止めながら、多様で豊かな個人内文化についてより深く知り合うことができました。「Love, Peace, Freedom & Diversity Concert」では「さとうきび畑」、「森のくまさん」「The Rose」「やってみよう」「美女と野獣」「糸」を三線・ウクレレ・ピアノ・タンバリン・歌でのびやかに奏でることができました。歌の生まれた背景や選曲の意図などを聴き合い、演奏する一人ひとり、歌う一人ひとり、細やかに準備をしてくださった一人ひとりのあり方に「Love, Peace, Freedom & Diversity」を感じる時間となりました。「第2回一枚の写真から」「第2回Love, Peace, Freedom & Diversity Concert」に参加してくださった皆さんのお気持ちをドネーションとしてお預かりし、20,000円をAMDA様にお届け致しました。難民・避難民の皆さんのためにご活用いただきます。参加者の皆さんのご協力に感謝致します。世界の厳しい実情に目を背けず、何をすべきなのか、何をすべきでないのか、聡明な判断を迫られる日々ですが、「語り」や「音楽」には私たちの内側の固くなった部分をやわらかくし、外に向けて自由に解き放つ力があると感じます。お互いを見つめ合う時間、聴き合う時間が、それぞれの心を豊かに育ててくれるように思います。
9月11日は若者たち一人ひとりのたくましい力が重なり合い、周りの大人たちにも大きなエネルギーを届けてくれたできごとがありました。7月28日の高校野球奈良大会「天理対生駒」の決勝時には、生駒の登録メンバー12人がコロナ感染等で出場できず、試合後に天理から生駒に「ベストメンバーでの再戦」の申し出がありました。奈良大会が行われた佐藤薬品スタジアムで9月11日に再戦が実現したのです。天理も生駒も力を出し合い、最後は天理の歓喜の輪に生駒が加わり、みんなで健闘を称えあう瞬間が訪れました。この46日の間に天理と生駒の絆が強く育っていたことが感じられる瞬間でした。そして、苦しい時間を経験した後の勝敗の向こうにある清々しい喜びが一人ひとりの表情から、全身から伝わってきました。生駒の北野先生は一人ひとりの成長を言葉にして伝えられ、2022年の長い夏が終わったことを感じました。保護者の皆さんも子どもたちを静かに見守られながらも、心を動かされることの多い夏を過ごされたことと思います。うまくいかないことや辛いこと、躓きや苦難や我慢などの中に小さな光を見つけ、その光が希望となり、後に大きな力となることを私たちは時に経験します。子どもが暗闇で光を見つけようとしている時、親として子どもを信じて、ただ心を向けるしかないことがあります。その苦しく辛いプロセスを経験する中で、子どもが自分で考え抜き、誰かのためになれる力を身につけ、清々しい喜びを仲間と共有する地点に辿りつけるように・・・と心から祈ります。私たち親もその中で育てられ、自分自身の人生で直面する一つひとつの課題を受け止め、多様な視点で考え抜き、周りの人にとっても自分自身にとってもLove, Peace, Freedom & Diversityを大切にできる日常を生きていければと願います。どんな時も共に歩む人がここにいること、協力し合い、助け合える人がここにいると知ることは、子どもにも大人にも勇気となり、大きな力になると感じます。
UN Secretary-General, Mr. Antonio Guterres mentioned the following on World Humanitarian Day on Aug.19th, 2022.
“There is a saying: It takes a village to raise a child. It also takes a village to support people living through a humanitarian crisis. This village includes affected people who are always first to respond when disasters strike – neighbors helping neighbors. It includes a global community pulling together to support them as they recover and rebuild. …. Today, the number of people who need humanitarian assistance has never been higher, because of conflicts, climate change, COVID-19, poverty, hunger and unprecedented levels of displacement. … .”
Thinking of the refugees, people who needed to leave their homes and communities and humanitarians with them in the world, we will be together and keep doing what we can do in our 'village' /community. ‘It takes a village to raise a child.’
プロフィール:一般社団法人blue earth green trees代表理事
種を蒔く:#355, 346, 326, 312, 307, 287, 271, 261, 244, 174, 158, 145, 125, 118, 79, 56, 42,1
#375 2022年9月15日
宮脇聡子からあなたへ
初めて「Love,Peace,Freedom & Diversity Concert」に参加させていただき、初めての参加者にも温かく、居心地の良い居場所をいただける集いであることを実感しました。自分たちがそれぞれお気に入りの歌を共有して楽しみ、その結果、平和を願う気持ちを世界の遠い場所に届けることができる、なんと親しみやすく、かつグローバルな活動なのだろうと目からウロコが落ちる思いです。みなさまのお仲間に入れていただき、ありがとうございました。またステキな歌をいっしょに歌える日を心待ちにしています。
プロフィール:社会福祉法人わたぼうしの会たんぽぽ生活支援センターで音楽療法を実践。
blue earth green trees Love, Peace, Freedom & Diversity Concertプロジェクトリーダー
種を蒔く:#351、62、23
#374 2022年9月12日
杉岡博幸からあなたへ
「一枚の写真から」第2回の語りを聞く機会が無事に終わりました。参加していただいた皆様に感謝いたします。それぞれの方の語りの中に、日頃から大切にされている生き方や出会いを感じさせていただきました。良い聞き手がいなければ、安心して自分を語ることができません。語られた方も聞いていただいた方も、また新しい一歩を踏み出していただけたでしょうか。ありがとうございました。
プロフィール:blue earth green trees理事、「一枚の写真から」プロジェクトリーダー
種を蒔く:#371, 220, 29
#373 2022年9月10日
野田沙良からあなたへ
私がフィリピンと出会って、もう20年。
「子どもに教育を受けさせたい」「自分で働いて家族を養いたい」と願う、フィリピンのお母さん・お父さんたちとともに教育支援・フェアトレードの活動を続けてきました。
子どもたちが楽しみながら学び成長していく姿、働くことで自信をつけていく女性たちの笑顔が、私の原動力です。
10月8日は、3年ぶりに訪問したフィリピンの「今」をお伝えしたいと思っています。皆さまとお会いできるのを、楽しみにしています!
