『愛と平和と自由と多様性の種を蒔く / Seedfolks of Love, Peace, Freedom and Diversity

 

20203月、新型コロナウィルスの影響を世界中が受ける中で、毎日を健康に希望をもって生きていける知恵を出し合い、お互いへの思いやりを大切に、こころとからだを健やかに育て合っていく必要を実感します。

 

一人ひとりのメッセージやお話、仕事やライフワークについての志と実践、社会課題や地域課題への取り組み、家族や友人との繋がり、食や栄養や睡眠や運動についての情報、心を豊かにする芸術、写真や本や音楽や映画の紹介、国内外で種を蒔き続ける人の紹介など、それぞれの声を聴き合えるコーナーをスタートしました。




#350 2022723

 

松本 由季子からあなたへ

 

手作り布ナプキンを届けようプロジェクト

2回手作り布ナプキンワークショップのご報告

 

2回手作り布ナプキンワークショップは、フィリピン・セブ島で、貧困層の子どもたちに教育支援を行うNPO法人DAREDEMO HERO様「フィリピンにおける女性の権利と健康衛生の向上事業(風に立つライオン基金事業)」へのご協力として、625日(土)にオンラインで開催いたしました。NPO法人DAREDEMO HERO理事長 内山順子 様と現地スタッフ2名の方がご参加くださいました。

 

事前に、手作り布ナプキンの作り方や型紙・材料をセットしたキットと布ナプキンのサンプルを準備して現地に送ることで、オンラインでもスムースに作成していただくことができました。

 

現地の貧困層の現状として、各家庭にトイレがないことや生理用品を購入できずに衛生的で適切な手当てが難しいこと、生理用品を購入できても非常に限られており、汚れた生理用品を長時間使用しながら、女性が生理期間を過ごしていること等を理事長の内山様から教えていただきました。また、宗教上の理由で表立った性教育が行えないという問題もあるようです。

 

今回の手作り布ナプキンワークショップを通して、エコで繰り返し使用できる手作り布ナプキンを現地の女性に知っていただき、現地の状況に適した方法で、今後活用していただければ幸いです。このプロジェクトにおける活動が、一人でも多くの方の笑顔につながればと願っております。

 

NPO法人DAREDEMO HERO 様より、手作り布ナプキンワークショップコンサルテーション費用としていただきました10,000円は、手作り布ナプキンを届けようプロジェクトにおける布ナプキン作成の材料費として活用させていただきます。

 

手作り布ナプキンプロジェクトに関連したご質問・ご相談がございましたら、blue earth green trees HPお問い合わせページよりご連絡をいただけますようお願い致します。

 

プロフィール:blue earth green trees手作り布ナプキンプロジェクト・リーダー。愛媛県出身。臨床心理士・公認心理師・看護師・保健師の資格を持ち、精神科病院臨床を経て、スクールカウンセラーや学生相談室カウンセラー、大学非常勤講師として勤務。やわらかくしなやかな心と身体を目指して、2010年からヨガをはじめ、学びを深めている。二人の息子の母としても、子どもたちの夢を応援中。

 

種を蒔く:#305,272,265, 230, 78, 46, 8

 

 




#349 2022716

 

岩崎裕保からあなたへ

 

僕が20082013年に代表理事をしていた開発教育協会(http://www.dear.or.jp/)はこの12月に40周年を迎えます。そのプログラムの一環として、「地域で広げ・つなげる開発教育 実践者に聞くリレートーク」プレ企画・第1回が6月8日にあり、1980年代からの関西の開発教育のことをお話しする機会を得ました。

 

その内容(映像)と参加者との質疑応答や感想などが公開されました。地域で広げ・つなげる開発教育 実践者に聞くリレートーク[第1回]レポート|DEARnoteご関心の向きは、どうぞ覗いてみてください。

 

また、8/26(金)に奈良県消費生活センター主催の消費者教育 研修会にて「服・ファッションを通して、持続可能な消費について考えよう」(オンライン・無料)が実施されます。

https://www3.pref.nara.jp/syouhiseikatsucenter/1013.htm

 

プロフィール:blue earth green trees SDGs勉強会プロジェクトリーダー。同志社大学法学部政治学科卒業、同大学院アメリカ研究科修了。ニュージーランドが関心の地域。私立中高で英語を教え、その後大学に移って「平和研究」「国際協力論」「NGO/NPO論」などを担当。2008年から6年間開発教育協会(DEAR)代表理事。今はDEAR顧問と関西NGO協議会(KNC)監事。

種を蒔く:#342,319,310,303,292, 266, 259, 254, 237, 224, 197, 175, 143, 124, 121, 98, 79, 73, 69, 67, 48

 

 




 

#348 2022716

 

長谷川聖仁からあなたへ

 

「種を蒔く#239」でチコさんの「法隆寺」の朗読を聴かせていただきました。ありがとうございます。

 

朗読を聴くというのはこんなにいいものなんだ!そんなふうに感じたのは数年前クリスマスに幼いふたりのこどもを連れて家族で市内の教会に行った時のことでした。クリスマス用にイルミネーションが美しく灯る教会で、さまざまなな祈りのあとに、そして讃美歌をうたったりしたあと、朗読のグループの方がトルストイの「靴屋のマルチン」という絵本を美しい教会の、なかで心を込めて読んでくださいました。

その絵本はうちにもあって既に一度は読んでいたのですが、朗読で聴いた時、浮かんでくる生き生きとした光景は最初に絵本を自分で読んだときと全然違うことに驚いた事を覚えています。

不思議なことに、今その「靴屋のマルチン」そのクリスマスの朗読でのであいの後に生まれたもうすぐ2歳になる下の息子にもお気に入りで、マーチン!マーチン!といってママに何度も何度も繰り返し繰り返し読んでもらっています。

 

「種を蒔く」の「法隆寺」・・・その時の思い出もあり、朗読を聴かせて頂きました。

個人的なことですが、じつはわたしは今、自己免疫疾患で入院しています。痛みなどでなかなか、消灯後も寝付けない病床の上に横たわりながら聴かせて頂きました。法隆寺の模型がバラバラになる場面、主人公が決心し勉強し大学に進学し、やがておおきなプロジェクトにかかわる場面、母とのやり取り、幼いこどもの手をひきながら、子を愛おしく感じる場面、そして父との再会、朗読の物語にひきこまれていき、主人公が父の車椅子を押しながら涙する場面まで一気に聴かせて頂きました。わたしはもともと本は好きなで、字だけの本の世界にいること自体が大好きなのですが、

ひとの口から発せられたら言葉のもつ響きが直接そして心地よくこころに伝わってきました。

本当にありがとうございます。

 

わたしは朗読を聴いたあと、暗い天井を見上げながらしばらく数年前に他界した頑固な父のことを思い出していました。

 

父は戦後すぐに四国の香川から家出のように奈良にでてきて大工の見習いになりわたしが物心ついたくらいには大阪で小さな工場をいとなんでいました。両親はわたしを筆頭に二人の妹たちを何不自由なく育ててくれました。その父が晩年にいちばん自慢していたことは、奈良市内にある小さなお寺の小さなお堂を建て替え際に若い頃に自分が棟梁としてそのお堂を建てたことでした。もう足の弱ってしまった父を車で一度、その寺へ連れていったことがあります。ときに気難しいところもある父が事のほか喜んでくれ、冗談も交えながら、当時のこと、父が今の私よりずっと若かった頃のいろいろな話してくれました。その時の西日に照らされた父の表情はいまも忘れる事ができません。父は奈良へ家出してでてきていちばん良かったことはこうやって縁あってお寺のお堂を建てさせてもらったことやと繰り返しいっていました。だから、わたしには余計に、「法隆寺」の朗読が心に沁みてくるように感じたのだとおもいます。本当にありがとうございました。朗読、感謝申し上げます。

 

 

また原作をかかれた本田美和様、本当にありがとうございました。亡き父のことをいろいろと思い出しました。心から感謝申し上げます。ありがとうございました。

 




#347 2022716

 

oioi りょーじからあなたへ

 

奈良市立若草中学校でのオンライン講演会を終えて

 

みなさん、こんにちは!

一般社団法人手話エンターテイメント発信団oioiの中川(りょーじ)です。

7/7()は東口先生にお声かけいただき、奈良市立若草中学校へ、りゅうじと2名で伺いました。当日は私たち自身のoioiや手話との出会いとその後の変化をお話しし、手話パフォーマンス(やってみよう/WANIMA)を生徒のみなさんと一緒に行いました。

今回は現地に赴き、一つの部屋と各教室をオンラインでつなぐという、私たちも経験したことのない形式での実施となりました。生徒のみなさんの反応が見えるのか、反応してもらえるのか等々、不安もありましたが、冒頭から手だけではなく全身で返してくれる生徒さんが居て、一瞬で私の不安が消え去ったことが印象的です()

生徒のみなさんからは、私たちの話を真剣に聞いて受け止めようとする姿勢、手話を楽しんでくれる姿が画面越しにも見ることができました。私たちが伺うことで「手話」や「聴覚障害」をポジティブなものとして受け取ってもらえたように感じて嬉しくなりました。

実際に教室で生徒たちと同じ空間で見ていた小西先生とのお話の中でも、生徒のみなさんが「耳を傾けていた」という様子をお聞きして、伝わったのかなと安心するとともに自分の中に一つの達成感を感じました。

 

ここからは、当日もお話した私自身の変化と、この訪問を迎えるまでのお話をします。

 

私は生まれたときから耳がきこえず、ずっときこえない自分自身を否定して生きてきました。中学生のころになると特にそれが顕著に出てしまい、常に周りと壁を創り、性格も暗く、なかなか前向きになれない学生時代を過ごしていました。そんな私が大学1回生の時にoioiと出会い、手話を始めました。そこから約12年間の時を経て、自分で言うのもなんですが、性格も明るくなり、自信をもっていろんな物事を前向きに進められるようになったんです。

そのきっかけとなったのは、お客様の声でした。今でも鮮明に覚えている光景があります。とある公園でのストリートライブが私のデビューの場でした。ドキドキしながらも初めて人前に立って、手話パフォーマンスを終えた時。偶然にも通りがかりで見てくれていた、一人のおばあさんが私に近づいてきて、声をかけてくれました。

 

「さっきのパフォーマンスよかったで~!がんばりや~!」

 

私はこの一言に大きな衝撃を受けました。

初めて誰かに存在を認められた。そう思いました。

嬉しさとはちょっと違う、なんとも言えない感情になったことを覚えています。

このことをきっかけに私はもっとお客さんに声をかけてもらいたい、反応がもらいたいという思いが強くなり、手話パフォーマンスにのめりこんでいくことになります。その後も繰り返しいただくお客さんの声や反応が、私自身の心の糧になり、自信になり、この活動を続ける原動力になっていきました。

 

そんな折、今年4月上旬に私、妻、娘(1歳半)の一家全員コロナ感染をしてしまいました。妻と娘はすぐに回復したのですが、私だけが後遺症により6月下旬になっても起き上がることもままならず、もどかしい時間が続いていました。今回も収録映像をお送りしての参加も視野に入れながら直前まで様子を見ていましたが、この日に合わせたかのように少しずつ体調も回復し、現地までお伺いすることができました。

約3か月間、いつ治るかもわからない不安定な状況に置かれ、一時期は自身の人生を見失い、心が折れそうになりかけた時もありました。それでも、私がお休みしている間も活動を前に進めてくれる仲間の存在や、そばで支えてくれる家族の存在が私の心をつなぎとめてくれていました。

 

そのような背景もあり、私にとって今回の若草中学校訪問は、今の私自身の人生における原点に立ち返る機会ともなりました。画面越しに伝わる生徒のみなさんの反応を見て、小西先生から伝わってきた生徒のみなさんの様子をお聞きして、少し大げさですが自分自身の人生が取り戻せたように感じました。私だからこそ伝えられることや届けられるものを、一人でも多くの人に渡していく。そのためにこの人生を使いたい。改めてその決意を強くすることができました。

 

最後に、この度の機会は代々の校長先生・教頭先生が変わるたびに私たちのことをお伝えいただいていた東口先生の存在があったからこそ、実現できたものでした。本当にありがとうございます。

機会と場をご提供いただいた的場校長先生をはじめ、若草中学校のみなさんも本当にありがとうございます。

また私が不在の時も活動を頑張ってくれた仲間、いつも励まし支えてくれた家族にも改めてお礼を伝えたいです。ほんまにありがとうございます。

 

 

 




#346 202279

 

 

東口千津子からあなたへ/From HIGASHIGUCHI Chizuko to you

 

78日、安倍元首相が銃で撃たれ、亡くなられました。深く哀悼の意を表します。選挙の期間中、一人ひとりの声を聴き合う民主主義のプロセスで起こったできごとでした。人が人の命を奪うことのない社会を・・・と強く願い、祈ります。国内外の友人たちからの連絡が昨日から続きます。「Thinking of you all」「This is a big shock and terrible it happened in beautiful Nara.」「Watching the news on BBC, Im sorry to hear that happening in your country.」「Japan is not known for gun violence and its such a pity that this happened.」「暴力で命を奪うことに憤りを感じます。」「平和な奈良でこのようなことが起きて悲しいです。」「銃を撃った人の抱えているしんどさはどんなことだったのでしょうか?」など、一人ひとりの声を聴き、自分自身の感じることを見つめ、今日も前に進んでいこうと思います。

 

地域社会で人が孤立しないように緩やかに繋がり合うこと、苦しいことや辛いことがある時には聴き合えること、必要な時には助け合えること、関心のあることを一緒に楽しむこと、そのようなあり方が個人・団体・社会の健康度を高めていくことに繋がると実感します。

 

#343にメッセージを届けてくれたOliviaと子どもたちは、76日、アメリカに向けて出発しました。子どもたちはアメリカで教育を受けることになりましたが、blue earth green treesの「種を蒔く」に、「絵やメッセージを送ります。ありがとう!」と元気に出発しました。Oliviaは「ありがとう」と何度も気持ちを伝えてくれました。「種を蒔く人のお話を聴く会」「SDGs勉強会」「ROUDOKUプロジェクト~多様性を聴き合う&感じる」「難民の皆さんと共に進むプロジェクト」「子育てカフェ」「手作り布ナプキンプロジェクト」「手作り布マスクプロジェクト」など、多様なプロジェクトに家族で参加してくれました。各プロジェクト時に参加者の皆さんと共にLove, Peace, Freedom & Diversityの種をたくさん蒔いてくれ、場をより豊かにしてくれました。これからもフィリピン・アメリカ・日本の文化を融合させながら、元気に人生を楽しんでいかれることを祈っています。We can go on learning things together and sharing our feelings and experiences in California and Nara.  Please keep in touch and have fulfilling days.

 

77日は、手話エンターテイメント発信団oioi(オイオイ)と奈良市立若草中学校をお繋ぎすることができました。りょーじさんは、「手話パフォーマンスに出会う前(中学生の時の自分)」「手話パフォーマンスに出会った後(大学生から今まで)」「中学生の皆さんに伝えたいこと(人と「違う」ことを恐れなくていい)」についてお話をして下さいました。りゅうじさんは、「oioiとの出会いとこれから」「『きこえない』りょーじと『きこえる』りゅうじの相方としての関係」などについてお話をして下さいました。そして、WANIMAの「やってみよう」を手話で練習をし、みんなで手話パフォーマンスにチャレンジしました。今回はコロナ対策として、若草中学校会議室からオンラインで全教室に配信する形で行いましたが、環境を整えて下さった先生のおかげで、画面から生徒の皆さんが手話パフォーマンスを楽しみ、それぞれに何かを感じていることがしっかり伝わってきました。

 

的場校長先生がいつも生徒の皆さんに伝えておられる「さまざまな困難を乗り越えるための自信と誇りをもち、未来を切り拓いていこう」というメッセージを体現されているような、りょーじさんとりゅうじさんのお話と手話パフォーマンスでした。校長室での振り返り時に、嬉しい再会もありました。息子が中学1年・3年時に担任としてお世話になった小西先生が会いに来てくださり(今春から若草中学校に戻っておられ)、この日の手話パフォーマンスの時間をご一緒に経験できたこと、懐かしい思い出の日々を感謝と共に振り返れたことも嬉しく思いました。

 

若草中学校の保健室前で出会った生徒さんは「こんにちは!の手話を覚えてきました」と声をかけてくれ、手話で表現してくれました。帰り道、クラブ活動でランニングをしながら「楽しかったです!」と「楽しい」手話を表現してくれた生徒さんたちもいました。会議室から教室へのオンライン配信でしたが、やはり「直接の出会い」の瞬間に通い合う気持ちは特別だと感じます。次は「直接の出会い」の瞬間を、中学生の皆さんと先生方、oioiの皆さんにたくさん感じていただけるといいなと思っています。

 

私がoioiの初代メンバーに出会ったのは2004年でしたが、その後、現代表の岡﨑さん(blue earth green treesの理事のおひとり)との出会いがあり、りょーじさんと出会い、りゅうじさんと出会いました。一人ひとりが素敵に成長し続けておられて、手話パフォーマンスと共にお話をお聴きすることも、毎回とても楽しみです。学校や職場で手話エンターテイメント発信団の手話パフォーマンスやお話を希望される方は、直接oioiHPからご連絡ください。どのようなテーマでお話いただくのが良いのか、学校や職場の課題とどのようにリンクさせれば良いのかなど、事前にご相談がある場合は、blue earth green treesにご連絡いただき、一緒に企画を考えさせていただくことも可能です。oioiの皆さんと共に手話パフォーマンス・お話・研修などのひとときをご一緒し、より楽しく豊かな関係性を育て、Love, Peace, Freedom & Diversityの種を蒔いていきましょう。

 

プロフィール:一般社団法人blue earth green trees代表理事

種を蒔く/Seedfolks: #326,  321, 312, 307, 287, 271, 261, 244, 174, 158, 145, 125, 118, 79, 56, 42, 1

 

 

 




#345 202279

 

天沼耕平からあなたへ

 

いつも大変お世話になっております。

国連UNHCR協会の天沼耕平です。

かなり暑い日々が続いておりますが、いかがお過ごしでしょうか。

 

この度、直近約2か月の距離が「12115.033km」、第1回から合わせた距離は「114773.22km」というご報告をいただきました。

皆様の共感と支援の輪を広げる一歩一歩のご協力と連帯に改めて深く感謝申し上げます。

 

さて、世界中で気候変動の問題が訴えられて久しいですが、「気候変動と強制移動」の課題も予断を許さない状況でございます。

UNHCRはこの問題に取り組み、持続可能性の高い支援活動を展開しております。

ぜひ以下のリンクもご覧ください。

https://www.japanforunhcr.org/appeal/climate

 

また、世界難民の日を経て、以下の衝撃的な動画も公開されました。

ぜひ一度ご覧いただければ幸いです。

 

【字幕付き】リスト:彼らが手にしていたもの(原題:What They Took With Them: a List

 

英国ロイヤルアカデミーの脚本家であり詩人であるジェニファー・トクスヴィグによる「難民が避難の際に持ち出したものリスト」を基にした詩の日本語版朗読フィルムです。日本の第一線で活躍する監督・キャスト・制作陣がプロボノで参加してくださいました。9分ほどのショートフィルムです。

 

https://www.youtube.com/watch?v=aY16LULeT4U&t

 

【日本語字幕版】グローバル・トレンズ 2021

 

UNHCRの年間統計報告書「グローバル・トレンズ・レポート 2021」からの報告です。

 

https://www.youtube.com/watch?v=S7O-OYU9zBA

 

混沌とした世界情勢は続いておりますが、こんな時だからこそ、皆様方一人ひとりの力は本当に大きな意味を持ちます。

 

皆様のますますのご発展とご健康をお祈り申し上げますとともに、今後とも何卒よろしくお願い致します。

 

プロフィール:国連UNHCR協会職員

種を蒔く:#333,322, 308, 293, 269, 258, 245, 238, 217, 203, 192, 183, 172, 162, 146, 141, 127

 

 




#344 202279

 

岡本幹子からあなたへ

 

「発酵と腐敗」

 

 私が春から通っている自宅近くのヨガ教室は、「多様性を認め合う」「つながりを発信する」「純粋なエネルギーの循環」の3つを大切にして様々な取組をしています。blue earth green treesの考えに寄り添うものがあり、落ちつく空間です。そこで人を信頼し、心を委ねながら自分なりに動く時間はとても心地よく、ずっと続けていきたいなあと思っています。

 

 先日、先生から「発酵と腐敗」についてのお話がありました。

 

 乳酸菌、麹菌、酵母などの微生物は、自らの生命活動の中でエネルギーを得るために、炭水化物やタンパク質などの有機化合物を分解して、様々な副産物を作り出します。その中で人間にとって有益な物質が作られることを「発酵」といいます。

 

 例えば、牛乳に乳酸菌を加えて、適度な温度をを保ち一定の時間をおくと、乳糖が分解されて乳酸がつくられ、さわやかな酸味のあるヨーグルトができます。また酸性になることで、腐敗菌の増殖を防ぎ、腸内環境を整えるといわれています。

 

 一方、牛乳を常温で放置しておくと、腐敗菌が増殖し、不快な臭いや味に変化してしまいます。これを「腐敗」といい、食中毒の原因にもなります。

 

 発酵させるには、原材料に有益な微生物を加え、温度や時間の管理を行い、呼吸できる環境を整えることが大切です。もちろん使用する器具は清潔に保ちます。そして常に様子を観察するという人の愛情が必要なのです。このようにしてできる酒、みそ、納豆、豆腐、パン、チーズなどの発酵食品は、私たちの食卓を賑わせ、健康を保つために活躍しています。

 

 私たちの生活も、より豊かに心地よいものであるためには、人と人がつながり、互いの愛情や信頼を感じられることが大事とあらためて思います。

 

 戦争、テロ、争いごとは無益です。街を破壊し、大切な命、夢のある生活を一瞬にして奪う権利は誰にもない。平和な日々を願います。

 

プロフィール:元養護教諭、現在特別支援教育サポーター

種を蒔く:#313

 

 




#343 202279

 

From Olivia YAMAMOTO to you

 

It’s hard to say ‘Good bye’.   Till we meet again.  Thank you very much.  I enjoyed learning with all of you.