3分で知る、アクセスの活動
https://access-jp.org/access2022
フェアトレードの生産現場を訪ねる
バーチャル旅、配信中✈
https://access-jp.org/archives/8602
プロフィール:認定NPO法人アクセス事務局長
#372 2022年9月10日
岩﨑裕保からあなたへ
(およそ1年前に書いたものです)
信州の村の医者
1742年の台風で大きな被害を被った信州の人びとは「造林」を熱心に行った。集中豪雨による川の氾濫の原因は山が水を蓄えられなかったことにあると考えた先人は「鎮魂」の造林を進めた。そしてそれが、戦後の東京の復興を支えたのだが、その後の「拡大造林政策」でカラマツが植えられたことで、森は自然の保水力を失った。
色平哲郎は、『大往生の条件』(角川書店、2003年)で、「川と血管はよく似ている」と言っている。川が護岸工事によってコンクリートで固められたのは、血管が硬化しているようなものだ。血管が詰まり気味になると、さまざまな病を引き起こす。コンクリートの護岸は「管理」はしやすいが、生き物は寄り付かず、川の「自然浄化力」を失い、水は澱んでいる。山に木を植え、手入れをし、川や海を再生することこそが、生命体としての地球の「自然治癒力」「復元力」を保つことに他ならない、と色平は言う。
色平は、「農村医療」で知られた若槻俊一や鎌田實に連なる信州の医師で、『大往生の条件』を著したころは佐久郡南相木村の診療所長を務めていた。現在は、佐久総合病院地域ケア科の医長である。村で医学生の実習を受け入れたり、外国人労働者のケアもしてきた。そんな色平の原点は、若い医学生の時代にフィリピンでバングラデシュ出身のスマナ・バルア医師と出会ったことにあった。それは人間が人間として人間の世話をするという医療(プライマリー・ヘルス・ケアPHC)を知った瞬間であった。PHCは地域住民の参加を前提に、人びとの健康を治療医学だけでなく生活や環境レベルで捉えて、予防・健康増進・社会復帰とトータルな保健システムの確立を目指す実践である。
山は、村人が触ってはいけない「奥山」と、雑木を植えて利用する「里山」とに分けて、代々守られてきた。この「社会的共通資本」は意思をもって守り、育てなければ、枯れてしまう。医療制度もまた然りで、制度的な「公」の共通資本で、例えば「国民皆保険制度」はまさにそれだ、と色平は指摘する。1998年にアジアで初のノーベル経済学賞を受賞したアマルティア・センも、発展のためには(金持ちではなく)貧しい人々のためになるような医療や教育の普及が要だと言っている(『貧困の克服』集英社新書、2002年)。その点で先駆的だった日本が2021年の今直面している状況はいかにも貧しく寂しい。
話を水に戻すと、流れている水をliving waterと言う。川や地下水はまさにliving waterである。ロウソクや薪や炭などはliving fireである。私たちはペットボトルに入った水やお茶を、そして電子レンジとかIHといったものを日常的に使うようになっている。dead waterやdead fireで暮らすようになってしまって大丈夫なのだろうか。
プロフィール:blue earth green trees SDGs勉強会プロジェクトリーダー。同志社大学法学部政治学科卒業、同大学院アメリカ研究科修了。ニュージーランドが関心の地域。私立中高で英語を教え、その後大学に移って「平和研究」「国際協力論」「NGO/NPO論」などを担当。2008年から6年間開発教育協会(DEAR)代表理事。今はDEAR顧問と関西NGO協議会(KNC)監事。
種を蒔く:#360,354,349,342,319,310,303,292, 266, 259, 254, 237, 224, 197, 175, 143, 124, 121, 98, 79, 73, 69, 67, 48
#371 2022年9月10日
杉岡博幸からあなたへ
2022年 夏 今年も柿渋染
8月の渋柿で毎年柿渋染めをしている。blue earth green trees で販売されて いるベーカリートートを今年は黒に染めた。
左端 購入時の色
真ん中 茶色 2021年度 柿渋染め
右端 黒色 2022年度 柿渋染め
柿渋で染めると本来は真ん中の茶色になるのだが、鉄媒染
液につけると黒に発色する。今年の黒はなかなか気に入っている。
(手順を写真 付きで簡単に説明。)
① 柿を収穫、カッターで細かく切り、木製の片手カケヤで粉砕
② 柿渋で染める(うすい茶色に変色、天日に干すと色が濃くなってくる)
③ 鉄媒染液をつけた部分(お酢+さびた釘)黒く変色
④ 天日干し
(完成)
注意 柿渋が飛んだ床や壁、服は茶色に染まってしまう。以前ミキサーで渋柿を 粉砕したことがあるが後片付けが大変だった。
プロフィール: blue earth green trees理事、「一枚の写真から」プロジェクトリーダー
種を蒔く:#220,29
#370 2022年9月3日
山本昌彦からあなたへ
ブライアン・ウィルソン/約束の旅路 Brian Wilson: Long Promised Road
8/08(月) に、オリビア・ニュートン=ジョンが亡くなった。学生時代、まだCDもインターネットもない時代、FMラジオでエアーチェックしてカセットテープに録音しては聴き、たまにLPやEPレコードを買って楽しんでいたのを思い出す。
今年になって、ドキュメンタリーを中心に音楽関係の映画の鑑賞を映画館で観続けている。「リンダ・ロンシュタット サウンド・オブ・マイ・ヴォイス」、「スージーQ(Suzi Q)」、「a-ha THE MOVIE」、「ローレル・キャニオン 夢のウェストコースト・ロック」、「エコー・イン・ザ・キャニオン」、「エルヴィス」などだ。
さて、8月26日にアメリカのロックグループ、ビーチ・ボーイズのリーダー、ブライアン・ウィルソンに密着した彼自身が語る初めてのドキュメンタリー映画「ブライアン・ウィルソン/約束の旅路Brian Wilson: Long Promised Road」を鑑賞してきた。日本では、山下達郎、大瀧詠一、細野晴臣、星野源などのミュージシャンだけでなく、村上春樹といった作家にまでファンを公言されているブライアン・ウィルソン。彼自身の言葉でその栄光と哀しみの軌跡を振り返り、秘めた想いを紡いだ映画だ。
ブライアン・ウィルソンは、権威主義的で暴君的だった初代マネージャーの父親との確執(父親は、幼少期にブライアンの右耳を殴って難聴に追い込んでいる。そして、デビュー後もいろいろ口出しするので息子たちによって解雇されている)やプレッシャーに苛まれ陥った薬物中毒、最も身近な存在だったかけがえのない弟たちの死、精神疾患(統合失調症)、そして精神科医から洗脳的な治療を受けて自由と金銭を奪われ続けるといった様々な闇を抱え、そして、やっとそこから光を見つけ出した人である。
映画は精神不安定なブライアンへのインタビューをドライブしながら、彼の思い出の場所を巡っていくという革新的な技法で撮る。デビュー・アルバム・ジャケットの撮影場所や幼い頃に育った場所、最初の結婚で住んだ家などを訪ねたブライアンの反応は、ほとんど表情を変えず多弁ではないものの、リラックスした環境だからか、一つ一つの言葉が愛おしい。
エルトン・ジョンやブルース・スプリングスティーンなどの数多くの音楽関係者の重鎮がブライアンを“天才”と評す一方、現在の彼は、街角のお気に入りの店でクリームを美味しそうに舐めたり、ドライブ中にも次々と曲をリクエストしてかけさせたりと、とても無邪気だ。
そんな彼の感情が露わになる瞬間がある。この映画の原題「Long Promised Road」(リードボーカルをとっているのが、カール・ウィルソン)という曲を収めたアルバム『Surf’s Up』制作時のマネ―ジャーだったジャック・ライリーの死を知った瞬間とビーチ・ボーイズのメンバーでもあった弟たちの話をするときだ。
1998年に肺ガンで亡くなったのがギタリストの三男カールで、カールの家まで行ったものの車からは降りずに、静かに涙を拭く場面。
また、1983年に海で亡くなったもう1人の弟で、グループで一番の人気者だったドラマーの次男デニス。そのデニスの唯一のソロアルバムを1曲しか聴いたことがなかったというブライアンに、インタビュアーのジェイソン・ファイン(ブライアンの古くからの友人で元『ローリング・ストーン』誌の編集者)がアルバムを通しで聴かせると、「素晴らしい」と連発しながら静かにかつ嬉しそうに聴く時の表情、それらを捉えた場面が印象的だった。
デニスやカールといった弟たち兄弟をとても愛して誇りに思っていたことがよく伝わってくる場面だった。
我々も多かれ少なかれ彼と同じように古い傷を抱えながら生きている。歳を重ねているならば尚更だ。そして彼の無垢で繊細な心の有り様が我々の弱い部分、繊細な部分に共鳴する。
そして、昔のヒット曲も素晴らしく懐かしいが、今のブライアンの内面から出てくる歌と歌声に共鳴し癒され胸を打たれる。
そういう意味で、私も行ったことのあるLAハリウッド・ボウルやナッシュビルのライマン公会堂、ロンドンのオデオンで行われたライブ゜での音楽に対する意欲が失われていない模様が収められているほか、音楽制作のためのレコーディング・スタジオでの厳しくチェックを続ける元気な姿が確認できたことに嬉しさを感じる。
最後に、映画の中に、「生きる喜びをシンプルに表現したからだと思う。ただ喜びをダイレクトに歌ったんだ。」と、弟のカールに「成功の理由」を問われた際のブライアンが答える言葉がある。ブライアンは人生を通じて、自らの悩みや精神疾患と闘いながら、膨大な喪失を体験した。しかしその中でも耐え抜き、克服し、活躍してきた。精神疾患は現在も完治していないようだが、自分の病気とうまく折り合いをつけながら音楽活動を続けている。そういう、今、頑張って人生を楽しんでいるブライアンの姿を観て、私も前向きに生きていこうとそう思えた。
映画の字幕監修を行なったのは、ビーチ・ボーイズといえばこの人という、(私も来日コンサート会場で見かけたことのある)萩原健太さん。
種を蒔く:#362, 318
#369 2022年9月3日
矢倉真由子からあなたへ
第17回『子育てカフェ』のご報告
第17回「子育てカフェ」の参加者は3名でした。
ご参加いただき、ありがとうございました。
新型コロナにより、行動制限される日々が続いてきました。家族や家族以外の大切な人々との繋がりについて、その大事さを実感された方々も多いのではないでしょうか。
新型コロナの影響のみならず変化し続ける環境の中で、他者との繋がり方も工夫が必要になってくることがあります。それは同時に他者への理解を深めることでもあり、新たな関係性の構築にもつながることだと思います。
より良いアイデアを求めて考えたり、行動したりするために、自身のこころとからだの健康を保ち、しっかりとエネルギーを蓄えながら過ごすことの大切さを改めて感じる日々です…。
次回の皆さまのご参加を、心よりお待ちしております。
ドネーション5,000円はAMDA社会開発機構ミャンマー事業で活用いただきます。
【参加者感想】
◆子どもがケガをした時、家族が病気になった時、最近では自分がコロナに罹ったかもとなった時、どうしたらいいのかわからなくなることがあります。
普段、わかっているつもりでも、いざ当事者になるとわからなくなってしまうのです。
仕事を休んでいいものかもわからなくなったりします。そんな時に「お互い様だから休んでね」といつも助けられてきました。
自分だけじゃない。みんな支え合って日々を過ごしていると感じた今日でした。
◆子育て、仕事、介護などが重なるライフステージでは、時に難しい状況や辛い状況に直面することがあり、起こっているできごとをそのまま受け止めるのに戸惑ったり、どう行動すべきか選択に迷ったりすることがあります。家族一人ひとりの声を聴きながら、より良い判断をしていくことが必要ですが、日々、自分自身の心身のエネルギーを十分に蓄えることが大切だと感じます。必要時は相談できる人に話を聴いてもらいながら、家族内外の関係者でチームをつくり、ひとりで過度の負担を担わない環境をつくることが大切だと思います。信頼で繋がる人と声を聴き合える時間は、心身のエネルギー充電に繋がると感じます。
プロフィール:blue earth green trees「子育てカフェ」プロジェクトリーダー
種を蒔く:#353, 314, 290, 276, 246, 240, 229, 216, 208, 194, 114, 108, 94,51, 3
#368 2022年9月3日
木村直子からあなたへ
「みんなで取り組む『難民と進む20億キロメートル』プロジェクト」によせて
9月の詩 ―胸の泉に― 塔 和子
かかわらなければ
この愛しさを知るすべはなかった
この親しさは湧かなかった
この大らかな依存の安らいは得られなかった
この甘い思いや
さびしい思いも知らなかった
人はかかわることからさまざまな思いを知る
子は親とかかわり
親は子とかかわることによって
恋も友情も
かかわることから始まって
かかわったが故に起こる
幸や不幸を
積み重ねて大きくなり
くり返すことで磨かれ
そして人は
人の間で思いを削り思いをふくらませ
生を綴る
ああ
何億の人がいようとも
かかわらなければ路傍の人
私の胸の泉に
枯葉いちまいも
落としてはくれない
~塔和子詩選集「希望よあなたに」より~
種を蒔く:#340, 332, 315, 302, 294,289, 285,274, 256, 248, 243, 234, 226, 215, 210, 202, 191, 182, 178, 169, 155, 133, 114, 101
#367 2022年9月3日
ルミカからあなたへ
第15回「みんなで取り組む『難民・避難民の皆さんと進む20憶キロメートル」の合計距離のご報告
コロナ禍で人と会う機会が減っているなか、お盆期間中に帰省した友人と久しぶりに会うことができました。
自然と笑顔になれたり、懐かしさを感じたり素敵な時間を過ごす事ができました。
外食をしたり遊びに行く事もしていなかったので、誰かと共有できる時間や場所の大切さを感じました。
人と繋がることで、たくさんの方の心が笑顔になりますように。
私も仕事では多くの方とトレーニングをしていますが、その時間を通して心と体の健康を願いたいと思います。
7月・8月のご報告をいただいた皆さん、ありがとうございました。
7月・8月のドネーション10,000円と難民・避難民の皆さんを応援するポストカードをご購入いただいた代金7,000円の計17,000円を国連UNHCR協会様にお送り致しました。難民・避難民の皆さんにお役立ていただきます。ご協力に感謝致します。
9月1日現在、個人参加50人、団体参加20組95人、合計145人で、難民・避難民の皆さんに想いを寄せて「歩いた」「走った」「自転車に乗った」「泳いだ」皆さんの2か月の合計距離は「12069.718km」でした。第1回からの総距離は「126842.938km」になりました。
第1回 92人 6012.794km
第2回113人6823.639km
第3回127人6949.398km
第4回137人7944.04km
第5回137人7795.52km
第6回141人6761.186km
第7回141人6532.551km
第8回144人7713.115km
第9回145人7883.713km
第10回145人7726.116km
第11回145人6364.227km
第12回145人12134.052km
第13回145人12007.841km
第14回145人12115.033km
第15回145人12069.718km
★第1回~第15回126842.938km
次回報告日は11月1日です。9月・10月の合計距離をご報告ください。
夏から秋に変わっていく景色を楽しみながら、毎日、自分のペースで歩き、走り、自転車に乗り、泳ぎましょう。
プロフィール:スポーツトレーナー、blue earth green treesみんなで取り組む『難民の皆さんと進む20憶キロメートル』プロジェクトリーダー
種を蒔く:#339,316, 288, 264, 255, 242, 233, 225, 214, 201, 190, 181, 168, 154, 140, 126
#366 2022年8月29日
松本由季子からあなたへ
6月25日に、フィリピン・セブ島で、貧困層の子どもたちに教育支援を行うNPO法人DAREDEMO HERO様「フィリピンにおける女性の権利と健康衛生の向上事業(風に立つライオン基金事業)」へのご協力として、第2回手作り布ナプキンワークショップをオンラインで開催しました。
その後、ワークショップに参加された現地スタッフの方が中心となり、現地のヘルスワーカーやイナヤワン地区・カレタ地区の地域のお母さん達を対象に、ワークショップを実施され、布ナプキン作りに取り組まれました。
手作り布ナプキンを届けようプロジェクトは、手作り布ナプキンを届けることで、現地の女性の保健衛生に関する意識が向上し、一人ひとりの女性が適切なセルフケアができるように応援することを目的として実施しています。最終的には、現地の人々が自身で布ナプキン作りに取り組み、自分達の力で継続していけるように、このプロジェクトの布ナプキンは手縫いで作成できるようにサンプルを作っています。
今回の現地でのワークショップでは、200名もの方が布ナプキン作りに取り組まれたようです。今後もこのプロジェクトでの活動が、一人でも多くの方の笑顔につながることを願っています。
以下、NPO法人DAREDEMO HERO理事長 内山様からのメッセージを掲載させていただきます。
いつもお世話になっております。NPO法人DAREDEMO HERO理事長内山順子です。 貴法人より、オンラインワークショップを開催していただき、布ナプキンの制作方法を学ぶことができ、その技術を支援地区であるフィリピン・セブ島の貧困層に広めることができました。
現地の人々は、貧困がゆえに、ナプキンを購入することができず、1日に1枚もしくは2枚程度しかナプキンを使うことができません。 そのため、感染症などのリスクにさらされています。 今回、現地の人々に布ナプキンを紹介すると、「これでナプキン代を節約できて、子どもたちにご飯を買うことができる」「もっとたくさん作って、販売したらいいのではないか」などの感想をいただきました。
今後も、現地のニーズに合わせて、女性の権利と健康衛生の向上を目指して布ナプキンの普及を続けていきます。 このような機会をいただき、ありがとうございました。
Daredemo Hero Inc | Facebook Facebookに、ワークショップの様子を掲載しておりますので、ぜひご覧ください。 では、引き続きよろしくお願いいたします。
プロフィール:blue earth green trees手作り布ナプキンプロジェクト・リーダー。愛媛県出身。臨床心理士・公認心理師・看護師・保健師の資格を持ち、精神科病院臨床を経て、スクールカウンセラーや学生相談室カウンセラー、大学非常勤講師として勤務。やわらかくしなやかな心と身体を目指して、2010年からヨガをはじめ、学びを深めている。二人の息子の母としても、子どもたちの夢を応援中。
種を蒔く:#350,305,272,265, 230, 78, 46, 8
#365 2022年8月27日
今中和子からあなたへ
いつも「手作りマスクを届けよう」プロジェクトにご参加いただき、ありがとうございます。
10月22日開催の「第16回種を蒔く人のお話を聴く会」で、ホンジュラスから一時帰国・奈良県に帰省予定のAMDA社会開発機構奥田鹿恵子さんをお迎えする予定です。
2020年11月、2021年12月、そして今回が3度目となりますが、過去2回はネパールの事業地でのお話を聴かせていただきました。今回はホンジュラスでのお話を聴かせていただけることをとても楽しみにしています。
ホンジュラスの皆さんに「手作りマスク」をお届けするのは、2020年・2021年に続き3度目となりますが、10月22日には奥田さんに「手作りマスク」を手渡したいと考えています。もし「手作りマスク」をホンジュラスの皆さんに使っていただきたいと願われる方がおられましたら、10月15日までにblue earth green trees事務局までお送りいただけますでしょうか(送料のご負担をお願いすることになります)どうぞよろしくお願い致します。
♪ 私の職場では今、鈴虫が気持ち良く鳴いています。朝晩は少し秋めいてきましたね。奥田さんにお会いする頃には秋も深まって、良い季節になっていることでしょう。今回は奥田さんに直接、手作りマスクをお渡しできることがとても嬉しく、楽しみにしています!