 

I’m sure my children learned a lot of beautiful things.  Thus my fervent wish and dream that someday my children will be like you, a productive member of sociery.  Thinking for the common good and extending help to those who are in need.

 

We can’t help a lot of people, but if we can change lives or improve people’s lives, I think that’s the nobliest things we can do.   So lucky we’ve been part of ‘blue earth grren trees’ with you.  So much love, kindness and generosity we’ve experienced.  We will keep in touch while we are in the United States.

 

 

種を蒔く:#335, 329, 324, 286, 281, 221, 167

 

 




#342 202272

 

岩崎裕保からあなたへ

 

第10回SDGs勉強会「国際協力/援助について考えてみようⅠ」

 

「お互いさま」「助け合っていこう」という姿勢や行動が国境を越えたときに「国際協力」になるのでしょう。

今回は、『「援助」する前に考えよう』(開発教育協会、2006年)の第1部・ワーク1「一枚の看板」をやってみました。

この本には「参加型開発とPLAがわかる本」という副題がついています。そのうえ、表紙には「国際協力の募金に寄付したいあなた・海外でボランティアしたいあなた」とも書かれています。「援助」「国際協力」「募金」「ボランティア」と、タイトルだけでも“混乱”と“はてなマーク”が付きまくりです――なかなか「答え」が見つけにくい領域なのだということが推測できます。

 

たまたま訪れたタイの山村でアイ子は学校に寄付をします。そのことの是非を考えるというのが、ワークの目的です。

 

(当日は3人一組でワークを進めました。)タイのチェンマイに旅行に来たあなたは、自然と伝統文化を体験する2泊3日のトレッキングに参加しました。チェンマイからバスで2時間、その後は象にゆられて1時間、さらに山道を3時間歩き、ようやくバーン村に着きました。ここは山岳少数民族の村で、電気も来ていません。犬、豚、鶏が放し飼いになっています。家の軒先では女性が布を編んでいます。小さな学校もあります。今夜は村はずれの木と竹で編んだ簡素な宿舎に泊まります。村の人たちが作ってくれた夕食を食べている時に、メンバーの一人が「さっき通り過ぎた学校の横に看板があって、日本語と英語で『この村の学校はお金がなくて困っています。あなたの寄付があれば、もっと子どもたちに教材や道具を買ってあげられます。どうかあなたの10ドルをこの学校のために寄付してください。アイコ・ナカムラ』と書いてあったんだけど、日本人じゃないかしら…」と言いました。あなたたちのグループはこの看板の内容に興味を持ちました。

 

Q1 あなたはバーン村の小学校に10ドルを寄付しますか。グループとして寄付する金額を合計してください

 

Q2 あなたはアイ子の活動について賛成ですか反対ですか。それはどのような理由でしょうか。(「賛成」「やや賛成」「やや反対」「反対」の4段階)

この段階で「バーン村について」「バーン小学校について」「アイ子について」の情報を書いたシートが配布されます。

 

「バーン村」

 ・人口352人、42家族

 ・一部の人がタイ語を話し、子どももある程度タイ語を理解するが、基本的に少数山岳民族の言葉で暮らしている。

 ・焼畑をして、陸稲と野菜を作り、余った野菜や家畜を30キロ離れた市場まで売りに行くことで現金収入を得ている。村にはトラックが2台、バイクが5台ある。道は舗装されていないので雨季には通行できないこともある。トレッキング客の宿泊料も貴重な現金収入である――12食で150バーツ(2022年6月現在で550600円だが、2005年頃では450円であった。この後で出る円の数字は2005年当時の換算)。

 ・若者の中にはチェンマイに出稼ぎに行く者もいるが、なかなか仕事は見つからない。山岳民族は、県を越えた通行には制限がある。(国籍を取れば通行は自由になるが、その数は村人の約半数)

 ・簡易水道がある。煮炊きには薪を使う。

 ・タイ政府から年間8万バーツ(約24万円)の予算が下りてくる。これには学校の費用も含まれている。村落開発委員を中心に議論をして使い道を決めている。

 ・政府には道の舗装と電気の供給を要望している。

 ・宗教は伝統的な自然崇拝。寺はあるが住職はいない。行事の時だけお坊さんがふもとの町からくる。

 ・病院はなく、医師もいない。診療所は30キロ離れたふもとの町。ただ薬草の詳しい知識を持つ村人がいて、簡単な薬を作ることができる。

 

「バーン小学校」

 ・6学年で生徒は47人。皆この村の子ども。

 ・先生は3人で、そのうち一人はタイ人。二人は村のボランティア。タイ人の先生は着任2年目の若い女性で、全教科、全学年を担当。村の教師は芸術やスポーツや村の知識や伝統を教えている。

 ・教科書はタイ政府が指定したもの。タイ人の教師の給料は政府から出ている。

 ・タイ語の授業がある。

 ・中学・高校に進学をするものは30キロ離れた町で下宿をする。現在3人が下宿をして中学校に通っている。

 ・教材や教具は常に不足している。使える予算は年間5000バーツ(約15000円)。

 

「アイ子」

 ・3年前の夏にこの村にやってきた。学生であった。

 ・その時ホームステイした家の子どもの学校に行って、施設や用具の貧弱さに驚いた。

 ・その半年後に村を再訪したのは、村の女の人の衣装の美しさと子どもたちの笑顔が見たかったからであった。

 ・その時に、大学の学園祭でバザーをしたり寄付を募って集めたお金20万円を村に寄付した。

 ・そのお金で、サッカーボールやバレーのネットや地図を学校のために買った。

 ・アイ子は、学校にお金が入るようにと、学校の横に看板を立てた。

 ・それを見た旅行者から月に1~2回程度寄付がある。

 ・アイ子はこれからも日本で募金をして持ってくる、と言っていた。

 

Q3 アイ子の活動がよりよいものになるためには、どうしたらよいでしょうか。アドバイスを考えてください。

 

さて、これを読んでくださったみなさんのQ1~3への答えや反応はいかがなものでしょうか。Q1と2では、賛成・反対、さまざまな意見があることでしょう。それが問題点を明らかにしてくれます。

では、問題点とはどのようなことでしょう。一つは「スポイル」ということです。金銭的援助の結果、人びとの依存心が高まり自立を阻害する可能性があります。もう一つは「ジェラシー」です。援助金が村の一部の人に利益を及ぼした結果、他の村人の妬みを買う場合があります。あるいは村単位で、近隣の村に嫉妬を引き起こすこともあり得ます。

問題なのは、このワークの参加者がいくらのお金を寄付するかではなく、看板を立てた人物が「アイ子」という日本人であり、かつてこの村に20万円を寄付したということです。10ドルではなく、20万円という額は、たとえそれが善意であったとしても、村の予算に匹敵

するような金額となれば、いろいろな影響が出てくると考えられます。

Q3は、1・2で指摘された問題点を改善する方策を議論することになります。「村の教育にとって必要なものは?」「寄付金の使われ方は?」「教育以外に必要なものは?」「なぜ、バーン村を支援する?」「そもそも支援は必要?」などなどさまざまな意見があるでしょうし、学校に備品をおくるという明快で簡単な活動であっても、継続的で実効あるものにするためには、いろいろ考えなければならないことがあるでしょう。さもないと、成果が上がらないばかりか、村に迷惑をかけることにもなりかねません。

 

このワークを通じて、村の基本的な情報が十分でないこと、村人がどのような意見を持ち、ほんとうに支援してほしいと思っているのかということに、6月18日の「勉強会」に参加してくださった方々は気づかれました。

そこで、次回8月の「勉強会」では、アイ子たちはバーン村を再調査するために再度村を訪れることになります。

 

 

 

 

 

プロフィール:blue earth green trees SDGs勉強会プロジェクトリーダー。同志社大学法学部政治学科卒業、同大学院アメリカ研究科修了。ニュージーランドが関心の地域。私立中高で英語を教え、その後大学に移って「平和研究」「国際協力論」「NGO/NPO論」などを担当。2008年から6年間開発教育協会(DEAR)代表理事。今はDEAR顧問と関西NGO協議会(KNC)監事。

種を蒔く:#319,310,303,292, 266, 259, 254, 237, 224, 197, 175, 143, 124, 121, 98, 79, 73, 69, 67, 48

 

 




#341 202272

 

矢倉真由子からあなたへ

 

15回『子育てカフェ』のご報告

 

  15回「子育てカフェ」の参加者は4名でした。

ご参加いただき、ありがとうございました。

 

   親は日常起こるさまざまなことに対して自らの経験をもとに判断し、子どもたちに必要だと思うことを伝えることが多いと思います。子どもたちが家庭外で過ごす時間が増えると、親からのメッセージをどのように理解し行動していくかが見えにくくなります。

言語的なものだけではなく、非言語的なものも日々子どもたちは周囲から受け取っています。そう考えると、親も自分自身が心地良くいられる状態を意識しながら過ごせるとよいなと感じます。

心の余裕は、子どもたちを見つめる柔軟な眼差しにも繋がります。

  子育てカフェが、皆様に心の余裕を少しでも感じていただけるきっかけになりますようにと願っております。

 

次回の皆様のご参加をお待ちしております。

 

参加者の皆様からのドネーション5,000円はAMDA社会開発機構ミャンマー事業にご活用いただきます。

 

プロフィール:blue earth green trees子育てカフェ・プロジェクトリーダー

種を蒔く:325, 314, 290, 276, 246, 240, 229, 216, 208, 194, 114, 108, 94, 51, 3

 

 

【参加者の声】

◆今日の子育てカフェに参加して、嬉しいこと、悲しいこと、いろんなことを話せる人がいて、そんな場所があることが、大きな安心を与えてくれることなんだと改めて感じました。

 

Learn to trust more my children. Our children and I will remind myself to stop worrying. Try my best to observe without reminding them what to do. I keep on reminding my children it's okay to make mistakes. But at the back of my head I don't want them to make mistakes.

Growing up experienced many hardships. That's why I don't want to experience the same things or hardships. That's why I make things easy for them.

But in reality it's not good also to be over protective.

Learn to love more giving more space and freedom.

Reminding myself to become a kind, loving mom for them. My prayer for my children everyday that they will finish university successfully and they will have a heart for the needy especially in the Philippines.

 

 




#340 202272

 

 

木村直子から あなたへ

 

               「みんなで取り組む『難民と進む20億キロメートル』プロジェクト」によせて

 

 

 

 

7月の詩 ~高丸もと子詩集「はじまりの音」より~

 

―洗濯日和―

 

いやと思うのも

くやしいと思うのも

みんな わたしの中の出来事

体の中にも

風が吹いているから

 

青空を吸った

風は

いつも

洗いたてのわたしになっていくはず

 


だから

こんな晴れた日には

ついでに

なにもかも

みんな

青空に

ほおりこんでいいのです

 

 

 

種を蒔く:#332,315,302,294, 289, 285, 274, 256, 248, 243, 234, 226, 215, 210, 202, 191, 182, 178, 169, 155, 133, 114, 101

 

 





#339 202272

 

ルミカからあなたへ

 

14  みんなの合計距離のご報告

 

「みんなで取り組む『難民の皆さんと進む20億キロメートル』プロジェクト 14回みんなの合計距離」

 

梅雨が明け、今年も暑い夏がやってきました。

夏といえば暑いという印象が強く残りますが、暑い中でも晴れわたる綺麗な青空や、夜に鳴く虫の音など、夏しか感じる事のできない四季があり、今年もいろんな夏を感じることができたらと思っています。

 

暑さに気を付けながら、今年も皆さんそれぞれの素敵な夏の思い出をつくりましょう。

 

5月・6月のご報告をいただいた皆さん、ありがとうございました。68日に5月・6月のドネーション10,000円を国連UNHCR協会様にお送り致しました。難民の皆さんにお役立ていただきます。ご協力に感謝致します。

 

71日現在、個人参加50人、団体参加2095人、合計145人で、難民の皆さんに思いを寄せて「歩いた」「走った」「自転車に乗った」「泳いだ」皆さんの2ヶ月の合計距離は「12115.033km」でした。第1回からの総距離は「114773.22km」になりました。

 

 

1926012.794km

21136823.639km

31276949.398km

41377944.04km

51377795.52km

61416761.186km

71416532.551km

81447713.115km

91457883.713km

101457726.116km

111456364.227km

1214512134.052km

1314512007.841km

1414512115.033km

 

★第1回〜第14

114773.220km

 

次回報告日は91日です。

7月・8月の合計距離をご報告下さい。

 

睡眠や休養を十分にとり、こまめに水分補給を行い、

体温調節のしやすい服を着て、夏を乗りきっていきましょう。

 

プロフィール:スポーツトレーナー、blue earth green treesみんなで取り組む『難民の皆さんと進む20億キロメートル』プロジェクトリーダー 

種を蒔く:#316,288, 264, 255, 242, 233,  225,  214, 201, 190, 181, 168, 154, 140, 126




#338 2022625

 

内山順子からあなたへ

 

初めまして、私はフィリピン・セブ島で貧困層の子どもたちに教育支援を行うNPO法人DAREDEMO HEROの理事長兼、現地法人DAREDEMO HERO INC.の代表を務めさせていただいております、内山順子と申します。

 

セブ島と聞くと、皆さん「リゾート地」としてのイメージが強いかもしれません。しかし、ここセブ島には、その日食べるご飯すらなく、ゴミから食べ物を漁って生活する子どもたち、勉強がしたくても、学校に行くことができずに家族のために働かなければいけない子どもたちがたくさんいます。

DAREDEMO HEROでは、そんな子どもたちに教育の機会を提供し、将来自らの力で社会の問題を解決できるリーダーとなれるように支援しています。さらに、子どもたちの健全な育成を支える保護者への啓もう活動にも力を入れています。

 

その一環として、現在「フィリピンにおける女性の権利と健康衛生の向上事業」を行っており、この事業の柱となる布ナプキン制作のために、blue earth green trees様に協力を依頼させていただきました。そしてこの度、念願のオンラインワークショップを開催していただく運びとなりました。

 

家族5人以上が月1万円以下で生活するセブの最貧困地区では、女性は生理用品を購入することができません。汚れた生理用品を長時間使ったり、不衛生な布をあてて対処するしかないため、貧困層の女性は、様々な感染症や疾患に悩まされています。布ナプキンが貧困層に受け入れられ、活用されるようになれば、これらの衛生問題が解決するだけではなく、今まで生理用品を購入するために使っていたお金を、子どもたちの食事や学用品のために使うことができます。さらに、将来的にはオムツへの改良なども行い、貧困層の女性の仕事として発展させることも検討しています。

 

貧困問題を根本的に解決するためには、一時的に金銭や物質的な支援を行っても意味がありません。貧困層が現状の中で、自分たちの力で生きる力を付け、そこから抜け出すための知識やスキルを付けることが大切です。布ナプキンが、その一助となると信じています。

 

この事業を通じて、同じ志を持った方々と出会うことができ、ともに時間を過ごすことができたことに心から感謝いたします。

 

フィリピンにおける女性の権利と健康衛生の向上事業:https://daredemohero.com/38854/

DAREDEMO HERO Instagramhttps://www.instagram.com/daredemohero/

DAREDEMO HERO Facebookhttps://www.facebook.com/DaredemoHero2013

 

 




#337 2022625

 

blue earth green trees事務局からあなたへ

 

いつもblue earth green treesの活動にご協力いただき、ありがとうございます。2021年度(20214月〜20223)の報告書を種を蒔くメッセージでお届けさせていただきます。

各プロジェクト報告等に追記すべきことがございましたら、お知らせいただけますようお願い致します。

 

引き続き、よろしくお願い致します。




#336 2022624

 

酒井靖からあなたへ

 

奈良の真夏の風物詩「わたぼうし音楽祭」は、1976年に日本のふるさとここ奈良で誕生しました。

障害のある人たちの書いた“心の詩”を歌いつづけて47年・・・

“わたぼうし”のやさしさの種は風に吹かれてどこまでも飛んでゆき、国内外で希望の花を咲かせています。

 

昨年一昨年は、新型コロナ感染拡大防止のため、オンラインで開催しました。

日頃“わたぼうし”を応援してくださる皆さんや入選された皆さんと、顔の見える交流がなされなかったことは残念でしたが、

新しい時代の新しい「わたぼうし音楽祭」をつくることができたと喜んでいます。

 

202287日、「わたぼうし音楽祭」が奈良県文化会館国際ホールのステージに帰ってきます。

夢と希望に満ちた明日に向かって、ともに思いを馳せましょう。

3年振りに皆さんの笑顔に会えることを楽しみにしています。

 

私たちは、障害のある人たちの歌の力で、分断されつつあった人と人、人と社会のつながりを取り戻します。

 

 




#335 2022618

 

From Olivia YAMAMOTO

 

Doing act of kindness to everyone we need will give peace, tranquility and complete happiness to the world.