プロフィール:blue earth green trees 手作りマスクを届けようプロジェクトリーダー
種を蒔く:#232, 196, 185, 180, 151, 123, 110, 104, 96, 85, 84, 77, 72, 66, 55, 25
#364 2022年8月27日
岡本幹子からあなたへ
2019年の夏、父は88才でこの世を去りました。昭和の高度経済成長期のスーパーサラリーマンで、私が子どもの頃は平日に一緒にすごした記憶はあまりありません。プライドが高く自己中心的、外面がよくて明るく優しい面とヒステリックな面が同居しており、休みに家にいると少し緊張しました。反面、新しいものや質の良いものを知る機会も与えてもらいました。
晩年は、腕のけが、膀胱癌、心筋梗塞、脳梗塞と入退院を繰り返し、私も弟も離れて暮らしているため、その度に母が一人で対応してくれて、父は九死に一生を得ることができたと思います。
しかし、退院後の体調不安、リハビリ、ストマケア、検査などが続き、思いえがいた生活がままならず、その苦しさを母にしかあたるところがないからか、何かにつけて怒りを爆発させていたことや、「あれを処分して、ここを修繕して…」と言いながら何も手をつけない姿を見るにつけ、私は父から気持ちが離れてしまいました。母が可哀想、父はひどい!と思ってしまったのです。
2019年6月、脳梗塞のリハビリのため移った病院で、胃がんがわかりました。これ以上の手術はしないと本人が決めたことによって、退院し、自宅に帰ることに。そのためのカンファレンスがあり、ケアマネジャー、訪問医療、訪問看護の体制が整えられました。
父は、しんどい検査や治療から解放されて、住み慣れた家で過ごす(看取られる)こととなったのです。
毎朝、訪問看護師が来られ、からだの清拭、歯みがき、尿の確認、バイタル確認をしてくれました。時に髭剃り、洗髪もされて気持ちよさそうでした。「今日はどうしましょうか」「好きにしてくれ」「また釣りに行こな」「コーヒーやったら、あそこがおいしいでよ」「ほな行かなあかんな」と何気ない会話もあります。見ている私たちもほっこりしました。
肩がこるというので、私もさすったり、もんだりしながら、はじめて車が来た時のことや、家族で万博に行った時のことなどの思い出話をすると、そんなこともあったと穏やかな表情に。そして「ママには感謝の気持ちしかない」と呟いてくれました。
その中、日に日に食事は喉を通らず、みるみるうちに痩せていく父。また、しんどさを何度も訴えるようになりました。どうしたらいいのかと主治医に相談すると、「楽な最期とは枯れるように逝くこと。人も草木と同じです…」さらに「死は人の大切な営みのひとつ。その準備をするのです。」と説明されました。そして「消化分解の力が減退している今、余計な薬や栄養は負担となり、むくみ、腹水、痰の原因になってしまうのです。無理に食べさせなくてもよいのです。」と付け加えられました。父が食べたいと言ったものはカステラ。母と3人で一緒に食べました。
主治医はどんな時も穏やか。看護の方々は明るくてきぱきされて、どの方も「何かあれば24時間いつでも連絡してよい」と言ってくれました。この言葉やまなざしは、父への看護のためだけではなく、紛れもなく家族への支援、見守りであり、とても心強く思い、安心することができました。
父の最期の時、私たちはいつもよりぐっすりと寝ていました。それだけ静かに息を引きとっていたのでした。私たちは、その瞬間に気づかなかったこと、声をかけられなかったことに戸惑い、後悔しましたが、看護師の佐藤さん(父のお気に入り)が、きれいに処置をされながら、「穏やかでよかった」と言ってくれました。
かけつけられた主治医は臨終を告げ、「よく頑張りましたね」と声をかけてくれました。
家で看取るという選択の是非は、病状やさまざまな状況によって異なり、一概には言えません。しかし、私たちにとっては、家族で看取ると決心し、体を触ったり着替えの介助をしたり、なによりも昔話をして、今までしてもらったことや教えてもらったことを思い出し、いつのまにか嫌悪の気持ちが消えて、愛情をもって寄り添えたことは、本当に良かったと思います。また、そのように導いてくださったケアマネジャー、訪問医療、看護、理学療法士、薬剤師の皆様には、心から感謝しています。
亡くなったのは8月14日。帰省できた弟家族とも代わる代わる介助できました。近所の方々もたくさん顔を見にきてくださいました。最期はにぎやかでよかったね。パパ!
プロフィール:元養護教諭、現在特別支援教育サポーター
種を蒔く:#344、313
#363 2022年8月20日
池田憲昭からあなたへ
みなさま、お盆休みいかがお過ごしでしょうか?
こちらドイツは、猛暑が続いています。
この2年半、コロナ、ウクライナ、ガス、インフレ、洪水、旱魃と、危機が次々に続いています。しかしその中にあって、人間社会、とくに地域社会のレジリエンス(たくましさや適応力)を実感しています。慢性的な危機状況にありながら、まるで森の多様な生物たちのように複合的に相互作用し合い、ソリューション、生きる道を探っています。それは、人間が作った組織によくあるピラミッド型でトップダウンの単純な構造ではなく、生物の脳のような、分散型の複合的なティール組織(フレデリック・ラルー)です。
大変な社会情勢ですが、6月より、日本からの来欧者もあり、ドイツでの視察セミナーの仕事も再開しました。
「公共善エコノミー」 〜 中欧でロングセラー、世界的な社会運動にも広がっている本を、日本語に翻訳しました。事業パートナーがクラウドファンディングを立ち上げてくれました。支援者を募っています。
https://camp-fire.jp/projects/view/605926
これまで学術論文や資料などの翻訳は頼まれて時々やっていましたが、本屋に並べられる一般書の翻訳は、初めてです。翻訳したい、翻訳する意義がある、たぶんうまく翻訳できる、と強く思ったので、2年前に著者に連絡をとり、岩手と宮崎の中小企業家同友会を通じて、意義を理解する出版社を仲介いただき、今年2022年末に日本で出版される、というところまで辿り着きました。
この本に出会ったきっかけは、2014年来、コロナ禍まで、毎年、来欧し、中欧の環境・社会の先進事例を視察されていた岩手中小企業家同友会と一緒に2019年に視察したフライブルクの豆腐工場「Taifun」でした。下記は、私が書いた記事です。
https://econavi.eic.or.jp/ecorepo/learn/575
https://econavi.eic.or.jp/ecorepo/learn/585
https://econavi.eic.or.jp/ecorepo/learn/596
このTaifun社が「公共善エコノミー」の運動に参加し、実践していました。そこで私は興味が湧き、その元になっている本『公共善エコノミー(Gemeinwohlökonomie)』を買って読みました。非常に明瞭で、リズミカルに書かれている一般向けのわかりやすい専門書でした。
私は大変感銘・共感し、2021年春に出版した拙著『多様性〜人と森のサスティナブルな関係』でも、随所に「公共善エコノミー」の記述を引用しました。
https://www.amazon.co.jp/gp/product/B091F75KD3
『公共善エコノミー(Gemeinwohlökonomie)』は、学者、作家、政治活動家、ダンサーという多面的な顔を持つオーストリア・ウィーン在住のクリスティアン・フェルバー(Christian Felber)が、同名の本によって2010年に提唱した、公共の幸福に寄与する「倫理的な市場経済のコンセプト」です。著書は2018年には改訂版の文庫本も出版されるロングセラーになり、12か国語に翻訳されています。今年、それにフランス語と日本語の翻訳が加わります。
現在の資本主義による市場経済システムは、人間が生物学的に不得意な「競争」を原動力にして「利潤」を獲得することを目指すものです。それによって深刻な環境問題や社会問題が引き起こされています。「尊厳」と「信頼」という人間社会の根源的な価値をベースにしたフェルバーの公共善エコノミーは、人間の得意な「協力」を原動力として、万人が幸福な持続可能な社会の構築を目指す、オルタナティな市場経済のコンセプトです。資本主導の市場経済からヒューマニティ主導の市場経済への具体的な転換方法とツール、先行事例が描かれています。ドイツの著名な環境ジャーナリストのフランツ・アルトは、公共善エコノミーのことを「社会主義と資本主義の間に位置する実用的な第3の道」と評しています。
公共善エコノミーは、単なる提言や問題提起ではなく、「公共善決算」という企業や団体の経営評価システムを備えた具体的で実用的なものです。ヨーロッパを中心に世界中で、その実践が広がっています。現在、2000以上の企業・団体が「公共善エコノミー」のコンセプトに賛同していて、約500企業・団体が「公共善決算」を採用しています。自治体レベルでの参加と実践も増えていて、市民を巻き込む包括的な直接デモクラシーの運動(代表制デモクラシーを補うもの)として展開しています。また、2014年に設立された公共善協同組合は、既存の銀行に呼びかけ、公共善バンキングの導入を推進していて、現在、700以上の公共善口座(預金総額は約22億円)が複数の銀行で開設・運営されています。
2022年夏現在、一通りの翻訳を終えて、著者との細部の詰め、宮崎の出版社「鉱脈社」と校正作業を行なっています。出版は2022年12月になる予定です。このプロジェクトを最初から強力に支援いただいている岩手中小企業家同友会の事務局長である菊田哲さんが、クラウドファンディングを立ち上げてくれました。8月8日にスタートし9月18日で終了します。支援を募っています。支援していただいた方へのリターンは、「翻訳本」「著者と翻訳者によるオンライントークイベント参加」などです。
https://camp-fire.jp/projects/view/605926
一地球市民として、豊かな社会へのシフトへ、一石を投じられればと思っています。
今後ともよろしくお願いします。
#362 2022年8月20日
山本昌彦からあなたへ
2005年に在日コリアンと日本人の有志達が集まり結成され大阪を拠点に活動する「夜道を照らす月の明かりになりたい」と意味を込めて、タル(月)・オルム(昇り)と命名された劇団タルオルム(http://dal-o-reum.com)の公演を、「大空先生」の観劇以来久しぶりに観に行った。
今回は、済州島4・3事件を背景に壮絶な人生を生きた人々を描いた金蒼生さんの長編小説「風の声」を舞台化した「さいはての鳥たち」と「さいはての花のために」の2本だ。
何故観に行こうと思ったのか、それはちょうど、済州島4・3事件を生き抜いた母の過去を探る在日コリアン2世のヤン・ヨンヒ監督によるドキュメンタリー映画「スープとイデオロギー」を観た直後に劇団から招待のチラシを送ってもらったからである。済州島4・.3事件映画を扱った映画を観たのなら、同じ事件を扱っているこの劇も観なきゃと思ったのである。また、もう一つの舞台が、私が教師生活で一番長い間勤務していた大阪市生野区にある「猪飼野」だからでもある。
1922年大阪・済州島間定期直行船「君が代丸」の就航を機に済州島から大量に出稼ぎ者が渡航するようになる。それを迎えたのが大阪市生野区にある「猪飼野」で工場労働者の最大の受け皿となった。故郷から追われるようにして「猪飼野」で暮らした済州島民の歴史的背景や想いや悲しみが、この劇を通して、少しは伝わってきた。1945年日本の敗戦後、済州島出身者の約3分の2程度は済州島へ帰るが、1948年に起きた済州島4・3事件以降に再び日本へ大量に渡航してくる。この劇は、そんな時代を背景にした劇である。
脚色・演出を務める劇団代表の金民樹さんは、「お芝居は4・3事件で亡くなった死者の弔い。朝鮮民族の同胞たち、日本の片隅で生きる私たちのような外国人、そして日本人の人たちに見てもらい、弔いに参加してほしい」と話す。
原作者の金蒼生さんは公演にあたり、「国家権力による虐殺を生きのび、生き抜いた柔らかで弱かった人々。風にかき消されそうなか細い声を聞き届けようとするなら、無謀に思える試みも、劇場へおいで下さる方々の心に届くと思う」とのメッセージを寄せていた。
映画「スープとイデオロギー」のヤン・ヨンヒ監督のお母さんも、1945年に先の太平洋戦争での米軍による大阪空襲が激しくなる中で親戚が暮らす済州島に疎開し、1948年に起こった済州島4・3事件の中で、幼い弟と妹を連れて大阪への密航船に乗船して戻って来られた。劇でのソラとトンアという2人の双子が密航船に乗って大阪に来る場面と重なった。
勿論原作が良いのだろうが、演出も役者も音楽も全てが良かった。一言でいうと心にしみる素晴らしい舞台だった。済州島4・3事件が、そこで暮らしていた人々をどれだけ悲しみや苦しみのどん底に誘い、その後の人生を狂わせていったのかがより深く感じることができる劇だった。それだけではない。悲しみや苦しみは本人だけでなく、家族や子孫、周りの人々にまで及ぶということも感じられた。しかし、それでいて舞台全体には、「猪飼野」で暮らす済州島民の逞しさもあった。済州島4・3事件を描いたものとして、映画「チスル」を私は鑑賞したことがあったが、今回、日本との関わりの中でこの劇を観ることができた。日本は、自国の近代史だけでなく、お隣の国々の歴史にも、日本とは直接にせよ間接にせよ関わりがあるのだから、きちんと向き合わねばならないと強く思った。
最後に、フィドン役の寺島弘樹さんのセリフ回しや演技での表情が一番心に残った。また、私は耳が悪くて一番前の席だったのにも関わらず、聞き取れなかったセリフもあったので、今回の劇2作ともDVD予約した。後でもう一度観ることができることを楽しみにしている。
種を蒔く#318
#361 2022年8月18日
尾松貴美からあなたへ
「インドの工場で、一つひとつバックが手作業で縫製され、色鉛筆で描いたblue earth green trees のロゴが印字されている。」このお話を聞いて、益々blue earth green treesフェアトレード&オーガニックコットンのバックに愛着を感じました。
2年前、フェアトレード・コットン・イニシアティブ/SCOOさんの印象的なホームページが目に留まり、そこから入江さんと何通ものメールを通し、ロゴの版下作成、生地の確認やサンプルの発注を経て、現在4種類のバックに至っています。通信講座で、入江さんのこれまでの取り組みやフェアトレードの事を教わる機会もありました。
そして8月13日は、東京からはるばる (しかも台風が接近する中)、修学旅行以来という奈良にお越し頂き、直接お話をお伺いする事ができました!
ご自身で仕入れた素材で、シャツやジャケットをご自身でデザインされるほど、「生地が好き、服が好き」とおっしゃる入江さん。しかしながら、アパレル業界には、児童労働や過酷な労働環境に加え、益々酷くなる異常気象による天災と、問題が山積みです。だからこそ、フェアトレードを通して「少しでも状況を良くしたい」という入江さんの想いが伝わってきました。
インドの綿花農家と縫製工場のフェアトレード認証取得、農薬を使わない工夫、農家や縫製工場で働く方々の教育に至るまで、様々なご苦労があったと思いますが、「単なるチャリティでやっているのではない。チャリティだけでは、この先ずっと続いていかない。」というお言葉が印象に残りました。フェアトレードをビジネスにする事で、多くの企業や団体を巻き込み、フェアトレードの輪を広げて行くという、持続可能な発展のための活動は素晴らしいと思いました。
私自身、安さや利便性だけに惑わされず、自分が着る物、使う物、食べる物、生活空間に至るまで、「エシカルな生き方」について改めて考える機会となりました。
入江さん、またのお越しをお待ちしています!!