 

In life we experience joy, sorrow and redemption.  But most of the time we dwell so much on our sufferings or sorrows.  But let us learn from the wise elders. Whatever life brings us will be temporary. Our wealth, fame, beauty will fade away. But the beautiful soul and remarkable invisible legacy will be there when we depart from our life here on earth.

 

 




#334 2022617

 

田村太郎からあなたへ

 

世の中がますます、不自由で不寛容な方向に進んでいるように感じます。

 

理想と現実とのギャップを自分の中で受け止めきれなくなってきて、今年に入ってから私はむさぼるように本を読んでいます。「本に書いてあることはすべて過去のこと、いま起きていることは自分の目と足で確かめるべし」という高校時代の恩師の言葉を胸に、私はこれまで本を読むことには積極的ではなかったのですが、この半年は私の理想とする社会と現実との間がどんどん拡がっていく喪失感を、本を読むことで埋めています。なかでも「寛容」をテーマとした古典や文学、そして「遁世僧」が自由に行き来した日本の中世史に関する研究から、私はいま多くのヒントを得ています。

 

自由で寛容な社会はどうすれば実現するのだろうか。

 

私が悶絶しているこの問いは新しいものでも何でもなく、神話の時代から人類が向き合ってきたのだということを、本を読むことを通じていまさらながら改めて痛感しています。私たち人類は元来自由であり、自分の意志で行きたいところに行き、会いたい人と会い、自分で選んだ方法で時間を過ごしてきました。農業革命で「支配する者」と「支配される者」の関係が世界を覆ったものの、中世にはいったん自由で寛容な方向へと世界は舵を切ります。工業革命でふたたび支配と被支配の関係が復活し、いま、また自由で寛容な方向へ戻ろうとする混乱の渦中に私たちは立っている。過去に書かれた膨大な数の本の大海のほんの一部を舐めただけですが、自由と不自由、寛容と不寛容の間で大きく行き来する世の中の大きな流れをつかむことができた気がしています。そしてそのことの奥深さと塩辛さに、打ちのめされています。

 

「とにかく、ぼくたち、自分の畑を耕さなきゃ」

 

これは18世紀の啓蒙思想家ヴォルテールの小説「カンディード」の最後の台詞です。(ヴォルテール著・斉藤悦則訳『カンディード』光文社古典新訳文庫、2021年・第2刷)主人公・カンディードは愛する姫との関係を理由に故郷を追い出され、数々の災厄に遭いながら世界を放浪するのですが、最後に姫と、「最善説」を信奉する家庭教師、婆やとともに海の見える丘の上で平和な暮らしを手に入れます。丘の上からは、海を行き交う船に乗せられた、理不尽な罪状で拷問され流刑にされる人々が見えます。彼らはそうした人々を見ながら自分たちの人生をふりかえり、「死ぬほど理不尽な目に遭わされる人生と、死ぬほど退屈な毎日を過ごす人生のどちらがマシか」という議論を繰り広げます。が、議論をしていても何も変わらないということ、そしてとにかく目の前の仕事をすることの大切さに気づきます。

 

自由の種を蒔き、寛容の芽を育て続けたい。

 

ベルリンの壁が壊れたことに刺激を受けて世界を放浪して以来、私は社会の課題を解決するための種を蒔き続けてきました。災害や差別、病気に苦しむ人々を前に自分にできることを考え、実行してきました。しかし自分でも受け止めきれない現実が相次いで起こり、自らの未熟さ、力のなさを痛感したことから、この半年は少し立ち止まって自らの来し方をふりかえり、生き方を改めることにしました。本を読み人に尋ね、どうすれば自由で寛容な社会を実現できるのかを問い続けました。多くの発見があり、これからも勉強は続けたいと思う一方で、やはり何か具体的な行動を起こすことの大切さも再認識させられました。

 

ヴォルテールは代表作『寛容論』で次のように述べています。

〜〜

お前たちは力弱きものなのだから、お互いに助け合わねばならぬ。お前たちは無知なのだから、お互いの知識を持ち寄り、お互いに許し合わねばならぬ。お前たちのことごとくがそろって同じ見解を持つことは、とうていありえぬが、もしそんな場合にたった一人の者が見解を異にしたとしても、お前たちはこの者を大目に見なければならない。なぜなら、この者にそのように考えさせているのは、他ならぬこの私なのである。(ヴォルテール著・中川信訳『寛容論』中公文庫、2016年・第5刷)

〜〜

自由で寛容な社会をめざす私たちがいま反省すべきことがあるとすれば、それは自由で寛容な社会を受け入れられない人々のことを放置してしまったことだと思うのです。

 

618日、「種を蒔く人のお話を聴く会」という場でお話しすることとなりました。これまで自分が蒔いてきた種をふりかえる機会をいただき、反省することもたくさんありました。そして自分が大切にして来たものは何かに気づくことができました。それはやはり、「自由で寛容な社会をつくること」でした。いまはまだ不自由で不寛容な考え方が多勢を占めていますが、いつの日か、本当に自由で寛容な社会が必ずやってくると私は信じています。その日まで、あなたもあなたにできることを続けてください。

 

あきらめずに、自由の種を蒔き、寛容の芽を育てましょう。

 

 

プロフィール:田村太郎 兵庫県生まれ。阪神・淡路大震災で被災した外国人への支援を機に「多文化共生センター」を設立。2007年から「ダイバーシティ研究所」代表として活動するほか、社会起業家のコミュニティづくりや医療的ケア児支援などにも取り組む。復興庁・復興推進参与、明治大学大学院国際日本学研究科兼任講師なども兼務。共著に「阪神大震災と外国人」「自治体政策とユニバーサルデザイン」「つないでささえる」「夢の病院をつくろう」などがある。

 

 




#333 2022612

 

天沼耕平からあなたへ

 

いつも大変お世話になっております。

国連UNHCR協会の天沼耕平です。

皆様方による日々のあたたかい難民支援に深く感謝申し上げます。

 

さて、620日は世界難民の日(https://www.unhcr.org/jp/wrd2022)ですが、それに先立ってイベントがございますので、お忙しいなか恐縮ですが、ご参加ご検討いただき、ぜひご関係の皆様方にお知らせいただければ幸いです。

 

1.世界難民の日 特別配信 「UNHCR WILL2LIVE Music 2022」 オンライン開催決定

 

国連UNHCR協会は、国連の定める「世界難民の日」の前日である619日(日)に、世界難民の日 特別配信「UNHCR WILL2LIVE Music 2022」をオンラインにて開催いたします。

 

難民問題へ関心が高まっている今、このイベントが、皆さまとご一緒に世界の人道危機に視野を広げ、できることを考え、アクションへと繋げていく機会になればと願っております。

 

タイトル:世界難民の日 特別配信 「UNHCR WILL2LIVE Music 2022

https://unhcr.will2live.jp/news/06/10/w2lmusic20220619/

開催日時:2022619日(日)17:00より配信開始

視聴方法: 国連UNHCR協会 公式YouTubeチャンネル ※無料でご視聴いただけます。

出演者:MIYAVIUNHCR親善大使)、長野智子(国連UNHCR協会 報道ディレクター

ゲスト出演:後日発表

主催:特定非営利活動法人 国連UNHCR協会

協力:国連難民高等弁務官(UNHCR)駐日事務所

パートナー:独立行政法人 国際協力機構(JICA

 

2.Youth UNHCR 特別オンラインイベント開催

全国各地のユースをつなげ連帯したプラットフォームYouth UNHCRが、「『共に生きる』こと~世界難民の日を前に考える~」を開催します。

若い世代が企画し、共生社会を支える多様なアクターが登壇するこのオンラインイベントにぜひご参加ください。

このイベントでは、これから日本各地のユースと取り組む新たな動きも発表される予定です。一般・学生の方から、小・中・高校生まで大歓迎です。

開催日時:619日(日)14001540

Zoomウェビナーによる開催

主催:Youth UNHCR

協力:UNHCR駐日事務所・国連UNHCR協会

お申し込みはコチラ

チラシは以下よりダウンロードをお願い致します。

 

https://link.directcloud.jp/rovZbY5Krn

 

パス:UG9Z3QHH

 

また、UNHCR駐日事務所では、61320日までの1週間、身近な”青いもの”を投稿し、日本から難民支援の輪を広げるSNSキャンペーンを実施します。

ハッシュタグは #難民とともに

皆様の周りの”something blue"を、故郷を追われた人々への想いとともにSNSに投稿をお願い致します。

 

ウクライナをはじめとして多くの国や地域で厳しい現状は続いております。

一方で世界を変える輪は確実に広がっています。

 

皆様のますますのご発展とご健康をお祈り申し上げますとともに、今後とも何卒よろしくお願い致します。

 

プロフィール:国連UNHCR協会職員

種を蒔く:#322, 308, 293, 269, 258, 245, 238, 217, 203, 192, 183, 172, 162, 146, 141, 127

 

 




#332 2022611

 

木村直子からあなたへ 6月の詩

 

どくだみ  星野富弘

 

おまえを大切に

摘んでゆく人がいた

臭いといわれ

きらわれ者のおまえだったけど

道の隅で

歩く人の足許を見上げ

ひっそりと生きていた

いつかおまえを必要とする人が

現れるのを待っていたかのように

おまえの花

 

白い十字架に似ていた 

(ドクダミ茶作り)  留守にしている実家の庭にドクダミが群生している。  

友人が刈り取って送ってくれた。六月の陽と風を受けて、ドクダミが十薬となる。

 

種を蒔く:#315,302,294, 289, 285, 274, 256, 248, 243, 234, 226, 215, 210, 202, 191, 182, 178, 169, 155, 133, 114, 101

 




#331 2022611

 

山本Karenからあなたへ

 

今日は文化会館に行きました。東口先生のROUDOKUプロジェクトです。わたしとお母さんとお兄ちゃんをふくめて、8人の参加でした。わたしは「世界がもし100人の村だったら」の本の一部分を読みました。お母さんは聖書を読みました。他の人の話を聞いてみて、特に良かったのは、台湾の言葉で読んだ人です。わたしが読んだのを聞いて、皆さんが「かれんの英語の読みに心を動かされました。すばらしかったです。」「かれんのやさしさが伝わってきました。」「この本の中で、とても心にひびく大切な部分をかれんが英語で読んでくれたことで、『自分も人も愛する』というメッセージが、より心にひびきました。」という感想を言ってくれて、うれしかったです。またいろんな本を聞いてみたいです。

 

 




#330 202265

 

Mからあなたへ

 

ROUDOKUプロジェクト〜多様性を聴き合う&感じる」は、いつも作品選びに悩みますが、自分の本棚から今読みたい本を持っていきます。

 

それぞれが選ぶ本から、その人となりを感じたり、話し方、声のトーンから内容がダイレクトに伝わるのもROUDOKUの醍醐味なのかなぁと感じています。

 

また、過去の自分をリンクさせ、何かを思い出したり、新しい世界を感じたり、今だから感じる日本の文化の奥深さを楽しんだりしています。

 

一つの作品から一人ひとりの感じたことを聴き合えるのも楽しみになっています。声に出して読むこと、皆さんの話や感想を聴くことは癒しの時間となり、新鮮で有意義な時間を過ごしています。普段は交流のない方とも何か深いところで共有できる時間ももつことができ、視野が広がり、楽しい時間となっています。

 

 




#329 202265

 

山本Benedict & Karenからあなたへ

 

 




#328 202265

 

イーウェンからあなたへ

 

ROUDOKUプロジェクト〜多様性を聴き合う&感じる』は、お気に入りの作品をどんな言語で読んでもいいという気軽さで参加して、気が付けばもう45回になりました。

 

ROUDOKUを通して、プロの方々の作品と読み方は、想像を膨らませながら、居心地がよく、心豊かな時間になっています!

 

また素人の私たちは、それぞれの作品でそれぞれの個性を表現でき、毎回違う自分が発見できて、とても楽しく心が穏やかな時間になっています!

 

これからも自分の声を出しながら、新しい自分と出逢えたらいいなと思い、次回も楽しみにしています♪

 

 




#327 2022529

 

小原祥子からあなたへ

 

『第5回ひとときカフェ』のご報告

 

528()、緑の美しさが際立つ晴天のもと、第5回ひとときカフェが無事開催できました。

ご参加の皆さま、ありがとうございました。

 

◆参加者:5

◆ドネーション額:16,000

(5ROUDOKUプロジェクトのドネーションと合わせて)

AMDA社会開発機構様へ16,000円をお送り致します。ホンジュラス事業にご活用いただきます。ご協力、ありがとうございます。

 

ROUDOKUプロジェクトからの自然な流れのもと、ひとときカフェに参加しようと思われたきっかけやこの時間に望んでおられること、参加され感じられたことなど、皆さんの率直な思いも聴き合うことができ、お互いへの理解が一歩進んだような新鮮な喜びを感じました。

 

毎回新たな出会いと経験を共有しつつ継続して回を重ねていくことで、ひとときカフェ自体が、より安心して聴き合える場として育っていってくれるイメージを描けたこともまた、とてもうれしいことでした。

 

ご参加の皆さまに育てていただくひとときカフェ。緑豊かな奈良の大きな木陰のように、ここで共に過ごしていただくひとときを、皆様の日常に、気づきや元気や癒しなど温かな彩りとして持って帰っていただければ、こんなにうれしいことはありません。

 

ご参加の皆さま、今回も本当にありがとうございました。またご一緒できることを楽しみにしています。

次回、第6回ひとときカフェは722()15時〜の予定です。皆さまのご参加をお待ちしております。

 

プロフィール:blue earth green treesひとときカフェ・プロジェクトリーダー

 

◆参加者のお声

・皆さんと出会えて、本音で話ができてスッキリしました。本当に素晴らしい時間をありがとうございました。

・ひととき、ひとときを大切に過ごす。受け止める。

・話す、出す、アウトプットが大事だな。

・出会うメンバーが前回と同じであっても、その日その時に感じることは一人ひとり異なっており、その瞬間の出会いを大切に、まっすぐに声を聴き合えるといいなと思います。

 

 




#326 2022528

 

東口千津子からあなたへ/From HIGASHIGUCHI Chizuko to you 

 

 

 

コロナ前に近所のお花屋さんが「オーストラリアの木だから・・」と言ってくださったティーツリー/メラレウカの小さな木が育ち、今年も白い花をつけました。アボリジニの人々が薬として大切にしてこられた木、入院中・闘病中のあなたとご家族に届きますようにと祈っています。

 

2022523日、UNHCRは紛争や迫害で故郷を追われた人の数は1億人を超えたと伝えています。国連憲章を読み返しています。前文には「われら一生のうちに二度まで言語に絶する悲哀を人類に与えた戦争の惨害から将来の世代を救い、基本的人権と人間の尊厳及び価値と男女及び大小各国の同権とに関する信念をあらためて確認し、・・。寛容を実行し、且つ善良な隣人として互に平和に生活し、国際の平和及び安全を維持するためにわれらの力を合わせ・・。」とあります。また、第13条には「経済的、社会的、文化的、教育的及び保健的分野において国際協力を促進すること並びに人種、性、言語又は宗教による差別なくすべての者のために人権及び基本的自由を実現するように援助すること」が記されています。

UNHCR says on May 23rd, 2022 that more than 100 million people have been driven from their homes around the world as a result of conflict, persecution and so on.

Charter of the United Nations mentions that We the Peoples of the United Nations Determined to save succeeding generations from the source of war, which twice in our lifetime has brought untold sorrow to mankind and to reaffirm faith in fundamental human rights, in the dignity and worth of the human person, in the equal rights of men and women and of nations large and small, ….   …to practice tolerance and live together in peace with one another as good neighbors, and to unite our strength to maintain international peace and security, ….

Article 13 says that promoting international cooperation in the economic, social, cultural, educational and health fields, and assisting in the realization of human rights and fundamental freedoms for all without distinction as to race, sex, language, or religion.      

 

私たち一人ひとりの心に、世界に『Love, Peace, Freedom & Diversity』の文化と風土を育て続けていきましょう。

Let‘skeep raising the awareness of Love, Peace, Freedom and Diversity and that culture.

 

 

423日(土)「第12回種を蒔く人のお話を聴く会/Listening to Seedfolks」ではCommon Caféプロデューサーの山納洋さんをお迎えし、「第9SDGs勉強会」では岩崎さんから子どもの権利条約について学びました。「第9SDGs勉強会」については#319で岩崎さんがご報告してくださっています。どの国・どの文化においても子どもの権利はとても大切な基本的なことであり、「子どもの権利条約/Convention on the Rights of the Child」については家庭・学校・地域で子どもの時から体験的に学び、親や教職員になる前にすべての人が意識できる流れができると良いと思います。

 

「種を蒔く人のお話を聴く会/Listening to Seedfolks」では、山納さんから様々な場所でプロデューサーとしてチャレンジし続けられる日々についてお話を聴かせていただきました。日替わり店主制のCommon Caféは今春で18周年を迎えられ、Common Caféを育ててこられた山納さんと皆さんのあたたかい絆が感じられました。日替わり店主のネリキッチンさんは多様な日替わり店主さんたちからのメッセージも預かって下さり、会で共有して下さいました。山納さんは、日々日替わり店主さんたちのお話を丁寧に聴かれながら、それぞれの形を応援されていて、皆さんがお互いのあり方を楽しみ、相互に学び合っておられる風土が素敵だなと思いました。

 

「扇町TalkinAbout」「六甲山カフェ」「リュックサックマーケット」「扇町クリエイティブカレッジ」「イストワール」「WalkinAbout」「トムソーヤーのペンキ塗り」などの切り口からも『プロデューサーってどんな人?』『ビジョンを示し、巻き込んでいく力』『出会いと繋がりの場づくり』などについて大切な視点を聴かせていただきました。会社員としての生活を続けられながら様々な場所で種を蒔かれている山納さんのあり方は、多世代の個人がより柔軟な人生を考える時に勇気やヒントを下さっているようにも感じました。

 

今回もファシリテーターとして皆さんのお話をお聴きしながら、カメラのレンズを通してお一人おひとりの表情を見つめさせていただきました。お一人おひとりのさまざまな魅力が心に響く瞬間には、あらためて出会わせていただいているような新鮮な気持ちになります。

 

 

プロフィール:一般社団法人blue earth green trees代表理事

種を蒔く/Seedfolks#321,312, 307, 287, 271, 261, 244, 174, 158, 145, 125, 118, 79, 56, 42, 1

 

 




#325 2022528

 

矢倉真由子からあなたへ

 

14回『子育てカフェ』のご報告

 

14回「子育てカフェ」の参加者は4名でした。

ご参加いただき、ありがとうございました。

 

今回私は、皆様の感想を読ませていただき、感じることを書かせていただく形で参加させていただきました。

 

室内から出て外の空気に触れた瞬間、何とも言えない心地よさが身体全体に染みわたるのを感じ、しばらくそこに留まっていたいと思うことがあります。

 

肌で感じる自然からのエネルギーが、そのまま心にも届けられるように思います。

 

一方、感覚を閉じて静かに考える時間を持ちたいと感じることがあります。

外側に開かれた自分と、内側を見つめる自分がバランスよく繋がるよう工夫しながら過ごせたらよいなと思います。

 

次回の皆様のご参加を、心よりお待ちしております。

 

参加者の皆様からのドネーション5,000円はAMDA社会開発機構ミャンマー事業にご活用いただきます。

 

プロフィール: blue earth green trees子育てカフェ・プロジェクトリーダー

種を蒔く:#314,290, 276, 246, 240, 229, 216, 208, 194, 114, 108, 94, 51, 3

 

 

【参加者の声】

◆今回は猿沢池の側のカフェでの「子育てカフェ」で、自然の風を感じながら、とても楽しくお話できました。たまには家族で、たまにはひとりで、自然を感じたり歴史を感じたりしてリフレッシュすることも大切だなと思いました。そうしながら家族と日々を健康に過ごせるといいなと思います。

 

It's good to relax, unwind, laugh, cry and talk about anything under the sun over a cup of coffee with beautiful people.