プロフィール:同時通訳・翻訳家、blue earth green treesフェアトレード・プロジェクトリーダー
種を蒔く:#311, 275, 165, 142, 139, 9
#360 2022年8月16日
岩崎裕保からあなたへ
第11回SDGs勉強会「国際協力/援助について考えてみようⅡ」
前回に引き続き「国際協力/援助」がテーマでした。
『「援助」する前に考えよう』の2つ目のワーク「再びバーン村へ」をおこないました。
日本に戻ってアイ子さんを探して会えることになり、話し合いの結果いっしょにバーン村に行って3日間の調査をすることになりました。
ロールプレイでは「アイ子」「日本人訪問者(2人)」「村長」「村落開発委員」「小学校の先生」の6人でミィーティングが設定されて、通訳の「タイ人のガイド」が司会をしてくれました。「役割カード」をベースに話し合いが行われ――当日の参加者がなかなか積極的に質疑応答をしてくださいました――、最後は「村の長老」が「私たちはお金をきちんと使い報告もします。食事をして、歌や踊りを見て、ゆっくりしていってください」と言って、会はお開きになりました。このミーティングの場には村の4人のほかに、「リーダー格の青年」「薬草に詳しい村民」「他の山岳民族から嫁いできた村民」「高齢者の村民」「自分の畑がない村民」「前の村長」「目が不自由な村民」「伝統的な儀式に詳しい村民」「子どもが3人いて、妊娠中の村民」などなど30人近い人たちも集まっていました。
このように村に暮らすさまざまな人びとがいて、それぞれの問題を持っているのですが、外部者が短期間でそれぞれのニーズを聞き出すのは大変難しいことです。話し合いに参加したのは村の主流に属する人で、とくに弱い立場の人たちの意見は反映されない可能性が低くありません。すでに20万円を寄付してくれたアイ子(のグループ)に「都合の悪いこと」はあまり言わないでしょうし、次の支援の可能性が垣間見えるのでアイ子たちの意向や考え方に合わせて受け答えをしてしまいがちです。このような調査の仕方では、村の人びとの本当のニーズを知ることは至難です。
従来実際に行われてきたのは、長期滞在による質問紙調査でした。質問用紙をもって村人の家を訪ねて聞き取りをして質問紙に記入して、それを集計・分析するという手法です。村人が本音を語るには調査者との信頼関係が基本になりますし、調査項目も数量化が可能な項目が選ばれる傾向あるために、往々にして正確ではない皮相な結果しか得られないということになりやすいことは容易に推測できます。(日本の民俗学者・宮本常一は聞き取りをするときは、紙も鉛筆も持たずメモを取らなかったようです。もちろんテープレコーダーなどは使いません。ただ話し込みます。夜、宿舎に戻ると懸命に思い出してメモを作っていたそうです。)
歴史的に見ますと、1970年代までの開発プロジェクトは「慈善型」とも言うべきもので、宗教関係者や福祉団体あるいは王室系の団体などが恵まれない貧困層や弱者に慈善的な援助を行うタイプです。80年代になると「技術移転型」と言われるタイプで、NGOなどが貧しい農村の開発やスラムの改善のために財団や国際機関などから資金を得て、外部の進んだ技術を移転することが目指されました。90年代に入るころからは「参加型」と呼ばれる開発プロジェクトの方向性が目指されるようになってきました。開発の受益者である住民自身がプロジェクトの計画・実施・評価に参加して、より公平にその恩恵を受けられるようにすることが目指されています。
どの型が優れているということは言い難く、たとえば災害などの緊急援助は「技術移転型」や「参加型」ではうまく機能しません――食糧が要るときにはまずソレを手渡すことですが、情況が落ち着けば釣竿を渡すことが助けになりますし、その次には釣竿の作り方を教えるというように対応していくことが必要です。そして、それをいつまで続けるかということもきちんと視野に入れておかねばなりません。
この分野の専門家の一人は「学生には、とにかく、現地の人の邪魔をしないように、と伝えている」と言っています。内発的発展というコトバを使いますが、当事者が自分たちの資源を用いて主体的にコトを進めていくことが一番大事だと思います。
さて、ODAにせよMDGsやSDGsに共通するのは”D”の「開発」です。
私たちは「開発」ということに向き合って、考えていかねばなりません。これまでは「経済開発」ということを主に考えてきたのですが、それは人間の暮しの一側面にしか過ぎなく、「人間開発Human Development」という視座が提起されるようになって、1990年以降『人間開発報告書』が国連開発計画(UNDP)から毎年刊行されています。
「勉強会」当日は「開発とは(何か)」というワークをおこないました。次の9つの開発の概念をランキングするというものです。
A エネルギーや交通などの産業基盤が発達し、技術革新も進んで、経済が成長すること。
B 世界の資源が濫用されず、鹿も後世に分配されて、将来にわたって環境が保持できること。
C 地域の政治的な意思決定に参加でき、権力がより平等に分配されること。
D ネットワークを築くことができ、互いに助け合って生きることができること。
E 健康で長生きでき、病気になっても容易に治療が受けられ、犯罪もなく安心して生活できること。
F ゆとりある生活空間で、時間に追われることもなく、自分の好きなことにも打ち込めること。
G 能力に応じて教育を受けることができ、自己実現に向けて努力できること。
H 他人に対して思いやりの心をもち、文化の多様性を尊重し、性別で不利益がないこと。
I 強力で安定した政府を樹立すること。
参加者が「そうだこの開発には賛同できる」と思うもの(Ⅰ)を1つ、そしてその反対に「この開発には賛同しがたい」と思うもの(Ⅴ)を1つ選んでもらい、そのアルファベットを板書してみたところ、前者と後者が完全に入れ替わるという現象もありましたし、全員が一致するということはありませんでした。(そして、残りの7項目を、Ⅰに近いものを2個、Ⅴに近いものを2個選んで、残りの3個を真ん中に置くという作業は、時間の関係でおこなえませんでした。)そう、これこそが「開発」であるという「正解」や「モデル」はないのです。それぞれの社会に応じた開発があるのです――外発的ではなく内発的であることの大切さを分かっておくことに意味があります。
世界中の人が米国と同じ暮しをしたら地球は5個要ります。日本と同じ暮しを求めれば2.8個の地球が要ります。中国と同じだと2.2個、インドと同じなら0.7個です。世界平均では1.7個ということで、地球規模で持続可能でなくなっています。
世界の人口のうち、最も裕福な上位5分の1が、地球上のすべての富の約83%を所有しており、反対に、最も貧しい5分の1は、わずか約1%の富を所有しているにすぎません。グラフの特徴的な形から「富のワイン(シャンパン)グラス」という名称で呼ばれます。また、1960年のデータでは、下位20%の貧困層の平均所得と、上位20%の富裕層の平均所得とを比べると、その比率は1対30でした。ところが2007年のデータでは、それが1対83まで広がっています。つまり富裕層と貧困層の間の経済格差は、まるで倍々ゲームのように、ますます膨らんでいるのです。
地球が1.7個必要であるという現状は、最も上位の人たちの生活様式が生み出しているのであって、残りの5分の4の人たちの暮しを収奪することで可能になっていることが見て取れます。歴史的には世界貿易が始まった500年前には最上位と最下位は1.5~2対1くらいの差でしたが、下からどんどん吸い取っていくことで上が太ってきたのです。こうして蓄えた富の中からGDPの0.3%を上から下に垂れ流すODAでこの格差を埋めることはできるのでしょうか・・・
最後に、カナダの先住民族クリーのことばを読んで、勉強会を閉じました。
Only when the last tree has died & the last river has been poisoned & the last fish has been caught, will we realise that we cannot eat money.
木が枯れ、川が汚され、魚が取れなくなって、やっと私たちはお金を食べて生きていくことができないことに気づく。
プロフィール:blue earth green trees SDGs勉強会プロジェクトリーダー。同志社大学法学部政治学科卒業、同大学院アメリカ研究科修了。ニュージーランドが関心の地域。私立中高で英語を教え、その後大学に移って「平和研究」「国際協力論」「NGO/NPO論」などを担当。2008年から6年間開発教育協会(DEAR)代表理事。今はDEAR顧問と関西NGO協議会(KNC)監事。
種を蒔く:#354,349,342,319,310,303,292, 266, 259, 254, 237, 224, 197, 175, 143, 124, 121, 98, 79, 73, 69, 67, 48
#359 2022年8月14日
佐藤嘉正からあなたへ
ご無沙汰しています。第7波の“BA5”来襲に、悲感染者の増加傾向に悩む一方、連日続く気温の異常上昇、この中でのオミクロン株対応に各個人の対応が求められています。
昨年12月末にお送りした十勝岳麓の「青い池(美瑛町)」種を蒔く:#250の続編をお送りします。
この自然が観光名所となることで、周辺を含めて自然の景観を失わないことを祈るばかりです。
#358 2022年8月14日
川野裕満子からあなたへ
●朗読 川野裕満子
『約束』作 川野裕満子
「推し」という言葉をご存じですか?アイドルや俳優を情熱を持って応援することを「推し活」と言います。
コロナ禍で「推し活」にはまる人も増えているようです。
ある若い歌手によって時を越えて再会し、友情の復活、、、そんなことがあるなら、年齢を重ねることもいいものだと思えるかも?と思い書かせて頂きました。
皆さんの「推し」を頭に描いて聴いて頂ければと思います。
#357 2022年8月6日
小原祥子からあなたへ
大変遅くなってしまいましたが、第6回ひとときカフェについて書かせていただきます。
今回は目にも鮮やかな快晴の奈良でした。暑い中、足を運んでくださった参加者の皆さま、本当にありがとうございました。
忙しい日常から少し離れ、「今、ここ」で出会えた皆さまとの、短くともとても意味深い時間となりました。
限られた時間の中でしたが、皆さんがそれぞれの胸の内に大切にもっておられる深い想いを、たくさん交流させていただけた気がしています。人と人との心のつながり、出会いと別れなどについて、いろいろ感じることの多い、心動かされる時間となりました。今回のひとときカフェでの出会いにも、心から感謝しています。
参加者の皆さまからのドネーションは18,000円(第6回ROUDOKUプロジェクトと合わせて)となりました。
AMDA様に18,000円をお送りし、ウクライナ難民・避難民の皆さんのためにお役立ていただきます。ご参加下さった皆さま、本当にありがとうございました。
次回は11/26(土)の予定です。
皆様のご参加をお待ちしております。
プロフィール:blue earth green treesひとときカフェ・プロジェクトリーダー
種を蒔く:#357, 327, 247, 231, 213, 7
◆参加者のお声
・深い話を聞かせていただき、心がゆさぶられました。
・自分と向き合える時間と空間でしたので、いいリフレッシュができました。
・はじめて参加させてもらいましたが、どんな言葉も否定せず受けとめてもらって、ついつい自分の内面も話ができて、いやされました。ありがとうございました。
・感想等を口にすることで自分の考えが整理できていき、すっきりした気分になった。
#356 2022年8月4日
チコからあなたへ
●朗読 チコ
『カランコロン』作 本田美和
暑中お見舞い申し上げます。
皆さま、いかがお過ごしですか?
ハートフルリーディングのチコです。
夏といえば 浴衣に下駄ということで、今回は下駄にまつわるお話
本田美和作『カランコロン』をお届けします。
先日、私の朗読『法隆寺』を聴いて下さった方の"種を蒔くメッセージ"を読ませて頂き、嬉しくて涙があふれました。
作者の本田美和さんにもお伝えした所、同じく感動して泣いてらっしゃいました。
有難うございました。
今回も本田美和さんの作品ですので、是非お聴き頂ければと思います。
今まさに、コロナに猛暑…
中々、外に出ることがままならないという方も沢山いらっしゃるのではないでしょうか?
一人でも多くの皆様に、朗読で空想の世界へお出かけして頂けたら幸いです。
そして、よろしければラジオでもお付き合い下さい。
"ならどっとFM"
〜朗読と音楽で綴る〜
reading connection
毎月第二木曜日19時〜19時30分
(生放送)
第三土曜日10時〜10時30分
(再放送)
朗読で心温まる時間をご一緒に!をコンセプトに放送しております。
ならどっとFMのホームページから
ワンクリックするだけで、何処からでもお聴き頂けますので、よろしくお願いいたします。
まだまだしばらく暑い日が続きますが、どうぞ皆さま ご自愛くださいませ。
チコ
#355 2022年7月30日
東口千津子からあなたへ/From Chizuko HIGASHIGUCHI to you
いつもblue earth green treesの活動を一緒につくってくださり、ありがとうございます。
7月23日開催の「第6回ROUDOKU プロジェクト~多様性を聴き合う&感じる」のご報告はプロジェクト・レポートに掲載しております。ご参加くださった皆さん、ありがとうございました。参加者の選ばれた作品・選ばれた理由・言語・お声・読み方・リズム・あり方を感じ、感想を聴き合い、メッセージを受け止め合う時間となりました。それぞれの人生の経験や文化と繋がる多様性を感じるひとときでした。「第6回ひとときカフェ」のドネーションと合わせて、18,000円をAMDA様にお送りし、ウクライナ難民・避難民の皆さんのためにお役立ていただきます。ご協力に感謝致します。
ウクライナ、ミャンマー、アフガニスタン、シリアをはじめ、苦しい状況が続く国の難民・避難民の皆さんに安全で健康的な日常が戻りますようにと祈り、国内外の多様な協働団体・協力団体の皆さんと共にblue earth green treesでできることを続けていきます。
日本の夏は高校野球で躍動する若者たちが、平和な環境のもとで野球ができる喜びを全力で表現し、さまざまなドラマを見せてくれます。2022年夏の奈良県大会も心に残る大会となりました。
奈良県準決勝は智辯高校対生駒高校でした。毎年、智辯のチームは心躍るプレーを見せてくれる私立の強豪校で、その力のある智辯に公立の生駒が立ち向かい、素晴らしいチーム力で決勝に進んだことは快挙です。生駒のメンバーが北野先生のもと積み重ねてきた日々が、今夏の大きな力となったことを想うと、かつての生駒野球部の親としても熱い気持ちになります。決勝は天理高校対生駒高校、コロナ禍の緊急事態で生駒は登録メンバー12人を入れ替えての試合・・・、天理も生駒も万全の状態で試合ができない悔しさを知っているからこそ、気持ちを切り替え、状況を受け入れ、今自分にできることを一人ひとりが見つけて、それぞれに力を尽くした試合だったと感じます。試合後に天理が静かに整列し生駒への気持ちが表現されたことは、天理の主将からの提案だったことを知り、目の前の状況を見つめ、一瞬一瞬自分で考え、自分にも周りの人にも気持ちの良い道を確認し行動していく姿勢に心が打たれました。メンバー一人ひとりの素晴らしさももちろんですが、監督さんのご指導とチームの文化・風土も人として大切なものを育てる重要な要素になっているのだろうと感じました。生駒は、出場できなかったメンバー・準決勝から続けて出場できたメンバー・初めて試合に出たメンバー・ベンチやスタンドで応援したメンバー・ご家族・卒業生など繋がるみんなと北野先生の想いがひとつになり、試合に出場したメンバーは心も体も精一杯使って、一人ひとりが力を発揮した時間だったと思います。大差の試合になりましたが、試合後に北野先生がチームのメンバーに伝えられたメッセージは、きっと一人ひとりの今後の人生の糧となることと思います。
北野先生が生駒の監督さんになられた10年前に、息子が入学・入部させていただきました。
厳しい状況や苦しさをそのまま受け止めて、自分がチームのためにできることを見つけ、主体的に動いていくことの大切さを伝えてくださる北野先生のまなざしとあり方は、子どもたちが大人になっていくプロセスを力強く応援してくださったと感じます。北野先生のご指導と生駒野球部の文化と風土は、野球の技術のみならず、子どもたちの成長を大きく促して下さり、親としてとても感謝しています。春夏秋冬の土日の練習や練習試合時に保護者仲間の皆さんと一緒に子どもたちを応援しながら、グランドに響き渡る北野先生の子どもたちへのメッセージがずしんと心に響くことがありました。そのメッセージが月~金の仕事をしている時にふと思い出され、自分のあり方を見つめ直し、仕事の仕方を振り返ったこともありました。
息子たちが仕事をする中で厳しい状況や苦しさを感じる時に、その状況を受け止め、自分も人も大切にし、お互いの声を聴き合いながら支え合い、そこからの一歩をどう踏み出していくのか、どのように健康的な文化と風土を創っていけるのか、野球のグランドで体感したことを時々振り返りながら、自分も仲間も信じながら、できれば楽しく歩んでいってほしいと願います。
子どもたちや若者たちが自分の人生に希望をもち、孤立せずに、国内外の多様な個人と正直で豊かな人間関係を育てながら、好きなこと・得意なこと・関心のあることで、誰かの役に立ち、支えになっていけるように、安全で平和な社会を共に育て続けましょう。
Thank you for your great support in various projects of ‘blue earth green trees’. It’s kind of you to give encouraging and pleasant messages and actions for the community of ‘Love, Peace, Freedom and Diversity’. Nara prefectural high school baseball tournament finished on July 28th. The game ended with a victory of Tenri senior high baseball team. We got energy watching each game by all the teams in Nara this summer, too. We need to make our society more peaceful so that children all over the world could enjoy what they like and learn life lessons from their experiences.