 

 




#324 2022521

 

From Olivia YAMAMOTO to you

 

Always spread love and kindness even in the midst of darkness. Loving until it hurts.  People can change.

 

I believe everyone has goodness inside.  Growing up I always think of others.  But it’s better to love yourself first. So you can love other people in a unique way.

 

 Trying to see the beauty inside.  Words are so powerful and they can either make or break a person.  As much as possible try to appreciate the people we meet along the way.  Never stop doing good things especially those who are in need.

 

 Listening to a family member, a friend, a neighbor or even a stranger can be a big impact in our lives.  I was so privileged to attend the convention in the Philippines.  One of the speakers was Mother Theresa of Calcutta.  She told us, ‘Bring Christ to the others so that others may easily bring CHRIST.  Be kind to all the people, even others have unacceptable behaviors. And never stop doing good.’

 

Seedfolks:#286,281, 221, 167 




#323 2022514

 

田口淳子からあなたへ

 

美術館で、立ち止まって、ただ感じてみること。

 

 

絵本『ニジェール物語』の題字と装丁をしてくださった松井桂三氏の展覧会「化学反応実験」@宝塚市文化芸術センター4/145/14に行ってきました。

 

最初に目に飛び込んできたポスターは<惨劇への発令/1980年>。広島市出身の松井氏は「これは広島原爆資料館でたまたま目にした指令書で、絶対に残さなければという思いに突き動かされ、ポスターを制作した。核の投下候補地は広島、長崎、そして新潟、小倉。この薄っぺらな紙1枚で約515千人の命が奪われた」と書き添えられています。このポスターはニューヨーク近代美術館に永久保存されているそうです。

 

あんこうとアンモナイトが目を引くユーモアたっぷりのポスターは、チェルノブイリ原発問題を抱えるウクライナで開催された国際環境ポスタートリエンナーレでの受賞作品/1990年です。美しい海月のポスターには<No more Hiroshima/1995年>というタイトルがつけられていて、モスクワ国際グラフィックデザインビエンナーレでの受賞作品だそうです。

これらのポスターは、まさにその時代の証だったはずで、時を経て国境を越えて次の時代に何を問いかけているのでしょうか。

 

私のお気に入りは「The Earth was Blue」。2014年にパリで開催された展覧会への出品作品だそうです。松井氏の頭の中は、きっと時代を切り取る鋭いセンサーと、ものすごくチャーミングなハートが同居しているのではないかと勝手に感じています。

 

松井氏の言葉をここに。「昨日はすでに終わっている。明日は何を表現するか問い続ける今日である」。改めて、グラフィックデザインの力を感じることができた展覧会でした。

 

 

プロフィール:一般社団法人ニジェール物語製作委員会理事、日本語学科教師 

種を蒔く:#291, 236, 223, 130, 43

 

 




#322 2022514

 

天沼耕平からあなたへ

 

blue earth green trees〜みんなで取り組む『難民と進む20億キロメートル』プロジェクト」にご賛同いただいている皆様方

 

いつも大変お世話になっております。

時が経つのは早いもので、梅雨の気配が近づいてまいりましたが、いかがお過ごしでしょうか。

 

この度、直近約2か月の距離が「12007.841km」、第1回から合わせた距離は「102,658.189km」というご報告をいただきました。

皆様のかわらぬ大きな一歩一歩のご協力と連帯に改めて深く感謝申し上げます。

 

ご存じのように、現在ウクライナではすさまじい戦禍のなかで、多くの人々が国内外に避難している状況です。

5/9時点で590万人以上が国外に避難し、国内避難民も770万人以上、さらに1300万人以上が国内で避難できず人道的な助けを求めている状況です。

このような状況のなかで、UNHCRがウクライナ国内外で支援活動を展開できているのは、皆様方のご支援があるからに他なりません。

改めて皆様方のご支援に深く御礼申し上げます。

 

さて、現在世界では、ウクライナ以外の地域でも人道的な危機が続いております。

そのなかで、当協会は以下のようなオンラインランイベントを展開致します。

日々、難民と共に走っていただいている皆様には、ぜひご参加いただきたくご紹介させていただきます。

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日本からアフガニスタン避難民女性を支える

WOMEN+BEYOND 私たちから、世界を変えよう。

チャリティラン&ウォーク開催

514日(土)~522日(日)オンライン開催>

特定非営利活動法人 国連UNHCR協会(東京都港区)の女性支援プロジェクト「WOMEN+BEYOND  私たちから、世界を変えよう。」では、株式会社ラントリップ(東京都渋谷区)との共催により、今も人道危機が続くアフガニスタン国内で避難生活を送る避難民女性への支援を呼びかける「チャリティラン&ウォーク」を開催します。同時期に開催するクラウドファンディングでは、アフガニスタン避難民女性の一人親家庭に現金支給支援を実現するための募金を呼びかけます。

 

■参加申し込み: 下記イベントウェブサイトから登録 

https://runtrip.jp/runfortomorrow/womenbeyond

 

■参加費: 無料 ただしクラウドファンディングからのチャリティを呼びかけます

 

■チャリティ: WOMEN+BEYONDクラウドファンディングサイトから

https://camp-fire.jp/projects/view/578888

 

YouTubeライブ:イベント最終日の522日(日)16:30-18:00、国連難民サポーターの瀬古利彦氏、シンガーソングランナーのSUI氏ほかをお招きして参加者交流のためのYouTubeライブを開催 

https://www.youtube.com/watch?v=EwLR34TUfF8

 

■主催:国連UNHCR協会 | 株式会社ラントリップ

 

■協賛:アクセンチュア株式会社 | 株式会社サンギ | ミズノ株式会社 | 三菱電機トレーディング株式会社

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よろしければこの機会にぜひご参加いただき、アフガニスタンの女性を支え、一緒に世界を変える機運を盛り上げていただければ幸いです。

 

世界を変える輪を広げて、この取組を支えていただいている皆様には改めて深く御礼申し上げます。

 

皆様のますますのご発展とご健康をお祈り申し上げますとともに、今後とも何卒よろしくお願い致します。

 

プロフィール:国連UNHCR協会職員

種を蒔く:#308, 293, 269, 258, 245, 238, 217, 203, 192, 183, 172, 162, 146, 141, 127

 

 




#321 202258

 

東口千津子からあなたへ/From HIGASHIGUCHI Chizuko to you 

 

今朝、庭のヤマボウシの木に今年いちばんに咲いた花を見つけました。白い花に見える部分は総苞といって先端のとがった葉っぱで、本来の花である中心部の小さな丸い部分を守っているのだそうです。ヤマボウシの花言葉は「友情/Friendship」…、すぐ近くにいる人も海の向こうにいる人も、すぐに会える人もなかなか会えない人も、それぞれに安心できる環境で幸せを感じながら過ごせますようにと祈ります。

 

 The YAMABOUSHI tree blossomed in our garden this morning. The language of YAMABOUSHI, Japanese dogwood, Kousa dogwood isFriendship.  I think of you and wish you safe, healthy and happy with your family and friends in your community.

 

55日、国連のグテーレス事務総長は、国連安保理の会合でマリウポリの市民の退避に向けた3度目の計画を国連とICRC(赤十字国際委員会)が協働で進めていると述べました。国連とICRCはアゾフスタリ製鉄所に避難している市民とマリウポリ周辺を含め500人近い市民の退避に関与し、人道的なオペレーションを拡大し市民の退避を進めていくと伝えました。58日、ウクライナの副首相は製鉄所からすべての女性・子ども・高齢者が避難したと伝えました。危険な中、現地で「対話」や「交渉」を担う国連やICRCが市民の命を救う大切な役割を果たされ、多くのNGOが避難民の支えになっておられることに心を向け、私たちもできることを継続していきたいとあらためて思います。引き続き、「協調」の役割を担える機関によって、一刻も早い停戦・終戦が進められ、これ以上命が失われないようにと願います。

 

 北アイルランド・ベルファスト訪問時のお話を聴きたいとご連絡をくださった方がおられましたので、少し長くなりますが、2008年に関西人間関係センター紀要に寄せた文章を「種を蒔く」メッセージとしてお届け致します。私たち一人ひとりが体験したこと・考えること・感じることを聴き合い、共有し、より良い方向を見つけて進んでいけたらと願っています。

 

 『異文化間の緊張解決につながる個人のあり方と関係性について』

  ~北アイルランド・ベルファストにて感じたこと~

 

1.はじめに 

「鋼鉄のシャッター~北アイルランド紛争とエンカウンターグループ」の翻訳に携わる機会をいただいて以来、北アイルランドのベルファストは何世紀にもわたる紛争の歴史をもつ地図上の場所ではなく、多様な葛藤や課題を抱えた個人が身近な大切な人たちとの毎日をそれぞれに生きている場所として感じられるようになった。

2008711日(金)から16日(水)、初めて訪れたベルファストで出逢った人たちの人生について聴かせていただいたことに感謝しながら、その時にその場で自分自身が感じたことを振り返ってみたい。また、そこから見える異文化間の緊張の解決に繋がる個人のあり方と関係性について考えてみたい。

 

2.ベルファスト初日

 711日(金)午前10時に関西空港を出発し、ロンドンに午後2時半(日本時間午後10時半)に到着した。ロンドンに到着して空港内の人々を見つめながら、あらためて多文化社会、多民族社会を実感した。北アイルランドは「United Kingdom of Great Britain and Northern Ireland / 大ブリテンおよび北アイルランド連合王国」として表記され、イングランド、スコットランド、ウエールズと並びイギリスの一部として認識される一方で、アイルランド共和国との関係もあり、北アイルランド独自の課題を抱えている。1969年に北部6州のカトリック教徒が弾圧されたことがきっかけで公民権運動が激化し、カトリック過激派IRAがテロ活動を強化し、対抗するプロテスタント過激派UDAも活動を強化し、英国軍が常駐することによって泥沼化した紛争・・・1998年の和平合意後、どのような状態に変化しているのか、ベルファスト行きの飛行機を待合室の窓の外に眺めながら、ベルファストとの出逢いにあれこれと想いを馳せていた。午後540分出発予定のところ、大雨と雷のため2時間遅れで午後7時半に出発し、午後8時半にベルファスト到着となった。タクシーでHoliday Inn Belfastに向かい、午後9時にフロントでチェックイン、今回の機会をくださった畠瀬稔先生・直子先生からの「お疲れ様」というメッセージが書かれたメモを受け取り、ほっとさせられる。部屋に移動し、内線電話で到着を告げ、おふたりと翌朝ロビーでお会いする約束をした。荷物を整理し、セルフサービスでいただけるカモミールティーでくつろぎながら、日本時間午前6時の夫と息子の行動を想像し、国際電話をかける。ふたりの元気な声を聴き、安心してベルファストにスイッチを切り替える。ホテルの向かいにBBC Northern Irelandのビルがあり、信頼性・中立性を重要視する報道の仕事につく人々が、現在のベルファストをどのように見つめているんだろうと関心が高まる。ベルファストの紛争を世界に向けて発信したジャーナリストやカメラマンの中にも、緊張の解決に向けて貢献した個人が多くおられるのだろうなと思いながら、テレビでBBCニュースを観る。教育と経済に関連したニュースが流れていて、さまざまな課題はあるけれど、紛争という言葉とはかけ離れたベルファストの町を感じながら窓の外を見た。午後11時半でも明るい空に気づく。ベルファストでの最初の夜が終わった。

 

3.オレンジ・パレード

 12日(土)朝、ロビーで畠瀬稔先生・直子先生とお会いし、朝食をとりながらPCAの国際学会のお話を聴かせていただく。研究者・実践家としてのおふたりそれぞれのあり方に学ばせていただきながら、ご夫婦としての関係性についてもこの旅で学ばせていただけるのを楽しみに感じる。今回のベルファスト行きは仕事の調整において職場の仲間の協力があったのはもちろんのこと、家庭でも夫と息子の協力があり成り立っている。身近な人たちとのあたたかで率直な関係性を築く個人のあり方が異文化間の緊張の解決に繋がっているといつも感じる。緊張や葛藤や対立が起こった時に日常からかけ離れた大きな力が突然出てくるのではなく、日々のそのままの自分で異文化だと感じる相手と向き合い、自分自身の内側に異文化に近づいていく、寄り添っていく多様な力を見つけていく以外に有効な方法はない。

 午前10時過ぎ、ホテルのあるOrmeau AvenueDublin Roadの交わるところに出てみると、Orange Mans Paradeを楽しみに待つ人たちが沿道に集まっている。オレンジはプロテスタントの色として認識され、新聞ではOrange Marchesという表現も見られる。2006年のパレードまでは、毎年何らかのトラブルがプロテスタントとカトリックの間にあったようで、2007年のパレードが初めて平和に行われたとのことだった。ふと同年代の40代女性が笑顔でこちらを見つめていることに気づき、声をかけてみた。ベルファストから車で30分程離れた町からパレードを見に来たとのことで、1年に1回のこの日をとても楽しみにしていて、プロテスタントとしてお祝いできることが喜びだととても幸せそうに話してくれた。彼女の話を聴きながら、プロテスタントの人たちがお互いの強い繋がりを意識する一日であることを知る。

 L.O.L.No.90等のプリントがされている多様な旗を掲げる地域ごとの行進が始まった。L.O.L.Loyal Orange Lodgeの略で、それぞれの支部を意味し、支部ナンバーがついている。100以上の地域で、この日の行進のために衣装を揃え、それぞれの旗を作り、フルートや太鼓やアコーディオンを奏でながらの練習を熱心にしてきたのが伝わってくる。大人の列の前を行進する各地域の子どもたちは、コミュニティの一員であることをとても誇らしげに感じているようだ。プロテスタントのコミュニティに所属する安心感と誇りを内側に育てながら、自分たち以外の多様なあり方に対して排他的にならずに尊重できる子どもたちや若者が育っていくための教育のあり方を、延々と続くパレードを見つめながら考え続ける私がいた。

 午後からヨーロッパ・ホテルに足を運んだ。パット・ライスらはエンカウンター・グループの参加者集めのためにこのホテルに泊まる手続きをしており、「鋼鉄のシャッタ―」には「ここは安全な場所だと聞いていたのである。後に、そこはIRAテロリストの主要な標的で、何度も爆破されていたことがわかった。そのホテルはベルファストで英国の存在と繁栄の記念建造物のようだった。」という記述がある。

 ティールームで働いている50代男性によると、オレンジ・パレードの時期に訪れる観光客が増えてきているようだ。プロテスタントとカトリックの紛争があった際には、爆破によってホテルの柱が吹っ飛び、負傷者が出たとのことだった。その当時を思うと、今は平和で本当にありがたく感じるという彼は、経済的な豊かさがこの平和と大いに関係していると何度も繰り返していた。プロテスタントもカトリックも各家庭に一定の収入があり、ベルファストに観光客が増えることで平和へのプロセスが進むと言う。子どもたちや若い世代はintegrated school(統合教育)でプロテスタントもカトリックも共に学ぶ機会が増えていて、親しくなる機会が自然にできていくし、以前のトラブルを知らない子どもたちも増えていると語ってくれた。経済的な豊かさが平和に繋がることを強調しながらも、平和を築くのに最も影響力のある人物は聖職者、牧師だとも力強く語っていたのが印象的だった。

 午後4時頃、行進が終わりかける頃に30代と思われる警察官に話しかけてみると、今日は今のところ大丈夫だが、まだ完全に安心はできないと慎重な面持ちで語ってくれた。数年前はパレードの間はずっと緊張感があり、いつ暴動が起きるかわからない状態だったし、もし誰かに話しかけられても、まず道の端に移動して完全に安全を確保してからしか話し始められなかったよなと近くにいる同年代の警察官に同意を求めていた。このパレードへのカトリックの人たちへの関わりについて尋ねてみると、穏健派はパレードを傍で見ているかもしれないが、過激派は何か抑圧された感じをどこかで爆発させようと考えているかもしれないと強い口調で答え、周りを注意深く見渡していた。どんな時代も、どんな地域でも過激な集団はトラブルの原因になるんだと言い放つ彼の記憶には、パレードの最中に起こった数年前までのトラブルが今も刻みこまれていることが感じられた。

 沿道の人たちに小旗を売っている50代男性に、今年のパレードはどうだったかと尋ねてみると、年々良くなっていくと、忙しそうに走り回りながら答えてくれた。

 行進している人たちも沿道で見つめる人たちも、とても熱い想いでこの日を過ごしていることがわかる。プロテスタントの人たちの上気した満足気な表情を見ながら、カトリックの人たちはこの日をどのように過ごしたんだろうと、パレードの最後に、再度同じ質問が心に浮かんだ。2007年の平和なパレードに続き、2008年も無事に終わった。

 

4.カトリックとプロテスタントを繋ぐ人たち

 13日(土)午前9時半に、事前にお話を聴かせていただく約束がとれていたヘンリーさんがホテルに来て下さる。六角形の玄武岩が幾重にも重なった素晴らしい自然を見せて下さるとのことで、海の向こうにスコットランドが見える北の端のジャイアンツ・コズウエイまで車で連れて行って下さった。この素晴らしい景観を見せて下さる目的で、遠い道のりを運転して下さったヘンリーさんは60代半ばを迎えられた聖職者であり、教育者であり、さまざまな体験をこの日朝から夕方まで費やして聴かせてくださった。この30年間の紛争の間に約3000人の人々が亡くなり、その家族や身近な人たちは今も心に悼みを感じていて、その悲しみを乗り越えていくプロセスが傷ついた人々には必要だと語ってくれた。プロテスタントもカトリックも穏健派はお互いに歩み寄ることもできるし、協力し合うこともできるが、ほんの一部の過激派がトラブルを起こしてきているのだと、図を描きながら両極の過激派の部分にしるしをつけて私たちに示した。ヘンリーさんは教育を通してもプロテスタントとカトリックの学生たちが交流し、理解を深め合う機会をつくってこられている。両者が一緒に楽しめるキャンプを大学で企画・運営し、若者たちがハイキングやスポーツを共にし語り合う場をもつことで、エンカウンター・グループに近い体験をすることになると説明された。

 ベティさんは第2言語としての英語を子どもたちに教える先生としての日々を送られ、60代半ばとなった今は退職されている。カトリックとプロテスタントの子どもたちが別々の学校でお互いに知り合うチャンスもなく育っていくことに疑問を感じてきたとベティさんは言う。統合教育でカトリックとプロテスタントが一緒に学べる機会は増えてきているものの、まだ子どもたち全体の7パーセント程度でしかないということだ。EMUEducation for Mutual Understandingという子どもたち同士の相互理解を深めるためのプログラムは、ベティさんが現役だった頃から現在まで行われているとのことで、カトリックとプロテスタントの子どもたちが交流し、それぞれが本物の友情を育む様子がみられたとのことだ。最も印象に残っていることとして、紛争が激しく、IRAの暴動が続いていた20年程前に、生徒たちが主体的に素晴らしい動きをした話をしてくれた。カトリックとプロテスタントの生徒たち・若者たちが一緒に行進をし、「自分たちは紛争は望んでいない」と声に出し、平和を望んでいる姿勢を明確に示したそうだ。教師である自分が何かをしたのではなく、彼女ら・彼らが主体的に動いていることに最も誇りを感じた日だったとベティさんは振り返る。その行進の中には、UDA等と関係している家庭の子どももいて、行進に参加することは勇気のいることであり、テレビで放映されることを非常に母親が怖れていたが、本人はとても勇敢だったとのことだ。この話を聴きながら、子どもたちの力を信頼し、寄り添う教師としてのベティさんの力が心に深く響いてきた。やわらかなたたずまいに力強いしなやかさを感じさせるベティさんのあり方が子どもたちの内側の力を引き出し、支えとなっていたのではないかと感じた。

 ベティさんとヘンリーさんは愛犬と愛猫とともに、海の見える小高い丘に建つ古い家を丁寧に修理して暮らしておられる。おふたりはプロテスタントであるが、地域にはカトリックの方が多く住んでおられ、お互いが協力し合い、助け合いながら暮らしているとのことだ。カトリックとプロテスタントが結婚することも多く、そこに生まれる子どもたちもカトリックであることやプロテスタントであることを、さほど重要に感じないそうだ。地域によってはカトリックであること、プロテスタントであることがとても大きな意味を持ち、どの家にも同じ旗をあげていることが同じアイデンティティであることを確認している場合もあると具体的な地区の名前をあげながら説明してくれた。ヘンリーさんとベティさんそれぞれのあり方と関係性の築き方から教育の意義を再確認できた気がした。

 ヘンリーさんが車で連れて行って下さったカリミラという施設でディレクターをされている30代後半のロニーさんは、世界中から集まる人々が自己理解と他者との交流を深めていくサポートをされている。平和を築き、和解を促進する目的で、1965年に教会関係者によってこの施設は設立され、最近、利用者は増えてきてるようだ。ファミリーグループや若者たちのグループが一緒にスポーツをしたり、話し合ったり聴き合ったりすることで、自己理解が深まり関係性が築かれていくことが多いが、ロニーさんはカトリックとプロテスタントの和解に向けてのグループのファシリテーターをすることもあり、多文化間理解を促進する役割を担っているとも言える。暴力ではなく平和的アプローチで傍にいる人たちとの交流を深めていく支援をしながら、友情を育む機会を作っているんだと語られた。また、和解にはとても長い長い時間を要することもあり、何世紀もかかる場合もあると、ご自分にも言い聞かせておられるように話された。個人としての想いを交流し、社会について感じるところを語り合い、宗教や文化的アイデンティティを含めてお互いの違いを知り、友情を育み関係性を築いていくことが、和解の可能性に繋がると力強く説明された。どうすればお互いの違いを尊重できるようになるのか、ということについて真摯に見つめ続けておられるのが伝わってくる。ホスピタリティ/あたたかく人々を歓迎することが大切だと言われ、個人としてのあり方や関係性の築き方について語られるロニーさんは、パーソン・センタード・アプローチという表現はご存知なかったけれど、パット・ライスについてはよく知っておられ、カール・ロジャーズが大切にしてこられたものと近いアプローチで、日々過ごしておられるように感じた。

 

5.若者の意識

 14日(月)、ホテルのレストラン・マネージャーの20代半ばのローラさんに話を聴く、ローラさんはカトリックだが、宗教が自分を表すのではなく、個人としての自分でありたいと思っていると明確に表現していた。ひとつの集団に所属して育ったという感覚はなく、ふたりの親友はプロテスタントで、身近な人がカトリックかプロテスタントかということは重要ではなく、その人がどんな人かで繋がっていたいと思うとまっすぐに伝えていた。ご両親は離婚され、お父さんはカトリックで、お父さんのパートナーはプロテスタントで、ローラさんもご自身のパートナーとは個人として出逢っていきたいと願っているということだ。

 ベルファストの町は良い方向に進んできていることを、町の中心にあるホテル勤務を通して語ってくれた。彼女が勤め始めた7年前は観光客がほとんどおらず、スコットランドからの滞在客が僅かにいただけだったそうだ。紛争があった時代にはベルファストに来ることを危険だと感じていた人も多くいただろうけれど、コミュニティ自体が変わってきているのを実感していると力強い言葉で語ってくれた。

 2歳年下の妹さんは、カトリックとプロテスタントが登山やカヌーや地域掃除などの活動を共にするコミュニティワークを学校で経験したことがあるそうだが、ローラさん自身はベルファストにあるカレッジに入ってからプロテスタントの友人たちと多くの交流を経験したようだ。ホテルの仕事についてからも、カトリック・プロテスタントに関係なく、個人としてのあり方で周りの人と自然に繋がりができてきたそうだ。黒人や白人で個人を判断しないのと同じで、カトリックやプロテスタントであることで個人を判断しないというのは自分にとって自然なことだとローラさんは言う。家族や友人たちがみんな大切だし、ベルファストで家庭をもてたらとも思うけれど、これから先のことはわからないと言って微笑んだ。

 プロテスタントと交流をもたないカトリック、またカトリックと交流をもたないプロテスタントが若い世代にももちろんいると思われるが、ローラさんのように宗教的なアイデンティティを個人としてのアイデンティティと同一化せず、一人ひとりのあり方によって関係性を築いていく若者が増えていっているようだ。

 

6.ディックさんの生き方・あり方に学ぶ

 ヘンリーさんのご紹介でお会いできた91歳のディックさんはプロテスタントの牧師さんで、18か月前にパートナーを亡くされて、今はご自宅の落ち着いたカウンセリングルームで、1週間に14時間、マリッジ・カウンセリングを中心に教会関係者や教育関係者のスーパーヴィジョンをされている。

 カトリックとプロテスタントの紛争はヨーロッパ全体の問題として考える必要もあるというディックさんはアングリカン・チャーチの牧師で、カトリックとプロテスタント双方の人々と会い、ローマカトリックの神父と一緒に仕事をすることもある。カトリックとプロテスタントはみんなクリスチャンだという意味では同じで、お互いに愛することができればと思っているが、なかなかそのようにはいかないのが現実だと言って、おおらかに笑い声をあげられた。相手を敵だと感じその敵が悪いんだと思い込むと、相手を非難するだけで自分自身を見つめることなく変わることもできない。そんなことがヨーロッパでもずっと起こってきたんだと語られた。

 宗教とアイデンティティの関係について尋ねると、ベルファストではカトリックであるかプロテスタントであるかが、個人のアイデンティティと密接に結びついていてそれぞれが社会とどのように繋がっているかということを物語るということだ。現在は少し緩やかになってきているが、依然としてその傾向はみられ、カトリックのコミュニティ、プロテスタントのコミュニティそれぞれに強い結びつきが残っている。ディックさんのお父さんは、昔、熱心にオレンジ・パレードに参加され、それは民主的な社会をつくるため、自由のためなんだと言っておられたそうだが、ディックさんはパレードに参加している人たちの中にカトリックを否定するメッセージを感じてその中には入っていかなかったと言われていた。

 「鋼鉄のシャッター」については何度も使用されたそうで、「私はパーソン・センタードでロジャリアンだ」と答えられた。ウガンダに15年おられて、1960年はじめに帰国し、ご夫婦でマリッジ・カウンセリングをスタートされた。そのベースはパーソン・センタード・アプローチだったが、直接エンカウンター・グループのアプローチをとられることはなかったそうだ。5日間ほどの集中的な泊まりのエンカウンター・グループでは、個人が自分の深いところと向き合い、痛みを伴うこともあるので、自らその体験を求めてそのために時間とお金を費やす余裕のある人たちでないと参加するのは難しいと感じるとディックさんは言う。学生たちがグループのメンバーとの繋がりを感じながら、自分を見つめ将来について深く考えるにはエンカウンター・グループは望ましいアプローチだと考えられるが、カリミラで行われているようなインフォーマルなグループの方がより多様な人が参加しやすいのではないかと感じておられるのが伝わってきた。また、泊りがけではなく、週末に2~3時間のグループで6回程のエンカウンター・グループであれば多様なメンバーが参加できる現実的なものとして考えられると捉えておられた。エンカウンター・グループについて話を続けていると、ベルファストの教会で行われているカトリックとプロテスタントのグループでこれからもっと取り入れていくことができるかもしれないとディックさんは言われた。91歳の現在も意味のあることにはチャレンジされていく柔軟な姿勢を保っておられることに感銘を受けた。

 社会が良い方向に進んでいくことを心から望み、個人に対して信頼を置くディックさんに教育の中でどんな要素が重要だと思われるか尋ねてみた。カトリックとプロテスタントが共に学ぶジョイント・カレッジをつくることができれば良いと思うが、これは今の自分自身が現実的にできることではないので、別々の教育機関であっても教職につく者が現実に起こっていることをしっかり見つめて、宗教や社会学をしっかり学び、多様なあり方を尊重できる態度を身につけ、子どもたちや若者たちに多様性を尊重するあり方を育てていくことが大切だと語られた。

 ディックさんから聴かせていただいたことはまだまだたくさんあり、その時に私の心の中に生まれたことについてもここですべてを表現することは難しいと、今、感じている。聖職者として教育者として歩んでこられたディックさんの人生に触れさせていただけたことは本当にありがたいことだと感じる。個人としての日々も大切にされているディックさんは手入れの行き届いたイングリッシュ・ガーデンにテーブルを出し、マフィンを焼き、お茶を入れて下さった。今がいちばん美しい時期だからと、色とりどりの世界中の薔薇が咲き誇るローズ・ガーデンに連れて行ってくださった。一輪一輪の薔薇を見つめながら、ローズ・ガーデンを歩きながら、ディックさんと一緒に過ごせた時間はとても幸せな時間として心に残っている。

 カトリックとプロテスタントの両方のコミュニティに対して、またそこで暮らす人々に対して深い愛情を向けておられるディックさんはご自身の内側に一人ひとりの多様なあり方を受けとめる大きな器を育ててこられているように感じた。私自身もその深い懐に包まれてひとときを共に過ごせたことで、大きなエネルギーをいただいたように、今感じている。

 

7.ベルファスト最終日~IRAのメンバーとの出逢い

 15日(火)畠瀬稔先生・直子先生とベルファストでの時間を振り返りながら、朝食の時間を過ごす。今回出逢えたお一人おひとりを想いながら、またおふたりそれぞれのお話を聴きながら、自分の中に生まれていく想いを確認する。パリに向かわれるおふたりをホテルの前でお見送りした後、ベルファストで過ごせる残り時間が1時間半をきったことを確認する。

 隣人同士だった人たちの間に設けられている「ピース・ライン」と呼ばれる、高い波状の囲いと「ウォール・ペインティング」をもう一度見に行くためにシティ・ホール前に並んでいたタクシーに乗った。30代後半から40代前半に見えたタクシー・ドライバーの男性と会話をしているうちに「ピース・ライン」のところに到着した。タクシーを降り、何枚か写真を撮った時、「ジャーナリストなのか?」と尋ねられ、自然な流れの中で日本からベルファストに来た理由を伝えた。「教育の仕事をしており、カトリックとプロテスタント双方の人たちが平和に暮らせること、子どもたちや若者たちがお互いの違いを尊重しながら、あたたかい関係をつくっていけることを祈っている」と伝えた。彼はまっすぐにこちらを見つめて「自分はIRAのメンバーで、もし行きたいなら連れて行ってもいい。自分の属するコミュニティの写真を撮ってもいい。」と言った。この旅でいちばん緊張した瞬間だった。IRAという英語が耳に入ったとたん、一瞬家族の顔が浮かび、心拍数があがった。静かに深く息を吐き、私もまっすぐに彼を見つめた。「私がそこに行っても危険は全くないか?私がそこに行くことであなたは困らないか?」と尋ねた。「そこは安全だし、自分も困らない」という彼の言葉を聴きながら、ほんの数秒、「行くか、行かないか」、自分の内側の声を確かめた。その時までに彼と交わした会話や伝わってきた人柄を私の内側で凝縮して再度感じていたのだと思う。そして、自分自身の危険を回避する知恵や態度を瞬間的に確かめていたのだと思う。「行こう。30分後にホテルに着きたい。大丈夫?」と深く確認し、その場を出発した。

 Falls Roadに到着した時、アイルランドの旗が目に入った。緑とオレンジの間に白が入った旗だ。ここは明らかにカトリックの強い結びつきの感じられるコミュニティなんだと実感する。タクシーから降りて、壁一面の記念碑に近づいてみる。一番下の部分に書かれている「Dedicated to All The Unsung Heroes/世に知られていない英雄たちに捧ぐ」という言葉が目に入ってきた。その上には「この記念碑はアイルランドの自由のために自らの命を捧げたバリーマーフィー及びターフ地域の偉大な仲間たちに捧ぐものである。また英国軍と統一党員隊によって殺された私たちのコミュニティの男性たち、女性たち、子どもたちに捧ぐものである」と記されていた。亡くなった人たちのフルネーム、年齢、亡くなった年が上から下までずっと記録されている。1歳から80歳代まで亡くなった人たちの年齢はさまざまだ。タクシー・ドライバーの彼は「自分の仲間も殺された。友達の子どももほんの2歳なのに殺された」と身近な人たちが無念にも亡くなっていったことを、私の横で記念碑を見つめながら話してくれた。「ここの人間はみんな親切で気さくな人たちだ。ただアイルランドの地を守りたかっただけなのに。その思いで戦ったんだ。」と伝ええる彼からは、純粋にアイルランドの地を愛し、このコミュニティのカトリックの人々を愛しているのが伝わってくる。しばらくすると「写真を撮ってもいいよ」と言ってくれたので「ありがとう」と伝え、カメラを構えた。私が写真を撮っている間、タクシーの傍に立っていた彼に数名の人が近寄り、何か話をしていた。IRAの仲間なのか、このコミュニティのカトリックの住人なのかはわからなかった。そのコミュニティには多くの鮮やかな絵が建物の壁一面に描かれ、その写真も撮らせてもらった。多くの「世に知られていない英雄たち」をこうして今もずっと想いながら暮らしているこのコミュニティの人たちの心の中には、どんな感情が渦巻いているのだろう。怒り、憤り、悲しみ、敵意、絶望、あきらめ、悔恨・・・。言葉にできない想いも含めて、紛争が起こっていない2008年現在も、人々の中には和解に向かうための長い長いプロセス必要なんだと感じた。

 ホテルに向かうタクシーの中では、彼は「IRAに入ったことがいいことだったとは言えないかもしれない。でも、このアイルランドの自由のために必要だったんだ」と言った。別れ際、私は自分の名前を彼に伝え、彼も名前を伝えてくれた。「あなたが幸せでありますように。そしてベルファストの平和が続きますように。」と言って、握手をした。

 

8.終わりに

 ロジャーズは異文化間の緊張の解決について以下のように語っている。「緊張場面のパターンは込み入ったものではない。それに関与しているいずれの関係者も、同じほどの確信をもって同じように固持している。それは『私は正しく、あなたは間違っている。私は善くて、あなたは悪い』というものである。これが、個人間及び集団間の緊張を持続させる。・・・もし緊張を弱めようとするならば、このパターンをこそなんとかして解消しなければならないのである。ここにこそ、パーソン・センタード・アプローチがその最も強力な力を発揮し得る場があるのである。」特に、私を勇気づけてくれる一文は「パーソン・センタード・アプローチを用いて対立している両方の人々に力を与えることによって、葛藤を緩和することができる」というものである。日常のさまざまな場面でこの一文を思い出す。対立する両者それぞれにじっくり耳を傾け、一人ひとりを受けとめていくプロセスの中で、対立していた個人がそれぞれの内側に持つ、人と繋がる力を取り戻し、相手に一歩近づいていくのが感じられる。

 今回、ベルファストで出逢った人々は、多様な葛藤や課題を抱えながら身近な大切な人たちとの毎日をそれぞれに生きておられた。一人ひとりの話を聴かせていただいたことで、紛争が激しかった時には『私は正しく、あなたは間違っている。私は善くて、あなたは悪い』と言った姿勢や態度が社会に蔓延していたのだと気づかされる。この姿勢や態度は、紛争時でなくても私たち一人ひとりの内側に芽生えやすい。日常生活で異文化を感じたときこそ、自分の内側で何が起こっているのかをまっすぐ見つめていく必要がある。

 平和を取り戻し、安心して暮らしつつあるベルファストには、『対立している両方の人々に力を与えることによって緩和する』役割を果たしてきた人々が多く存在することがわかった。何世紀にもわたる憎悪、不信、疑惑などの感情を抱く人が目の前にいる時でも、個人としての想いが深く受けとめられ、その人の時間の流れの中で一つひとつ整理され、何を選ぼうとしているのか、どこに進もうとしているのか、主体性が認められること・・・そんなプロセスがパーソン・センタード・アプローチによって促進されていく。

 異文化接触の体験がアイデンティティに影響するプロセスは一人ひとり異なる。それぞれの状況で自分自身を深く見つめ、他者の内側にある多様な要素を感じ取ろうとする時、自分と他者の双方の存在を尊重し、新しい関係性が構築されていく。

 今、ここで、自己一致した自分自身でありたいと感じるし、その自分がどんなふうに異文化間の緊張に対峙できるのか、その時その時に内側に感じることを見つめながら、新しい自分自身とも出逢っていきたいと感じられたベルファストだった。

 

参考文献

H.カーシェンバウム、V.L.ヘンダーソン編、2001、ロジャーズ選集(下)、誠心書房

パトリック・ライス著、畠瀬稔・東口千津子訳、2003、鋼鉄のシャッター、コスモスライブラリー

 

プロフィール:一般社団法人blue earth green trees代表理事

種を蒔く/Seedfolks#312, 307, 287, 271, 261, 244, 174, 158, 145, 125, 118, 79, 56, 42, 1

 

 




#320 202258

 

田中啓義からあなたへ

 

憲法記念日を迎えた世論調査で、平和憲法の憲法改正を望む人の割合が増えてきているのを大変危惧しています。それは、ロシアのウクライナ侵攻に直面して、保守党タカ派政治家による、軍力増強による抑止防衛論、核共有論などの活発な論戦が影響しているものと思われます。

戦争は、最大の人権侵害であって、何が何でも回避しなければならないことについては、誰しも異論がありません。

しかし、戦争回避を、軍備増強による「力の均衡」に求めるのは、むしろ危険であると思うのです。

そのような国家姿勢は、国家間の際限ない猜疑心を育て、一触即発のリスクを孕みます。のみならず、国家内においても、国民生活に遍く「力による解決」を沁み込ませることになり、それは、弱者、少数者の人権を蔑ろにする社会を許容してしまいます。

日本国憲法は、先の大戦の反省に基づき、全ての人の平等と自由と人権尊重を最大の価値とし、そのような価値に基づき平和を維持せんとする国際社会において「名誉ある地位を占めたい」と宣言しました(憲法前文)。そして、戦争放棄、武力放棄を謳う憲法9条を制定しました。