プロフィール:一般社団法人blue earth green trees代表理事
種を蒔く:#346, 326, 321, 312, 307, 287, 271, 261,244, 174, 158, 145, 125, 118, 79, 56, 42, 1
#354 2022年7月30日
岩崎裕保からあなたへ
(21年春に書いたものです)
したらいかん
『西宮から日本、世界を見る』(話の特集、1993年)の中の中山千夏との対談で、小田実は現代を捉えるにはパースペクティブ(歴史的、空間的展望)とコモンセンスとイマジネーションが要る、と言っている。 小田によれば、日本語の「常識」と違って、英語の「コモンセンス」には道徳的意味合いがあって、「こういうことをすべきである」ではなくて「したらいかん」ということを考える時代が来ている。「すべき」のほうは政治あるいは宗教で、「したらいかん」が文学の根本であって、肯定ではなく否定がイマジネーションになって、展望を成り立たせることになる。
ちなみにこの対談が行われたのは1991年なのだが、2021年の今は「したらいかん」ことばかりである。今日はゴールデン・ウィーク初日だが、居酒屋で酒を飲んではいかん、集まるのはいかん、行ってはいかん、来てはいかん… 政治が「すべき」を語らず――いや語れずか――「したらいかん」ことばかり並べたてるのは、政治の貧困を自ら証明していてみすぼらしい。政治は民意を反映「すべき」なのに、COVID禍で「旅に行こう」「食べに行こう」「聖火リレーをしよう」などと「したらいかん」ことを押し進めてきた。極めつけは五輪である。政治家は”The situation is under control”というウソのアピールをし、IOCはそれを受け入れて東京開催を決め、そして両者は民意に逆らってごり押しで1年遅れの五輪を実施しようとしている。「すべき」はずの検査も教育のICT環境整備も休業補償も、1年前と違わないままである。
さて、半世紀ほど前から、地球が危うくなってきているという認識があって、それは「環境問題」と言われている。しかし、環境が問題なのではなくて、問題は人間であることは明らかである。循環していればうまくいくことは分かっているのだが、今やグローバル化の時代である。循環というのは閉じているということである。地産地消とか地域通貨はまさに閉じた中での暮らしである。あらゆる分野に市場競争原理を導入するグローバル化はそれを壊してきた――COVIDもそこに原因がある。循環で成り立つ環境を開いては「いかん」のである。最近になって認知度が上がっているSDGsは「持続可能な開発目標」だから「したらいかん」ことは書いてない。でも、「したらいかん」ことをし続けてきたことが根っこにあって、目標を作らざるを得なくなったことは間違いない。
対談後半で小田は「市民社会の一番大切な論理と倫理は、異質な人と一緒に住む、ということ…つまり、異質な人を殺したらいかん…市民社会の最高の原理は非暴力」だと言い、「市民社会で主人公があったら困るでしょ。一人が重要なんじゃなくて、みんなが重要なんだから。…つまりみんなが平等に喋る、これが非常に大事なことなんです」と続ける。
SDGsは環境と社会と経済の調和を謳っていて、そのモットーは「誰一人取り残さない」なのだが、30年前に小田が言ったこととチョボチョボのように思える――小田には『人間みなチョボチョボや』(毎日新聞社、1985年)という著作がある(ので、それに倣ってみた)。
プロフィール:blue earth green trees SDGs勉強会プロジェクトリーダー。同志社大学法学部政治学科卒業、同大学院アメリカ研究科修了。ニュージーランドが関心の地域。私立中高で英語を教え、その後大学に移って「平和研究」「国際協力論」「NGO/NPO論」などを担当。2008年から6年間開発教育協会(DEAR)代表理事。今はDEAR顧問と関西NGO協議会(KNC)監事。
種を蒔く:#349,342,319,310,303,292, 266, 259, 254, 237, 224, 197, 175, 143, 124, 121, 98, 79, 73, 69, 67, 48
#353 2022年7月30日
矢倉真由子からあなたへ
第16回『子育てカフェ』のご報告
第16回「子育てカフェ」の参加者は4名でした。
ご参加いただき、ありがとうございました。
子どもが具体的に自分の困りごとを話し始めると、多くの親は耳を傾けようとします。しかし日常のちょっとしたことや、今すぐの対応でなくてもよさそうなことであれば、時間に余裕がある時に・・・という態度で返答してしまうことも多いのではないでしょうか。 大人も心身のバランスを保つために、いつも全力というわけにはいきませんが、日常の何気ない関わりの中にも、子どもたちからの大事なメッセージが含まれていることが多いように思います。
その場ですぐに十分対応できなくても「嬉しかったね」「楽しかったね」「悲しかったね」「疲れたね」「頑張ったね」など、子どもたちの感情に寄り添う言葉かけが少しでもあると、子どもたちからの大事なメッセージを受け取る器が保たれるのではないかと感じます。
次回の皆様のご参加をお待ちしております。
参加者の皆様からのドネーション5,000円はAMDA社会開発機構ミャンマー事業にご活用いただきます。
【参加者の声】
◆今日参加して日常の生活、子どもの成長、そんなたわいもない事を話していると人との繋がりが心に余裕をもたせ、平常心で向き合え、その大切さを改めて気づき、これからも大切にしていきたいと思いました。
◆コロナ禍で話し相手が欲しいのか、時々、一人暮らしの子どもたちが電話をかけてきます。
何でもない話をお互いにうんうんと聞き合って、じゃあ身体に気をつけてねと。。。
こういうことが親の幸せなんだなということを今日も子育てカフェでみなさんとお話をして気付くことができました。
プロフィール:blue earth green trees「子育てカフェ」プロジェクトリーダー
種を蒔く:#314,290, 276, 246, 240, 229, 216, 208, 194, 114, 108, 94, 51, 3
#352 2022年7月24日
田口淳子からあなたへ
初めてROUDOKUプロジェクトに参加して。
7月23日に、はじめてROUDOKUプロジェクトに参加させていただきました。
これまで、本をみんなで朗読することについては、なんとなく苦手意識がありました。
朗読が「癒し」という言葉と一緒に語られることが多くて、食わず嫌いになっていたのかもしれません。
でも、このプロジェクトは、自分の好きな本を好きな言語で読み合うと聞いて、なんか自由そうだなあと思って参加させていただきました。千手観音のことを書いた本からお掃除の本まで、本当に自由。私は、目を閉じて、みなさんが選ばれた本の好きな個所を読んでくださるのを聞いていました。すると、なんだろう、脳味噌が活性化していってどんどん楽しくなってきました。これまであまり触れてこなかったいろいろな分野から次々に矢が飛んできて、脳味噌の片隅で眠っていた、または忘れ去っていた箇所に矢が刺さっていって、自分の中の何かがぐるんぐるんと回っている、そんな不思議な体験でした。
そして、もうひとつ。自分の好きな本を朗読するときって、ひとりひとりの声に、それぞれ、その人らしいリズムがあるんだなあと気づきました。中国語での朗読や新古今和歌集からの古典の朗読も聞かせていただき、それぞれの言語が持つ独特のリズム、美しい古典のリズムにも感動。耳にも幸せな2時間でした。
最後に、私が読ませていただいた『ニジェール物語』や、その上映会等の活動についてもみなさんが励ましてくださって、とてもうれしかったです。
ありがとうございました。
プロフィール:一般社団法人ニジェール物語製作委員会理事、日本語教師
種を蒔く:#323 #291, 236, 223, 130, 43
#351 2022年7月23日
宮脇聡子からあなたへ
こんにちは。
私は東口さんと、子どもの保育園、小学校時代、中学校時代にママ友として仲良くさせていただきました。
それから数年の時を経て約3年前、奈良県文化会館で「KINI PROJECT」(KINIはハワイ語でDiversity, 多様性を表す言葉)」という、ハワイからのウクレレアーティストご夫婦の音楽と英語&日本語での物語、詩の朗読の会に参加させていただきました。そのご縁でまた、今回もこのblue earth green treesの活動に加わることができ、嬉しく思っています。
人々が健康に生きること、多様性を互いに認め合うことは、この地球上で生きる私たちの普遍のテーマですね。
私は普段、障害のある人が通われる事業所で、主に児童のみなさんと音楽を使って活動することが多いですが、日々のできごとや目の前のことに右往左往してばかりで、世界や地球を広い視野で俯瞰し、みんなで幸せになるといった視点をつい忘れがちです。
今回みなさんと、演奏や歌を通して楽しい時間を共有する機会をいただき、いろいろな人の間で共感の輪が広がったらステキだろうなあとワクワクしています。音楽が好きな人もそうでない人も、楽器を持っている人も持っていない人も、いっしょに居心地の良い空間をつくりましょう。お会いできることを楽しみにしております。
『第2回Love, Peace, Freedom & Diversity Concert』
◆日時:9月10日(土)15:00~17:00
◆会場:奈良県文化会館多目的室
◆定員:20人
●プログラム
・ギター/ウクレレ/三線/電子ピアノ/カホーンなど、好きな楽器を持ち寄り、みんなで演奏します。歌での参加も大歓迎です。
・参加者の皆さんに合奏曲・合唱曲を事前にお伝えします。
●参加費
・お気持ちをドネーションとしてお預かりし、全額を国際協力団体での事業にご活用いただきます。
Love, Peace, Freedom & Diversityの種を蒔くConcertで、一人ひとりが自由に演奏しながら、自由に歌いながら、音楽を通した心豊かなひとときをみんなで楽しみましょう。
プロフィール:社会福祉法人わたぼうしの会たんぽぽ生活支援センターで音楽療法を実践、blue earth green trees 'Love, Peace, Freedom & Diversity Concert' プロジェクトリーダー
種を蒔く:#23, 62