戦争を回避する方法としては、「力の均衡」だけではなく、「協調」の方法があります。

それは、具体的には、「戦争は外交の失敗」と言われるように、国家の協調外交によって進められ、また、グローバル化社会の経済協力によっても、また、市民レベルの国際支援活動によっても進められていくものだと思います。そして、憲法前文を読めば、日本の進むべき道は、猜疑心に基づく「力の均衡」でなく、信義に基づく「協調」路線であることが明らかです。

また、ロシアのウクライナ侵攻を非難する報道で、大衆化したロシア人が戦争遂行を賛美するロシア国内の映像が映し出されることもあります。このような映像が、ロシア国内で真に権力に迎合する大衆化が進行しているのか、それとも、ロシアの国家権力による報道統制にあるのか、それとも、その両方にあるのか、実態は分かりません。

しかし、いずれにしても、このような映像に接すると、戦争を回避するには、国民が、理性的に、国家権力を批判し国家権力と対峙する力を保有していなければならないことを痛感します。そもそも、戦争の被害者は市民であって、戦争の当事者は、国家対国家ではなく、国家権力対市民の図式と思え、市民が声を上げることこそ重要であると思うのです。

人間は、大衆化してはならず、自由で自立し、自己の言動に責任をもった実存的存在として、社会に参画(アンガジュマン)しなければならない、と言ったのは、先の大戦後、欧米のみならず日本の思想界をも席巻した、フランスの実存主義哲学者JPサルトルでした。

そして、日本国憲法は、個人の幸福追求権(13条)、国民の思想良心の自由(19条)、表現の自由(21条)、信教の自由(20条)、教育を受ける権利(26条)、学問の自由(23条)、生存権(25条)、参政権(15条)などを最大限保障している憲法です。すなわち、日本国憲法は、実存主義哲学と同様、国民が、国家権力に迎合しない、自由で自立した、責任を持った主体的な人間であることを保障しているのです。

そうとすれば、今、戦争を終結させ、また、戦争を回避するために、日本で、軍備増強のための憲法改正論が勢いを得るのは、決して的を射ていないと思うのです。

今でこそ、国家権力の暴走を抑止する国民の人権保障をこそフォーカスし、国際的な国民の連帯と協調によって、平和を実現せんとする、日本国憲法を改めて、評価することこそ必要であると思うのです。

 

また、、日本国憲法は、米国GHQの押しつけ憲法なので、日本人も自主憲法を制定すべきであると論じられることがありますが、憲法9条を擁する日本国憲法は、決して、戦後のGHQの押しつけではなかったようです。

そうでなく、憲法9条は、当時の日本国・幣原首相の肝入りで、「世界は私たちを非現実的な夢想家だと嘲笑されるでしょうが、然し今から100年後には私たちは預言者と呼ばれることでしょう」と言って、彼がGHQのマッカーサーに対して提案したそうです。そして、マッカーサーは、天皇制を国民支配のために利用しようとして、他方、国際世論に対する手前から、天皇制と戦争放棄をセットにして憲法に盛り込もうとしたのであって、GHQは、功利主義的に、幣原に追随しただけのようです。

また当時の日本国国民の7割が憲法の戦争放棄条項を歓迎していたということです。

したがって、憲法9条は、決して、GHQの押しつけではないのです。

そして、だからこそ、改憲勢力が一定存しても、いまだ、制定75年以上を経ても、憲法は改正されず、国民に根強く定着するに至っているのです。

憲法定着の理由について、わが国の著名な哲学者柄谷行人氏は、「憲法の無意識」(岩波新書)という本で、憲法9条の平和主義は、戦後思想ではなく、むしろ、江戸時代の400年に続く平和で培われたものであって、憲法9条の平和主義は、むしろ、日本人固有の集合的無意識に根付いていると論じていました。

たしかに、日本人は、謙虚で人に思いやりがある民族と言われており、おそらく、西欧人より戦闘的ではありません。そもそも、狩猟民族でなく農耕民族ですし、ほぼ単一民族であって、根本的な同質性があって、心底から恨みあうことがない民族ともいえます。

このような日本人であればこそ、定着できた平和憲法であって、そうすると、この意味からも、わたしたちは、誇りをもって、平和憲法である日本国憲法を改めて評価するべきであろうと思うのです。

 

プロフィール:blue earth green trees理事、登大路総合法律事務所所長弁護士

種を蒔く:#295,277, 112, 31, 20




#319 202254

 

岩崎裕保からあなたへ

 

第9回SDGs勉強会「子どもの権利条約(CRCConvention on the Rights of the Child )

 

プログラムの冒頭で、ゴダイゴが歌う「ビューティフル・ネーム」(ビューティフル・ネーム ゴダイゴ - YouTube )を聞いていただきました。この歌は、1979年「国際子ども年」の協賛歌で、日本語と英語のヴァージョンがあり、部分的には中国語と韓国語もあるようです。

次に、参加者に二つの問いかけをしました。

・あなたが、もう子どもじゃない、大人になったんだと感じたのは、いつ、どんな(ことがあった)時でしたか?

・子ども時代に、親あるいは教員などから、権利の侵害を受けたことはありますか?それはどんなことでしたか?

そして、最近の新聞記事を紹介しました。

326日朝日=外国人小中学生146人が通学せず。憲法や教育基本法により、国民には子どもに教育を受けさせる義務があるが、外国人にはない。

315日朝日=理不尽校則 もうやめる。時代は変わった。生徒らと議論し決定。

CRC2条は、いかなる差別もいけないとし、28条では教育への権利を、そして29条では教育の目的を謳っていて、のような状況をよしとはしません。また12条は意見表明権を、13条は表現・情報の自由、14条は思想・良心・宗教の自由、15条は結社・集会の自由を保障するとしていますから、CRCが認知されて現場にこうした変化が起こるまで30年かかったということをは示しています。しかし、でもでもCRCへの言及は、残念ながら、ありません――政府だけでなく、マスコミも、国際条約に向き合う姿勢が弱いようです。

 

CRC19891120日に採択され、1990年に発効しました。日本が批准をしたのは1994422日で、158番目でした。ソマリアが201511月に196番目の批准国となったので、まだ批准をしていないのは米国のみとなっています。

ポーランドが1978年にCRCの草案を提出し、翌79年には国連に作業部会が設置され、その後10年かかって採択に至りました。CRCは全部で54条から成っていますが、前文に続く第1部(141条)が権利についてで、第2部(4245条)は広報や報告の義務など政府や国連の仕事で、第3部(4654条)は諸手続きとなっています。

 

ワークは、スーザン・ファウンテンによるユニセフの「CRCを学ぶために実践ガイド」である『私の権利みんなの権利(原題It’s Only Right !)』の「活動5 さまざまな権利のつながり」をおこないました――世界の子どもたちの情況を書いたカードがCRCのどの項目に当たるのかを考えました。

たとえば、「私が小さかった頃、私の家族は保健所からとても離れたところに住んでいたので、私は予防接種をうけられませんでした。今私は8才で、ポリオにかかっています」はCRC24条、子どもが可能なかぎり高い水準の健康を享受し、「保健・医療サービスを受ける権利」について述べています。また、この話は28条の「教育を受ける権利」とも関連します。

 

子どもの権利に関わる歴史を振り返ってみると、フランス革命による「人権宣言」(1789年)があり、1924年には国際連盟による初の「ジュネーブ宣言(子どもの権利宣言)」、そして1948年の「世界人権宣言」を忘れることはできません。1959年には「子どもの権利宣言」がありましたが、「宣言」というものには法的拘束力がないので、「国際人権規約」(1966年)が基本的人権保障への法的拘束力強化を訴えます。1978年にポーランド政府が「子どもの権利条約草案」を国連に提出して、人権委員会内に作業部会が設置されました。1979年は、「子どもの権利宣言」20周年に当たり、「国際子ども年」でした。そこから10年間の作業・議論を経て1989年に「子どもの権利条約」が採択されました。

 

CRCは次の4つとして説明できます。

生存の権利:命をたいせつにされること、人間らしくいきていくための生活水準が守られることなど。

育つ権利:自分の名前や国籍を持ち、親や家族と一緒に生活できること、教育を受け、休んだり遊んだりできることなど。

守られる権利:あらゆる種類の虐待や放任、搾取、有害労働などから守られること、戦争から守られ、被害にあった子どもの心や身体が保護されることなど。

参加する権利:自由に意見を表したり、グループ活動ができること、成長に必要な情報が提供され、子どもにとって良くない情報から守られることなど。

 

子どもは身体的・精神的に未熟であり、経済力が備わっていませんので、自立できるまでに十分な配慮や保護が必要ですから、CRCには子どもならではの権利も含まれています。それをCRCにおける4つの原則と言います。

生命、生存、発達に対する権利は命を守られ成長できること、子どもの最善の利益とは子どもにとって最も良いことを第一に考えること、子どもの意見の尊重は意見を表明し参加できること、そして差別の禁止とは子ども自身や親の人種、性別、意見、障害、経済状況など、どんな理由でも差別されず、条約の定めるすべての権利が保障されるということです。

 

CRCで大事なことは、保護の対象としてだけではなく、一人の人間として認め、自己決定権を含めた権利の主体としての子どもという認識です。これをポーランドが提起したことの背景を象徴するのが「コルチャック先生」です。

アンジェイ・ワイダ監督作『コルチャック先生』オリジナル予告編 - YouTubeが1990年に映画化されています。コルチャック先生(本名 ヘンルイック・ゴールドシュミット)は「子どもは既に人間である(子どもは、だんだんと人間になるのではなく、すでに人間なのだ。人間であって、操り人形ではない。彼らの理性に向かって話しかければ、私たちのそれにこたえることもできるし、心に向かって話しかければ、私たちを感じ取ってくれる。子どもは、その魂において、あらゆる思考や感覚を持つ、才能ある人間なのだ)」「子どもが、ではない。そこにいるのは…人間である(そこにいるのは、知識の量、経験の蓄積、欲望、感情の動きが異なる人間である)」「子どもと言うものは、私たち(大人)と等しく人間的な価値をもっているものだ」と言っています。

 

実は、日本は1951年に「児童憲章」を制定しています。その前文には「われらは、日本国憲法の精神にしたがい、児童に対する正しい観念を確立し、すべての児童の幸福をはかるために、この憲章を定める」とあり、「児童は、人として尊ばれる。児童は、社会の一員として重んぜられる。児童は、良い環境のなかで育てられる」としています。これはきわめて先駆的なことです(が、CRCと異なる点があって、それはこの憲章では、児童を社会から保護されるべき存在と位置付けていることです)。この憲章を持っている日本がCRCの批准をしたのが1番ではなく158番目であったのはなぜなのでしょう。

 

CRCに関して、日本の課題に触れておきます。

まずchildを日本政府は「児童」と訳していますが、一般的には小学生を児童と言いますから、CRCが「18歳未満の子ども」としていることと違った印象や認識を与える可能性があります。また、条文にはshallという語がよく出てきますが、これは語源からすると「することを負うている」という意味なので、ユニセフ訳では「しなければならない」としていますが、政府訳では「する」となっています。もちろん、条約は政府を縛るものですから、政府が「する」と言っているのですから、そう目くじらを立てることではないのかもしれませんが、人びとが読んだときに、政府は責務を負うているのだと受け取れる方がよい訳だと言えそうです。

政府は、CRCを批准するにあたって、国内法や制度の改正は不要だとしました。その一つの結果が、冒頭で示した校則問題とつながるのではないでしょうか。当時、きちんと向き合って国内の在り方をCRCと照らし合わせてみることをしなかったということです。しかし、1979年に発効した女子差別撤廃条約では、国籍法の改正や男女雇用機会均等法の成立、家庭科教育の見直しといったことを5年以上かけて整備したうえで、1985年に批准をしたのでした。

「こども庁」構想には「子どもは家庭でお母さんが育てるもの。『家庭』の文字が入るのは当然だ」という自民党保守系議員の意見があり、「こども家庭庁」となりましたが、これもCRCが十分に認知されていないことのあらわれではないでしょうか。

CRCは5年ごとの報告義務があり、2017年の日本の報告に対して「差別の禁止」「児童の意見の尊重」「体罰」「家庭環境を奪われた児童」「生殖に関する健康及び精神的健康」「少年法」に関しての取り組みが十分でないとの指摘を受けています。

自治体における条例制定は必ずしも全国的に広がっているわけではありませんが、奈良市は積極的な取り組みをしている自治体の一つとなっているようです。

国内初!ユニセフ「子どもにやさしいまちづくり」実践自治体に選出 - 奈良市ホームページ (nara.lg.jp)

 

最後に、「米国がCRCの批准をしていないのはなぜか」とのご質問に対して、連邦政府と州政府の調整がなかなか難しいという形式的なことしかお伝え出来ませんでしたので、追加をさせていただきます。

米国は外交分野で孤立主義的な態度をとってきたとは歴史的にも明らかで、国連の人権活動には冷淡な姿勢を持っていて、男女差別撤廃条約の批准もしていません――環境や軍縮でも同じような傾向です。CRCは子どもの自律にポイントがありますが、それを親の権威や家族の統合に反するものであると考える人が多くいます。宗教や表現の自由は米国の働きかけでCRCに盛り込まれましたが、社会権を権利として認めることに抵抗が強く、教育や健康は個人の責任であるとの考えが広く支持されています。また、CRCにはっきりと違反する法制度(たとえば18歳未満の少年の死刑)が少なからぬ州に存在します。子どもの権利が前面に打ち出されること自体に米国は抵抗していると言えます。

 

プロフィール:blue earth green trees SDGs勉強会プロジェクトリーダー。同志社大学法学部政治学科卒業、同大学院アメリカ研究科修了。ニュージーランドが関心の地域。私立中高で英語を教え、その後大学に移って「平和研究」「国際協力論」「NGO/NPO論」などを担当。2008年から6年間開発教育協会(DEAR)代表理事。今はDEAR顧問と関西NGO協議会(KNC)監事

種を蒔く:#310,303,292, 266, 259, 254, 237, 224, 197, 175, 143, 124, 121, 98, 79, 73, 69, 67, 48

 

 




#318 202254

 

山本昌彦からあなたへ

 

4月28()久しぶりに前から観たいと思っていた第94回アカデミー賞で脚本賞を受賞した「ベルファスト(原題:Belfast)」という映画を鑑賞してきた。監督のケネス・ブラナー自身の子ども時代を半自伝的に描いたこの映画は、北アイルランド紛争(英語では「The Troubles」と呼ばれる)による暴力と紛争の日々が始まって間もない、1969年の北アイルランドの街、ベルファストを主人公の少年バディの視点から描いていたものだ。

 「ベルファストの町で生まれ育った9歳の少年バディは、家族と友だちに囲まれ、映画や音楽を楽しんで充実した毎日を過ごしていた。しかし、1969815日、プロテスタントの武装集団がカトリック住民への攻撃を始め、穏やかだったバディの世界は突如として緊迫した環境へと変わってしまう。カトリック信者とプロテスタント信者が共存して暮らし、住民すべてが顔なじみで、ひとつの家族のようだったベルファストは、この日を境に分断され、憎しみが連鎖していくことに…」というのが大まかなあらすじ。

 

ニュースなどでウクライナから逃れる人々の映像を毎日のように見せつけられている今この瞬間、この映画での「街が紛争の場と化す光景」、「人々の分断」、「幼い少年と家族の運命」、そして「生まれ育った場所への想い」は、否が応でも現実と重なってしまう。

今回セリフを聞いていて(日本語字幕を読んでいて)、心に残ったものがたくさんあったのだが、その中から以下に3つだけ挙げてみる。

〇「この街には、「我々の」サイドも、「彼らの」サイドもないんだ。とにかく、サイドなどなかったんだ。(There is no 'our' side and 'their' side in our street. Or there did'nt used to be, anyway.)

〇算数の宿題で、好きな女の子の隣に座るためにわざと正解と紛らわしい数字を書くことを祖父に勧められ、「正解は一つしかないよ。」と言ったバディに対しての祖父が返した言葉、「答えがひとつなら紛争など起きんよ。(If that were true son, people wouldnt be blowin themselves up all over this town.)

〇移住することになったバディ(プロテスタント)がキャサリン(カトリック)に花束を渡し、父親に「あの子と結婚できるかな?」と聞いた後の父親のセリフ「彼女がカトリックだろうと、ヒンズー教や、何か他の宗教の信者だろうと、彼女が優しくて、温かい人でお互いに尊敬し合えるなら、いつでも家族として迎えるよ。(That wee girl can be a practicing Hindu, or a Southern Baptist or a Vegetarian Anti-Christ. But if shes kind and shes fair, and you two respect each other, she anher people are welcome in our house any day of the week. Agreed?)

 

日本語のセリフは、「映画ベルファスト」から聞き覚えのものを思い出して。

英語は、以下シナリオのPDFから

https://deadline.com/wp-content/uploads/2022/01/Belfast-Read-The-Screenplay_Redacted.pdf

 

あと、1960年代の懐かしい音楽や、映画「スタートレック」、「チキチキバンバン」、『サンダーバード』のコスチュームなどが登場していて、なんだか懐かしく感じた。

 他にもアガサ・クリスティの小説や、『マイティ・ソー』のアメコミも登場していた。監督ケネス・ブラナーの過去への郷愁と、今でも決して色褪せない作品たちへの愛がそこにはたっぷり注がれているようにも感じた。

祖母グラニー役には『007』シリーズで有名な世界的大女優ジュディ・デンチが演じていて、音楽はベルファスト出身のヴァン・モリソンが担当していて、いい味を出していた。

 

 




#317 202253

 

川野裕満子からあなたへ

 

 

朗読、川野裕満子

川野裕満子作 『母の顔』

 

58日は、『母の日』です。

「母」という存在無しに人はこの世に生を受けることはできません。

けれど母と子の関係は千差万別。

どんな関係であっても一年に一度ぐらいは心から「ありがとう」と言いたいですね。

 

 





#316 202251

 

ルミカからあなたへ

 

「みんなで取り組む『難民の皆さんと進む20億キロメートル』プロジェクト第13回みんなの合計距離」

 

5月の爽やかな風が感じられる日々となりました。花や樹々も鮮やかで美しく、見ているだけで癒されたり、明るい気持ちにしてくれます。自然を感じながら、想いを寄せ、一緒に歩みましょう。

 

4月のドネーション』5,000円と『ウクライナ応援ポストカードご購入代金』5,000円、計10,000円を国連UNHCR協会様にお送り致します。ご協力に感謝致します。

 

3月・4月のご報告をいただいた皆さん、ありがとうございました。

 

51日現在、個人参加50人、団体参加2095人、合計145人で、難民の方々に想いを寄せて「歩いた」「走った」「自転車に乗った」「泳いだ」皆さんの2ヶ月の合計距離は「12007.841 km」でした!第1回からの総距離は「 102,658.189 km」になりました。

 

1926012.794km

21136823.639km

31276949.398km

41377944.041km

51377795.52km

61416761.186km

71416532.551km

81447713.115km

91457883.713km

101457726.116km

111456364.227km

1214512134.052km               

1314512007.841km               

 

★第1回〜第13

    102658.187km

 

次回報告日は71日です。

5月・6月の合計距離をご報告ください。

 

毎日、まずご自身の心身の健康を大切にお過ごしください。そしてご家族やお友だちと一緒に歩いたり、運動したりする時間を楽しみましょう。

 

プロフィール:スポーツトレーナー、blue earth green treesみんなで取り組む『難民の皆さんと進む20億キロメートル』プロジェクトリーダー

種を蒔く:#288, 264, 255, 242, 233,  225,  214, 201, 190, 181, 168, 154, 140, 126

 

 




#315 2022430

 

木村直子から あなたへ 5月の詩

 

五月のように  竹内浩三

 

なんのために

ともかく 生きている

ともかく

 

どう生きるべきか

それは どえらい問題だ

それを一生考え 考えぬいてもはじまらん

考えれば 考えるほど理屈が多くなりこまる

 

こまる前に 次のことばを知ると得だ

歓喜して生きよ ヴィヴェ・ジョアイユウ

理屈を云う前に ヴィヴェ・ジョアイユウ

信ずることは めでたい

真を知りたければ信ぜよ

そこに真はいつでもある

 

弱い人よ

ボクも人一倍弱い

信を忘れ

そしてかなしくなる

 

信を忘れると

自分が空中にうき上がって

きわめてかなしい

信じよう

わけなしに信じよう

わるいことをすると

自分が一番かなしくなる

 

だから

誰でもいいことをしたがっている

でも 弱いので

ああ 弱いので

ついつい わるいことをしてしまう

すると たまらない

まったくたまらない

 

自分がかわいそうになって

えんえんと泣いてみるが

それもうそのような気がして

あゝ 神さん

ひとを信じよう

ひとを愛しよう

そしていいことをうんとしよう

 

青空のように

五月のように

みんなが

みんなで

愉快に生きよう

 

(ボクの20回目の誕生日の日、これをボクのために

 そしてボクのいい友だちのためにつくる)

 

2022. 大阪旭区


 種を蒔く:#302,294, 289, 285, 274, 256, 248, 243, 234, 226, 215, 210, 202, 191, 182, 178, 169, 155, 133, 114, 101




#314 2022423

 

矢倉真由子からあなたへ

 

13回『子育てカフェ』のご報告

 

13回「子育てカフェ」の参加者は、3名でした。

ご参加いただき、ありがとうございました。

 

日常の中で、子どもたちの言動に感情が揺さぶられる時、自分が子どもの頃は同じような場面でどのように感じていたのだろうと考えることがあります。

 

子どもの立場に立ってみれば(大人同士でもそうかもしれませんが…)行動を改めた方がよいなと感じていても、周りから怒りの感情で伝えられると自然と反抗心が生まれるように思います。

 

怒りの感情を発する側も、そのような伝え方はよくないと頭ではわかっていても、内側に感情を留める余地なく…といった状況になっていることが多いのではないでしょうか。

 

子どもの言動の意味を、少し立ちどまって考える余裕を持てるよう(もちろん危険が伴うなどの場合は、そうは言っていられませんが…)、自分自身のメンテナンスも工夫していきたいものです。

 

互いのさまざまな思いが交差しながらも、相手に向かい合う本気度がどのくらい自分の根底にあるかを見つめてみるのも大事なように思います。

 

参加者の皆さんからのドネーション5,000円はAMDA社会開発機構ミャンマー事業にご活用いただきます。

 

次回の皆さまのご参加を、心よりお待ちしております。

 

blue earth green trees子育てカフェ・プロジェクトリーダー

 

【参加者の声】

Today learned from our sharing to listen. We observe and trust our children.Even if you want to correct or help them,  sometimes you need to keep quiet and let them do things on their own. Give them freedom with supervision.

 

 




#313 2022423

 

岡本幹子からあなたへ

 

   養護教諭生活39年の最後の2年は、まさに新型コロナ感染症対策の日々でした。令和22月末から5月末まで、学校は前代未聞の一斉休校となりました。今後どうなるのか不安な中、勤めていた中学校でも感染症対策、学習保障、行事の見直しなど検討事項が山積。学校再開に向けて健康観察の手順の確認、消毒準備、保健室の検温ゾーン化などの対策を進めつつ、何より心配なのは自宅で過ごしている子どもたちの生活状況と心の問題でした。

 

   そのため教職員で話し合い「こころとからだの健康チェック」を実施しました。

その結果、夜型の生活に移行する傾向、3食食べないこともある場合は3割、「なかなか眠れない」「疲れやすい」「気分が沈む」などの心の様子についての項目において「時々ある」「ほぼ毎日ある」と答えた生徒が約3割ありました。

 

   新型コロナの感染は収束の見通しが立たず、学校ではマスク、消毒、黙食、行事の制限などが続いています。その中、子どもたちにリラックスを感じてもらいたいと思い、体育教師と連携して呼吸を意識したヨガのポーズを実践してみることにしました。

「今の自分のこころとからだを感じてみよう」

「人と比べず、無理をしないで」

「自分が気持ちいいことが大切」

「今ここにいること、仲間とヨガができることに感謝して」

 

    呼吸をしながら、自分のからだや気持ちに集中して動いていけるよう優しく言葉をかけ誘導しました。私がはじめてヨガを体験したときのからだの気持ちの良さ、連帯感を感じてくれたらいいなと願いながら。

 

   子どもたちの中には、「初めてだったけど辛くなくてスッキリした」「久しぶりに気分が軽くなった」「体育館の窓から差し込む光がきれいでリラックスした」といった感想があり、リラックス度が高まったことがわかりました。

 

    コロナ感染が始まって3回目の春を迎えました。このような状況だからこそ、心の安定は本当に大切だと感じます。リラックスの方法は色々あると思いますが、自分の呼吸と連動して体をうごかすことで、伸びているところ、ちぢむところをしっかり意識しながら、心の安定を図り、仲間とのつながりを感じるヨガの時間を思い出してほしいです。

 

プロフィール:元養護教諭、現在特別支援教育サポーター

 

 




#312 2022417

 

東口千津子からあなたへ/From HIGASHIGUCHI Chizuko to you

 

いつもblue earth green treesへのご理解・ご協力をありがとうございます。多様なプロジェクトにご参加いただいているお一人おひとり、一緒に歩んで下さっているお一人おひとりに感謝申しあげます。

仙台から札幌に転勤となった息子の暮らしは藻岩山の麓で始まりました。藻岩山はアイヌ語で「インカルシペ/Inkar-us-pe」(いつも眺める所、いつも上がって見張りをするところ)と呼ばれた場所で、頂上からは札幌市とその周辺、そして石狩湾を望む景色が広がります。原始林には多くの動植物が生息しており四季折々の自然が豊かな場所ですが、冬の暮らしは大雪の中でさまざまな工夫が必要で、地域の皆さんが助け合っておられる様子が伝わってきます。

 国内外の多様なコミュニティには独自の美しい自然と丁寧な暮らしがあり、平和の文化が創造されるための努力が続けられるからこそ、守られるべきものが守られていると感じます。それぞれのコミュニティには解決されるべき課題があり、地域の皆さんがお互いの声を聴き合いながら、少しずつ解決に向かっておられ、それぞれの取り組みのプロセスには学ぶところが多くあります。

 世界の多様なアングルから報道されるニュースを見ながら、ウクライナやロシアや周辺の国の人々の声に耳を傾けながら、歴史に学びながら、個人・組織・国・世界について考え続けています。

 「conflict/葛藤、対立」がみられる時の解決策は「強制」や「服従」ではなく、「協調」であることを民主主義の社会で育った私たちは学び、家庭で、学校で、職場で、それぞれのコミュニティでチャレンジし、実践してきました。

 対立する双方が理解を深められるように、安心できる環境でそれぞれの話を丁寧に聴きとり、双方が孤立することのないように調整していくプロセスでは、中立的な立場で間に立てる人/組織が必要であり、重要な役割を担います。そして、対立する双方も支える役割のメンバーも関係する全員がそのプロセスを通じて、自らの内側に「聴く力」、「受け止める力」、「理解する力」、「相手に伝わりやすい表現力」、「より高次の目的地を見つける力」、「折り合える地点を見つける力」、「具体的な行動を重ねていく力」、「振り返る力」、「感受性」などを磨き続けることが必要なのではないでしょうか?孤立感や不安感や恐れにとらわれたままではなく、冷静さや客観的視点を持ちながら安心感や信頼感を共有するプロセスを経験しながら、個人/組織がより聡明な判断を重ね、平和の文化を創造する方向へ歩んでいけるようにイメージを持ち続け、行動し続けたいと思います。

 まだ国内から外に出たことがなかった頃、「preventive diplomacy/予防外交」は国連のミッションの中心に置かれていると学び、国連は世界の紛争を解決してくれるのだと楽観視していた時期がありました。自分自身が世界のできごとにふれ、国内外の多様な人々に出会いそれぞれの異なる声を聴かせていただき、多様な経験を重ね、現実を知っていくと、世界の秩序を保つには国連のみに頼るのではなく世界を構成する私たち一人ひとりが平和の文化を創造するために知恵を育て、共通の宝物である子どもたちや豊かな自然を守るために日々たゆまぬ努力を重ねていくしかないことに辿り着きます。

 413日、グテレス事務総長は、国連主導での人道的停戦について「現時点では可能ではなさそうだ。民間人の退避を保障し、人道支援ルートを確保するためにできることは多くある」と語り、交渉を続ける考えを伝えました。また「食料やエネルギー、金融における3重の危機が加速している。17億人が食料・エネルギー価格の影響を受け、貧困と飢餓が拡大している」と述べました。

 「争いの発生を防ぐとともに、現に存在する争いが紛争へと発展する前にその解決を図り、もしくは紛争が発生した場合はその拡大を制限する。それは仲介、調停もしくは交渉の形をとることもある。」という役割をもつ国連ができることを続ける中、この難しい情勢に変化をもたらすことのできる個人/組織が、この世界にまだおられるのではないかと思いを巡らしています。科学的視点と人道主義に基づいてさまざまな難局に向き合い、確かなリーダーシップを発揮されたMs.Angela MERKELは、今、何をどのように見つめておられるのか、Ms.MERKELと共に行動していたチームのメンバーは誰のためにどのような場所で働いておられるのかと考えます。そして繰り返しとなりますが、やはり私たち一人ひとりも国内外の自然や多様な人やできごとから学び続け、考え続け、行動し続け、個人/組織/国が孤立しない関係性を育て続け、平和の文化に繋がる一瞬一瞬の判断を重ねていく努力を続けていく必要を感じます。

 青い地球にも限界があり、すべてを許容できる万能な存在ではないことに気づいた私たちは、大文字のBlue Earthではなく小さな限りのあるblue earthとして認識し、それぞれのコミュニティに存在する自然を大切に、丁寧に暮らしていくことで、次世代にこの美しい地球に暮らせるバトンを渡していけるのだと思います。

 国内外のそれぞれの小さなコミュニティに暮らす私たち一人ひとりは小さな木のような存在であるかもしれないけれど、多様な一本一本がそれぞれのあり方で根を張り、枝を伸ばし、鮮やかな緑の葉をつけ、blue earthの美しさを守ることのできるgreen treesのように生きていくことができれば、世界はどんなに平和であるだろうと想像します。

本当に大切なことはそれほど多くないことを心で見つめ、それぞれの場所でLove, Peace, Freedom & Diversityの種を蒔き続けましょう。

We already know that the blue earth has its limits.  Imagine that we can live just as green trees so that they are able to protect and save the beauty of this blue planet.  Imagine that we can live a peaceful life if we are able to live like green trees and enjoy the beauty of each tree.  Let’s sow the seeds of Love, Peace, Freedom and Diversity in each family, each school, each place to work and each community in the world.

 

プロフィール:一般社団法人blue earth green trees代表理事

種を蒔く:#307, 287, 271, 261, 244, 174, 158, 145, 125, 118, 79, 56, 42, 1

 

 

 

 




#311 2022416

 

尾松貴美からあなたへ

 

日頃はフェアトレードプロジェクトにご協力頂きありがとうございます。

この度、マルシェバックをご注文いただいた皆様、423日からお渡しできる予定です。

どうぞお楽しみに!

 

100%オーガニックコットンで作られたフェアトレードバック。

持ち手が可愛く、コンパクトに折りたためる薄手仕様です。価格1000円(税込み)

 

 

さて、5月はフェアトレードキャンペーン月間です。

 

フェアトレード商品を買う、味わう、SNSで広める、イベントに参加するなど、様々な形でキャンペーンに参加することができますので、この機会に是非ミリオンアクションキャンペーン特設サイトを覗いて見てください。

 

ミリオンアクションキャンペーン特設サイト

https://fairtrade-campaign.com/

 

*プロフィール:同時通訳・翻訳家

blue earth green trees フェアトレードプロジェクト・リーダー

種を蒔く:#275,1651421399

 




#310 202249

 

岩崎裕保からあなたへ

SDG4(エス・ディ・ジー・フォー)教育キャンペーン」のお知らせ

 

SDG4(エス・ディ・ジー・フォー)教育キャンペーン」は、SDGs(持続可能な開発目標)のゴール4(教育目標)を達成するための世界規模のキャンペーンです。

毎年4月に、市民の声を政府へ届け、政策に反映することを目的とするグローバル・キャンペーン(GAWE: Global Action Week for Education)が世界100か国以上で実施されています。教育分野の国際協力NGO20団体の連合体である「教育協力NGOネットワーク(JNNE)」は、日本において「SDG4教育キャンペーン」(旧:「世界一大きな授業」キャンペーン)を実施してきました。

2003年の開始時より延べ58万人以上が参加し、2021年は3,896名の子ども・ユース・市民が参加しました。今年も、世界中のNGOや教職員たちのネットワークを通じて、世界100か国で一斉に開催されます。

 

参加は個人でもグループでも可能です。無料の教材やイベントもあります。

以下の情報をご覧になって、市民の声を届けましょう。

もちろん情報の拡散も大歓迎です。

 

   *    *    *    *

SDG4を達成するための声を届けよう/

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SDG4教育キャンペーン2022

https://www.jnne.org/sdg2022/

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実施期間:202241日(金)~531日(火)

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現在、世界の子どもの25,900万人が小中高校に通えていません。また、読み書きができない大人は7億3,000万人も存在し、うち6割は女性です。新型コロナウイルス(COVID-19)による学校閉鎖のため、ピーク時には約15億人の子ども・若者が就学の機会を奪われました。

 

日本においても、小中学校に行っていない外国籍の子どもは2万人、小中高校における不登校の子どもは23万人もいます。また、日本語の読み書きが不自由な大人もいます。

 

「持続可能な開発目標(SDGs)」では目標4「質の高い教育をみんなに」を掲げていますが、COVID-19の影響により「世界の教育分野のこの20年間の前進は帳消しになった」ともいわれています。そんな今だからこそ、SDG4達成のための政策を実現するために、みんなの声を国会議員と日本政府に届けましょう!

 

●実施期間

202241日(金)~531日(火)

 

●対象者

個人・学校・グループで、どなたでも参加できます

 

●参加方法:3つの方法のいずれかで参加できます

(1)オンラインで選択・投票する 

(2)授業・ワークショップをやる

(3)子どもロビイングに参加する

※オンライン投票は41日(金)~

※キャンペーン公式教材(無料)をご利用ください。

 

教材お申込み、選択・投票はウェブサイトからどうぞ

https://jnne.org/sdg2022/

 

●政党アンケート結果を公開!

SDG4教育キャンペーンは、今年3月に9政党にSDG4(教育目標)に関するアンケートを実施しました。8政党(自民・公明・立憲・共産・維新・国民・れいわ・社民の各党)から得た回答を掲載しています。

https://www.jnne.org/sdg2022/know/

※政党名は6月1日以降に公開します

 

回答を読んで、あなたが最も賛同する政党は?

オンライン投票でキャンペーンに参加できます。

https://www.jnne.org/sdg2022/voice/

 

アンケート結果を使って授業をやってみよう!

市民教育・主権者教育の機会にもなります。

https://www.jnne.org/sdg2022/think/

 

●子ども・ユース代表募集中

24歳までの子どもやユース世代から各政党や関係省庁へのロビイング・政策提言を行うメンバーを募集します。事前研修・トレーニングを行いますので、初めての方もぜひチャレンジしてみてください。

https://www.jnne.org/sdg2022/lobbying/

 

●事務局:「SDG4教育キャンペーン」事務局

開発教育協会(DEAR)内

E-mailgce.japan.campaign@gmail.com

※お問い合わせはメールでお願いします。

 

URLhttps://www.jnne.org/sdg2022/

Facebookhttps://www.facebook.com/jnne.gce

Twitterhttps://twitter.com/JNNE_GCE

 

●主催:教育協力NGOネットワーク(JNNE

教育協力に関わるNGO21団体を中心としたネットワーク

https://www.jnne.org/

 

●実施団体

認定NPO法人 開発教育協会(DEAR

公益社団法人 ガールスカウト日本連盟

公益社団法人 シャンティ国際ボランティア会(SVA

公益社団法人 セーブ・ザ・チルドレン・ジャパン(SCJ

認定NPO法人 チャイルド・ファンド・ジャパン(CFJ

公益財団法人 プラン・インターナショナル・ジャパン

認定NPO法人 フリー・ザ・チルドレン・ジャパン(FTCJ

NPO法人 ラオスのこども

認定NPO法人 ワールド・ビジョン・ジャパン(WVJ

 

 

プロフィール:blue earth green trees SDGs勉強会プロジェクトリーダー。同志社大学法学部政治学科卒業、同大学院アメリカ研究科修了。ニュージーランドが関心の地域。私立中高で英語を教え、その後大学に移って「平和研究」「国際協力論」「NGO/NPO論」などを担当。2008年から6年間開発教育協会(DEAR)代表理事。今はDEAR監事と関西NGO協議会(KNC)監事。

種を蒔く:#303,292, 266, 259, 254, 237, 224, 197, 175, 143, 124, 121, 98, 79, 73, 69, 67, 48

 

 




#309 202249

 

小原祥子からあなたへ

 

<第4回ひとときカフェ>

327()、前回に続き雨模様の奈良にて、第4回ひとときカフェを無事開催することができました。ご参加の皆さま、ありがとうございました。

 

初めてご参加の方々、親子で一緒に参加してくださった方々もおられ、今回もたくさんの新たな出会いが増えたひとときカフェ。回を重ねるごとに、豊かな出会いと時間が重なり広がってゆく幸せを感じております。

 

限られた時間の中ではありますが、皆さまが日頃取り組んでおられることや日常生活の中で感じておられること、親子それぞれがその時々で感じてこられたことや今の想いなどをお話しくださり、それぞれの「今」を聴き合える貴重な時間になったと感じられ、プロジェクト名の副題でもある「それぞれの旅、想いの交差点」という言葉とともにしみじみうれしく思い返しています。

 

今ここで出会っている目の前の方々のお話から、皆さまの重ねておられるいろいろな時間を感じるとともに、親子だからこそこれまであえて伝え合うことのなかったそれぞれの大切な想いをこの場で言葉にしてくださったことからは、その場に別の誰かが居合わせることで初めて伝え合えるご家族の大事な想いもあるのだという、目から鱗が落ちるような新鮮な気づきと大きな感動をいただきました。

 

お互いを深く思いながら話され、お互いの言葉に心を込めて耳を傾けておられるお母さまとお嬢さまの姿にも、お一人おひとりに温かな関心を向けながら、互いのお話を自然に朗らかに聴き合ってくださった皆さまの温かなご様子にも、今、ここで「ひととき」をご一緒させていただけることのかけがえなさやありがたさを、改めて実感いたしました。ご参加の皆さまがお作りくださった時間と空間に、今回も共に居させていただけたことに深く感謝しております。皆さま、本当にありがとうございました。またご一緒させていただけることを楽しみにしております。

 

次回、第5回ひとときカフェは、528()開催の予定です。皆さまのご参加をお待ちしております。

 

プロフィール:blue earth green trees ひとときカフェプロジェクトリーダー

種を蒔く:#247, 231, 213, 7

 




#308 202249

 

天沼耕平からあなたへ

 

いつもUNHCRの難民支援活動にご協力いただいている皆様方へ

 

いつも大変お世話になっております。

国連UNHCR協会の天沼耕平と申します。

皆様方には、いつも世界中の難民となり、困難に立ち向かう人々を支えていただき、改めて深く御礼申し上げます。

 

戦争が始まって1か月以上が経ち、犠牲者は後を絶ちません。

犠牲になるのは、いつも民間人であり、無垢な子どもたちも多く含まれます。

メディアでも日夜取り上げられておりますが、この記事を書いている時点で、国境を越えて避難を難を強いられる人々は400万人を超え、国内避難民も650万人、避難すらできずに苦境に立たされている人が1300万人以上おります。

人口4000万人以上のウクライナで半分以上の人々が、想像を絶する苦痛の中にいます。

 

数字で語ることは、ある意味簡単なことかもしれません。

もし、自分が同様の状況になったら、想像することも苦しい、そう思われる方も少なくないでしょう。

一人ひとりの命の瞬間を考えたとき、皆様からいただくご支援が本当に大きな意味を持つと、この仕事をしているといつも強く思います。

爆撃によって全てを失ってしまった人々にとって、今、行われている支援は本当に生命線なのです。

 

ウクライナ国内では、以前より6カ所の拠点と3カ所の倉庫を配備し、もちろん近隣国においてもUNHCRは活動を続けており、この危機にいち早く対応してまいりました。

現在、150名以上のUNHCR職員とそのパートナー団体が、命がけで支援活動を続けています。

 

~ご参照いただければ幸いです~

【続報】ウクライナ緊急事態

https://www.japanforunhcr.org/news/2022/Ukraine-report

戦争が始まり1か月、ウクライナの人口の約4分の1が避難

https://www.japanforunhcr.org/news/2022/month-since-start-war-quarter-Ukraines-population-displaced

 

~~~~~~~~~~~~~~

 

 

現在、日本国内はもちろんのこと、世界中で支援の輪が広がっています。

一刻も早くこの戦禍が終わることを祈りつつ、私たちができることで命の灯を消さぬよう、ひきつづき皆様の御力を貸していただければ幸いです。

 

ウクライナ緊急支援は以下の窓口より受け付けておりますので、ぜひご覧くださいませ。

https://www.japanforunhcr.org/campaign/ukraine

Tポイントでご支援いただけます

https://donation.yahoo.co.jp/detail/250013

 

ウクライナ以外にも多くの国や地域で厳しい現状は続いております。

すさまじい時間が流れておりますが、ぜひ、ともに世界を良き方向に変えていく輪をつくっていければ幸甚です。

 

皆様のますますのご発展とご健康をお祈り申し上げますとともに、今後とも何卒よろしくお願い致します。

 

プロフィール:国連UNHCR協会職員

種を蒔く:#293, 269, 258, 245, 238, 217, 203, 192, 183, 172, 162, 146, 141, 127

 

 




#307 202242

 

東口千津子からあなたへ/From HIGASHIGUCHI Chizuko to you

 

 先日316日、「種を蒔く#296」で2011311日の東日本大震災から11年が過ぎたことにふれ、「遺族の方や原発事故被災地で苦しむ方々の抱える課題を、引き続き、多面的に考え続け、できることを行動に移していく必要があると感じます」と書きました。その夜2336分に、福島県沖でマグニチュード7.3の地震が発生しました。仙台に暮らす息子も地震発生直後にドアの開閉を確かめ、すぐに避難できる状態を意識したそうです。被災された皆さんに心よりお見舞い申し上げます。倒壊や断水などの環境下で助け合い、協力し合っている被災地の皆さんと共に考え、防災についての意識を高め、一つ一つの課題に対して取り組み続けたいと思います。 

 「大切な人を想う気持ち」、「無事を祈る気持ち」を一人一人が心に抱き、家族や友人や繋がる人が安全で穏やかな日々を過ごせるようにと願うことは世界のどの国でもどの地域でも共通した深いものです。

 UNHCRは330日、ロシアのウクライナ侵攻に伴い、ポーランドやハンガリー、モルドバやルーマニアなどの近隣諸国に逃れた難民が400万人を超えたと発表しています。また、1300万人以上が国内で避難できずにとどまり、約650万人が国内で避難生活を送っていると伝えられています。

 人道的危機の深刻な状況が続き、家族が引き裂かれ、家を無くし、絶え間ない恐怖の中でこの瞬間を過ごしているウクライナの人々のことを思うと心がいたみ、苦しい気持ちになります。

 私たちにできることはささやかでも、平和的解決を願いながら、行動を続けていきたいと思います。

 312日から330日までのblue earth green treesウクライナ応援プロジェクトにご参加・ご協力いただいた皆さま、ありがとうございました。

◆参加人数(メッセージでのご参加を含めて):91

◆ドネーション額:228,500

・全額を国連UNHCR協会様へお送り致しました。ウクライナ国内外の避難民の皆様のためにご活用いただきます。

3/10 blue earth green treesより95,000

3/12&3/13 ドネーションプロジェクトより82,000

3/14~3/29 皆様より51,500円(Love, Peace, Freedom & Diversityポストカードご購入分も含めて) 

 プロジェクトレポート『ウクライナ応援プロジェクト』に皆さまから届けていただいたメッセージを掲載しています。「軍事侵略に反対し、一刻も早い平和的解決を望む」、「ウクライナやロシアや関係諸国について知る努力をする」、「お互いを理解し合い、助け合い、支え合う力を身につける」、「ロシア市民に戦争反対の声を届ける」、「生き抜いてほしい」、「市民が国家権力の濫用を許さない」、「民主主義・人権思想を醸成する」、「愛や思いやりの精神を広げていく」、「対話によって停戦してほしい」、「正しく知る、正しく理解する」、「多面的に物事を見ていく」、「地球市民となるプロセスを進む」、「軍事行動には合理性はなく、有効でもなく、無益に帰すものである」、「市民が自由に喋り合うことがとても大切」、「Let peace, freedom and love reign in our hearts.」などのお一人おひとりのメッセージに共感し学び、同じ方を向いて平和的解決を祈りながら、知恵を出し合い、できることを続けていきたいと思います。

「ウクライナの皆さんを想う気持ち」「平和への願い」など、引き続き、メッセージをお届けいただけましたら掲載させていただきます。

 また4月末までの期間、blue earth green treesの「Love, Peace, Freedom & Diversityポストカード」ご購入額をウクライナ国内外の避難民の皆さんのために活用いただけるように致します。

 私たち個人が何を大切に感じ、どのように自分自身を育て、どのように人と信頼関係を築いているのか、また組織との関係、国との関係をどのように構築しているのか、日々、見つめ続ける必要を感じます。自分の軸を内側にしっかり育て、自分で考え、自立的に行動し、さまざまな瞬間に自他を尊重する聡明な判断を重ねながら、個人や組織や国と健康的な関係を育て続けることが、危機状態に陥ることを防ぎ、自他を守ることに繋がるのではないかと考えます。

Love, Peace, Freedom & Diversityの種をさまざまな場所で蒔き続け、軍事行動ではなく、多様な一人一人の声を聴き合い、対話で平和の文化を育てる方向へ、皆さんと一緒に歩み続けたいと思います。世界各地の若者たちや子どもたち、その次の世代、もっと先の世代の一人ひとりの生命が大切にされる社会を創っていけるように。美しい自然が守られる世界でありますように。

 We hope that a peaceful resolution can be brought in Ukraine, Russia and other countries as soon as possible. We also hope that you, your family and your friends will be able to live safe and healthy in your beautiful community.   

 

プロフィール:一般社団法人blue earth green trees代表理事

種を蒔く:#296,287, 271, 261, 244, 174, 158, 145, 125, 118, 79, 56, 42, 1

 

 




#306 202242

 

From Armin PITHAWALA to you

 

Dear Team of Blue Earth Green Trees,

 

I am delighted to get this opportunity to express my gratitude to Blue Earth Green Trees for their noble service during trying times. My special thanks to Chizuho Higashiguchi san and Mask project team for coordinating with me for sending 150 cotton masks to my hometown Navsari, South of Gujarat, India, during the deadly second wave of Covid-19 which I distributed in my neighborhood, friends, family and community.

The masks were of good quality and lovely designs that even children loved it. They are so durable that they are still good to use even now. It was indeed a valuable contribution at the time when we needed it most.

I feel proud to be a supporter of this wonderful NGO which tirelessly serves mankind with humility, kindness and love.

 

Warmest regards,

Armin Pithawala

 

Seedfolks:#186

 

 




#305 202242

 

松本由季子からあなたへ

 

1回手作り布ナプキンワークショップのご報告

 

326日㈯に行われた第1回手作り布ナプキンワークショップの参加者は、8名でした。

ご参加、ご協力いただいた皆様ありがとうございました。

 

先日、厚生労働省から「生理の貧困」に関する初の調査結果が発表されました。調査は2月上旬、インターネットで1849歳の女性3千人に、コロナの流行が始まった20202月ごろ以降の状況を尋ねたもので、経済的理由などで生理用品の購入・入手に苦労した経験がある女性が8.1%に上ることが分かりました。特に、20代以下では12%超となり、若年層が目立つ結果となっています。

 

このように、日本においても「生理の貧困」が問題となっておりますが、途上国における「生理の貧困」の問題は更に深刻で、厳しい現実があります。

 

ワークショップにご参加いただいた方々の感想にもありますように、様々な方にこのような国内外の問題に目を向けていただき、「手作り布ナプキンを届けようプロジェクト」をはじめ、blue earth green treesの活動にご協力いただけるとうれしいです。

 

次回の皆様のご参加をお待ちしております。 

 

参加者の皆様からいただいたドネーション(第4回ひとときカフェのドネーション額と合わせて)20,500円は、AMDA社会開発機構様へお送りし、ホンジュラス事業にご活用いただきます。

 

参加者の皆様に作成いただき、お預かりした手作り布ナプキンは、AMDA社会開発機構様事業国のホンジュラスへお送りし、ご活用いただきます。

 

◆参加者の皆さまのお声

 

・お会いしたこともない世界の人の姿を心に想いながら、一針一針、針をさすという貴重な体験でした。同じ場で一緒に誰かを想い、ものを作る皆さんの存在も、少しの時間でしたが、仲間のように感じる時間でした。

 

・家にあるもので簡単に作ることができるのがわかりました。改めて家でも作ってみようと思います。また、布ナプキンについてもっと調べ、広めていけたらいいなと思います。本日はありがとうございました。

 

・初心者が手作りするためのマニュアルから型紙やプラスチックボタンまでご用意いただき、ありがとうございました。準備が大変だったのではないかと思います。おかげさまで、初心者も迷子になることなく、何とか作り上げることができました。第1(写真)はちょっといびつで使いにくそうなので、再度トライしてみたいと思います。日本でも、ナプキンが買えずに困っている女の子たちが増えているとニュースで読みました。こういう試みが、国内外の問題に向き合うきっかけになっていくことを願います。

 

・事前準備をきめ細やかにしていただいていたので、作業の流れがわかりやすかったです。久々の手芸でしたが、手作りする時間が楽しかったです。

 

 ・初めて布ナプキンを作りました。環境への観点から、もとから興味はありましたが、自分ひとりで作ってみることはなかったので、とても良い機会でした。ありがとうございました。

 

プロフィール:blue earth green trees手作り布ナプキンプロジェクト・リーダー。愛媛県出身。臨床心理士・公認心理師・看護師・保健師の資格を持ち、精神科病院臨床を経て、スクールカウンセラーや学生相談室カウンセラー、大学非常勤講師として勤務。やわらかくしなやかな心と身体を目指して、2010年からヨガをはじめ、学びを深めている。二人の息子の母としても、子どもたちの夢を応援中。

種を蒔く:#272,265, 230, 78, 46, 8

 

 




#304 202242

 

野田佳代からあなたへ

 

日本からは、本当に何ができるのか、無力さを感じています。

戦争には反対しながらも、こちらでは、役者として特攻隊の舞台に出て、少しでも皆さんの関心が高まればと思っていました。それでも平和な国でいるという気持ちもあったのだと思います。本当にウクライナ侵攻が実際に起こったことは信じ難く、子どもたちが亡くなったことには、深く憤りと、やり場のない悲しみを感じて止みません。

 

どうか一瞬でも早く、平和的解決を。そして戦場となったウクライナの復興を願います。

 

プロフィール:関西大学文学部英米文学科卒、松竹芸能専属タレントを経て結婚、現在英会話教室主宰、女優(現在フリー)、カメラマンとしても活動、二児の母。

 

 




#303 2022327

 

岩崎裕保からあなたへ

 

ウクライナで起こっていることは一体どういうことなのでしょう。実質的には戦争なのでしょうが、宣戦布告をしていないので、形式的には戦争とは呼べないことなのでしょうか。

人を殺すということが実際行われており、それは許しがたいことです。

国家が武力を使って問題解決をしようとするとき、その態度や行動は民主的手続きに基づいて決められることはありません。今回も、ロシアの市民は多くを知らないままでしょう――知らされていないと言った方が正確でしょう。専制国家の翼賛状況でコトは進められます。(アメリカ合州国は、第二次世界大戦を最後に、議会は一度も宣戦布告をしていませんが、この間もっともも多くの戦闘行為を行ってきた国家です。9.11の後、「反テロ戦争」に入りましたが、この時は武力行使を認める決議に反対したのはたった一人の議員だけでした。専制国家でなくとも翼賛体制が出来上がってしまいます。)

 

僕は、この一か月間、日本のことが気になって仕方ありません――ウクライナの状況を他人ごとだととらえているのではありません。

かつて日本は軍事力で国境線の変更を強いました。第二次世界大戦ではアジア・太平洋地域では2000万を超える人の命が奪われ、日本人の犠牲者は310万人でした。軍事行動には合理性はなく、有効でもなく、無益に帰すものであることを、日本は学んだハズです。そういう経験を持つ者として、軍事力で何かを成し遂げようとすることの無意味さを、客観的に世界に訴えることができる立場に日本はいるのではないでしょうか。日本国憲法前文はそういう国家になりたいという宣言です。しかし、戦後、日本社会はアジア・太平洋の諸国ときちんと向き合わないままに、常に米国の側にいます。これでは前文にある理念を実践するのは無理というものではないでしょうか。

米軍はインド洋の西のモーリシャスに、グアムに、ハワイに、そして沖縄に基地を持っています。そしてソコは植民地的に支配されています――「自由で開かれたインド・太平洋」とか「QUAD(日米豪印)」はそういう構造のもとにあり、日本政府はこれを積極的に進めつつあります。軍事(広島・長崎)と民生(福島)のどちらもの核被害を受けた日本社会は核――兵器も発電も――の廃絶を訴える資格があるにもかかわらず、ことに今回のウクライナの状況を利用して、核の拡大政策を声高に言い出した人たちがいます。冷静に考えれば、核の廃絶が安全や平和につながることは明白です。その努力こそ意味があるにもかかわらず、正反対のことを唱えるのは安全や平和を望まないことなのでしょう。こういう人たちは、過去を見て「日本をとりもどす」とか「アメリカをとりもどす」などと言います――「ソ連をとりもどす」というのも同じです。論理的に考えず、気分が先行する思考になっています。ニュース番組の中で”I am not ABE”と書いた人は批判され、その番組から降ろされましたが、今回ロシアのニュース番組の中で”NO WAR”と書いた人は称賛されています。こういうのをダブル・スタンダードというのでしょう。

今の日本は、専制国家ではなく民主国家でしょうか、翼賛的になっていないでしょうか。社会が怪しい情況にあるときには、市民が自由に喋り合うことがとても大切だと思います。無駄のない効率的な社会が理想のように語られることが少なくありませんが、オシャベリはそういう主流の脇にある遊水池のような存在かもしれません――流れを緩やかにして、横に外れて溜まることで氾濫を防ぐ。そういう場所を意図して作る、意識的に設ける知恵がオシャベリというわけです。

フランク・パヴロフという心理学者が書いた寓話『茶色の朝』(大月書店)は、読んで楽しい本ではありませんが、こんな状況になってしまったいま読む価値のある本です――いや、こうなる前に読んでおくのがよかったのでしょうが、遅すぎるということはありません。お薦め本です。

 

プロフィール:blue earth green trees SDGs勉強会プロジェクトリーダー。同志社大学法学部政治学科卒業、同大学院アメリカ研究科修了。ニュージーランドが関心の地域。私立中高で英語を教え、その後大学に移って「平和研究」「国際協力論」「NGO/NPO論」などを担当。2008年から6年間開発教育協会(DEAR)代表理事。今はDEAR監事と関西NGO協議会(KNC)監事。

種を蒔く:#292, 266, 259, 254, 237, 224, 197, 175, 143, 124, 121, 98, 79, 73, 69, 67, 48




#302 2022327

 

 

木村直子から あなたへ

 

―正義の戦争なんかない― 

  人が人を殺してはいけない。

 

 

高村光太郎

 ―もうひとつの自転するもの―

 

春の雨に半分ぬれた朝の新聞が

 すこし重たく手にのって

 この世の字劃(じかく)をずたずたにしている

 世界の鉄と火薬とそのうしろの巨大なものとが

 もう一度やみ難い方向に向いてゆくのを

 すこし油のにじんだ活字が教える

 

とどめ得ない大地の運行

 べったり新聞について来た桜の花びらを私ははじく

 もう一つの大地が私の内側に自転する

草野天平   戦争に際して思ふ   

― 最勝 ―

世界万人に真に勝つ武器は

神のやうに無手でありませう

前を正しく見て

物を持たないことでありませう

また持たうともしないことでありませう

わたくし共は父母の子でありますけれども

創りは独り

茫々とした天と地の子

我が物と思はないことであります

手は垂れて何も蔵(かく)さず

慈悲と無慈悲の中ほどに立つて

身体のいづれにも力を籠めぬ

あの平かな姿であり

言葉であり行ひでありませう

 

 

学舎の桜  2022.3.24


 

種を蒔く:#294, 289, 285, 274, 256, 248, 243, 234, 226, 215, 210, 202, 191, 182, 178, 169, 155, 133, 114, 101

 

 




#301 2022327

 

田中葉月からあなたへ

 

「ウクライナ民話  てぶくろ」

 

我が家にあるこの本は、30数年前、子どもが幼稚園児だった時のママ友さんからいただいたものです。

 

  娘と息子が読み、ずーっと本棚に眠ってました。孫が生まれ、またこの本を読み聞かせることができました。その時は「みんななかよく、たすけあいましょうね」と温かく、ほんわか、ゆったりと読んでいました。

 

   今、この本をこのような気持ちで読むことができないでいます。暗い気持ちになります。

 

   いろいろな生き物はいろんな民族、手袋はウクライナ、おじいさんはロシア。おじいさんが手袋を取りに来て皆バラバラに。

 

   来週、孫たちが来ます。「てぶくろ」を読んであげるつもりです。

 

どのように感じてくれるか楽しみにしています。 優しいおじいさんとてぶくろ、また皆が戻ってきててぶくろというお話を、温かく、ゆったりと、ほんわかと読める日が来ることを祈っています。